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第69話 【シズクの出生】


 シズクの爺ちゃんと街には行った後、近場の喫茶店に入り個室がある店だったのでそこに入らせてもらった。一応、店に入った事だし何か注文しようと思いメニューの中にサンドイッチがあったので注文した。


「それで、俺と話って何ですか?」


「うむ、なんじゃ、シズクの呪いを解いてくれて祖父として感謝を言いたくてのう。あの、呪い儂も頑張って解呪しようとしたのじゃが中々の強い呪いでのう儂の力じゃ無理じゃったんじゃ、こんな事なら転生の時に聖属性の属性を取得しとくんじゃったと後悔したんじゃよ」


「転生時…やはり、貴方は転生者なんですね」


「ふむ、というとレイ君もやはり転生者なのだな、思った通りじゃのう。しかし、転生者であったとしてもシズクの呪いを解いてくれたのはレイ君じゃ、まずは感謝の言葉を言わせてほしい…シズクの呪いを解いてくれて、ありがとう。」


 シズクの爺ちゃんはそう言って個室の床に額を付け土下座をした。俺は、慌てて爺さんの肩を持ち座り直させた。


「別に俺は、友達が困っていたから助けただけだから、そんな爺さんに土下座されると俺の心が持たないよ。それよりさ、何でシズクは呪いにかかったのか知らない?あれ、普通に生活してたらかからない代物の呪いだったけど」


 俺は、あの時シズクの呪いを見た時を思い出す。あの呪いに俺は1度鑑定を使った。その時、負の感情のオーラが俺の脳へと押し寄せて来て一瞬よろけたのを思い出す。


「う~む、それがよく分からんのじゃよ…」


「それは、どういう事なんですか?」


「うむ、お主はまだこちらの世界に来て浅い様じゃから儂の事は知らないと思うが、これでも儂は一国の王だったんじゃよ。まあ、今は倅に継がせておるがの」


 …って事は、待てよ。このお爺さんが王様だとする。と言う事は何だ、シズクは一国の御姫様なのか?!


「レイ君、取りあえず儂の話を最後まで聞いてほしいのじゃが…」


「あ、すみません」


「うむ、まあ国と言っても長い歴史を持つような所ではなくてのう儂が200年前に作ったんじゃ。儂は、この世界に来て色々と無双しまくってのう戦闘に飽きてそろそろ一か所に留まろうと思い国を作ったのじゃ、その時儂は3つの種族を自分の国に呼びそして、その3つの種族の娘と結婚したんじゃ、1人目は儂と同じ種のエルフ族、2人目は獣人狼族、3人目は、まあここで大きな声では言えんが…魔族と結婚したんじゃ」


「ふぁッ?ま、まぞ――」


 俺はね爺さんから聞いた言葉に驚きその言葉を言おうとした瞬間、爺さんの手が俺の口をふさいだ。


「ふぅ、ここではまだ魔族は良い者と思って無い者も少なからずいるから叫ぶのは無しじゃ…それでのう3人の子は儂とも仲良く妻同士でも仲良かったんじゃ…じゃが、その子供の世代に移ると途端に種族事に仲が悪くなってのう。国自体が3つに分かれてしまったんじゃ、先王、まあ儂なんじゃがエルフ族なのでエルフ族の物が次の王に成るというのが自然と決まって2人居る儂の子のうち長男の方を継がせたんじゃ、その時狼族の者達と魔族の者達が反発しての、あの時は大変じゃったわい…」


「うわぁ~、権力争いとか嫌だな~、良かった家はそんな大きな家じゃなくて…」


「うむ、本当に権力争いは怖いぞ…まあ、そんな時に、シズクが生まれたんじゃ。シズクは可愛かったのう、今も可愛いがあの時の無垢な笑顔たまらんかったわい~…あっ、すまん思い出に浸っておったわい、ごほんっ、えっとそれでのそんな時に生まれたシズクじゃ、権力争いがあっている中安全な場所などどこにもなくてのう魔族の者達にシズクが連れ去られた時があったのじゃ」


「…それじゃ、その時に呪いを?」


「儂もそう思ったのじゃ、しかしその権力争いを終わらせた後魔族の者達に問わせたのじゃシズクに呪い付けた者を出せとな、しかし居なかったんじゃ、というのも儂の国に居った魔族は誰1人呪いを使う事が出来なかったんじゃ。その後、儂はシズクのステータスをなるべく誰にも悟られないように偽装を掛けいつか聖属性が高く解呪が出来る者が来るのを待つことにしたんじゃ…じゃが、そんな日が来るのを前にシズクは国を出て行ったんじゃ。他の者に何故出て行ったのか調べさせると儂の血族の者達から虐められていたようでのう、シズクの母と父は国の政務官として激務に追われていてシズクの相手は出来なかったようでシズクは抱え込み過ぎて逃げたのじゃろうな…」


 なるほどな、だからシズクは「味方が1人だけ」と言ったのは、この爺さんだけがシズクの心のよりどころだったのか、だがそれも抱え込み過ぎたシズクの心には足りず遂に逃げ出す決意をしたんだろうな…まだ、その時8歳の女の子をイジメるなんて、どんな教育されてんだよ。


「ふぅ、しかしここまで話したのはいいのじゃが肝心の呪いの行方の件については、結局分からずじまいなんじゃ。ああ、それとシズクのステータスを見た事があるレイ君なら話を聞いて不思議と思ったと思うがシズクが平民となっているのは、儂が付けておくようにと言った偽装アイテムで隠しているからじゃ」


「そうなんですか、まあ今はもう呪いも消えてますし大丈夫でしょう。それと、最後の言葉でやっと今迄つっかかえていた部分が取れました。やはり、あの時ステータスを確認した時違和感を感じたんですよね。でも、呪いの方はちゃんと見えましたよ?」


「あのアイテムはのう出生だけを隠す物なんじゃ。よく、王族が街に行く時に着けている物なんじゃよ」


「それだけの為に作られるアイテムなんてあるんですね。」


 俺がそう言った後、丁度良く店員が俺と爺さんが頼んだ。サンドイッチ2つと飲み物を持ってきたので、話は終わりにして食べることに切り替えた。

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