第64話 【午後の試験開始・2、学園長登場】
「はい、それでは一番前の君からマネキンに魔法を撃って」
「はいッ!【火の精霊よ 力を貸し与えたまえ ファイアーボール】!」
魔力測定の時【B】ランクだった試験者の人がマネキンに魔法を放つとマネキンには【C】とランクが出た。
「それじゃ、終わった子から試験は終わりですので帰宅してもいいですよ。発表は明日されますので、朝学園の正門に来てください。それでは、次の子は、魔法の準備をしてください」
その後、俺とシズクの前に並んでいる試験者の人達はマネキンに向かって魔法を撃って行った。特に多かったランクはCランクで、時々Bが居たりしてAランクが俺達の前に1人だけいたがそいつは、魔力測定の時Dランクだった試験者だった。魔力さえ強化すれば魔法使いとして成功するだろうな、俺は他の試験者のランクを見てそんな風に思いながら自分の番が来るのを待った。
「それでは、次の方どうぞ」
「はい、行ってくるね。レイ君」
「ああ、頑張れよシズク」
俺の前に待って居たシズクの順番になった。シズクは、マネキンと向き合い魔法(シズクの場合、魔法と言うより忍術だけど)を使った。
「【火遁・迦具土】!」
「…ふぁ?」
俺は、シズクが出した忍術に驚いて口が開いたままになった。いや、アレを見たら誰だって俺見たくなる。現にまだここに残っている試験者の人達と先生はポカーンとシズクの魔法(忍術)を見て固まっている。
撃った本人であるシズクは、マネキンを見て指を指して喜んでいたので、俺は首をマネキンのある方に向けるとそこには「S」と表示されていた。
「わーい~、やったよ。レイ君~」
「お、おう、おめでとうシズク、な、なあさっきの魔法は何なんだ?」
「えっと、アレはねお祖父ちゃんが編み出した技で誰にも教えなかった技らしいんだけど私にだけ教えてくれた魔法なの、確かお祖父ちゃんが言うには「火の神様を題材にして作った技だから、威力と迫力は素晴らしいもんじゃから派手にやりたい時に使ったら周りの者が驚くぞ」って言ってたから今なら周りに人も居るからちょっと試したくなったの」
「そ、そうか、確かに迫力はあったな俺が戦った事があるドラゴンにそっくりだったぜ」
「レイ君でも、驚くことあるんだね~」
「いやいや、あれ見たら誰だって驚くって」
俺は、シズクがここまで成長してる事に内心驚きながらも次の番である俺はもっとそれ以上の迫力にしようと考え始めた。
それから、1,2分後やっと回復した先生は「次の方、どうぞ」と言った。俺は、自分の番が回って来たのでマネキンの前に移動した。
「さてと、シズクがアレだけの事をやったから、それ以上のド迫力な物を出さないと行けなくなっちまったな…う~む、よし思いついた。これで行こう。まずは、ちょっと離れてっと…ハァッ!【ビックバン】!」
俺は、無属性魔法と火属性魔法の合成して作った魔法、それをマネキンに向かって放った。まあ、今回はマネキンが壊れないように魔力を抑えたおかげでマネキンは無事だった。(ぶっ壊れてはないが、所々ヒビが入り、ポロポロと崩れかけていたが…)
それでも、測定ランクはちゃんと表示されており【S】と現れていた。
「レイ君、凄いね。私の魔法より、迫力あったよ!」
「まあな、これでも最初シズクに魔法を教えたのは俺だからな、魔法では負けれないよ」
「う~、私だって強くなったから直ぐにレイ君を追い抜いてみせるよ!」
「おう、頑張って俺より強くなってくれよ。そしたら、一緒に竜退治にでも行こうぜ」
「うんッ!」
俺と、シズクとそんな約束をして、未だ固まっている先生を起こした。周りで見ていた試験者の人達は先生によって帰された。
「それじゃ、レイ君私門の所で待ってるね」
「ああ、それじゃまた後でな」
シズクはそう言ってね俺と別れた。俺は、試験の監督をしていた先生に連れられて本校舎の最上階にある学園長室前に連れて来られた。
「学園長失礼します。」
「うん、どうぞ~」
中から、そう応答が帰って来たのを確認した先生は扉のドアノブを回しドアを開けると、そこには【セーラー服を着たエルフの女性】が机の上でポーズを取っていた。
「失礼します、って学園長なんですかその恰好はッ!今日、試験者の方を連れてくると申し上げた時は普通の格好でしたのに、なぜまたそんな格好になってるんですかッ!それに、何故机の上でポーズ何て取ってるんですかッ!」
監督をしてくれていた優しそうな先生は、中に居た人物、学園長に対しそう声を荒げ言い放った。
「えっ?だって、君が男の子を連れてくると言ったから学園長としてもてなそうと…」
「なんでですかッ!馬鹿なんですか、この学園を創立しておいてそのトップが馬鹿なんですかッ!」
「いやいや、馬鹿じゃないよ?これでも、国王から賢者とか魔導師とか色々とカッコ良くて頭よさそうな称号貰ってるよ?」
「…もう、いいです。レイディア君、すみませんアレがうちの学園の学園長です。普段は普通の方なんですが時々こうして馬鹿になる時があるのですが気にしないでください」
「は、はい…」
俺は、今の起こっていることに少し戸惑いながらも先生が必死な目でそう言って来たので、コクコクとうなづいた。
「ネルビス~、人にばかと言う人がばかだって事知らないのかい?」
「学園長は、早く着替えて来て下さいッ!」
「あれ~」
先生は、学園長を風魔法で部屋の中に有るもう1つのドアを開けその部屋の中に風魔法で押しやった。