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第61話 【入学試験開始・2】


「な、なんだあいつ…」「俺見た事あるぞ、邪竜討伐の時に…」


 俺が測定器を壊した後、周りで見ていた試験者の人達が俺の見てコソコソと喋っていた。


「え、えっと皆さん落ち着いてください、多分測定器の故障でしょう。次の試験に移りますので皆さん自分の元の席に着いてください、…さっ、レイディア君も席に着いて」


「はい、分かりました」


 そう、俺が席に向かおうとした時、いきなり小さな風が俺の耳元を横切って行った。


(後で、お話があります。全部の試験が終わりましたら残っていてください)


 それは、先程から聞いていた先生の声だった。まあ、他の試験者には聞こえてないみたいだし風魔法で俺だけ聞こえるようにしたんだろう。俺は、それを聞き先生の方をチラッと見て頷き自分の席へと帰った。


「レ、レイ君大丈夫だった、怪我とかしてない?」


「ああ、大丈夫だよ。それより、次の試験が始まるみたいだから先生の話を聞こうか」


「うん、分かったよ。レイ君」


「ええ、それでは次の試験に移ります。次は、学力テストです冊子を渡しますのでこれを50分以内に解き終わったください」


 そう言って、先生は冊子を風魔法で試験者に配った。俺はね先生の「開始」という合図と共に冊子を開いて問題を解き始めた。


(あれ?意外と簡単だな…)


 以外にも、リック兄さんが言ってたような引っかけがそんなに無くスラスラと問題を解いて行った。特に数学は、前世の記憶があったおかげで問題を見て直ぐに頭で計算でき20問くらいあったのが5分で終わった。そして、他の教科も大体7、8分位で終わって残り15分位試験時間が余ってしまった。


(う~ん、リック兄さんが言ってたような引っかけは少なかったから簡単だったな…暇だな、見直しでもしておこうかな)


 俺は、その後15分間をもう一度冊子を見直し行くと、間違えてる所が2,3個あって見直ししてよかったと思った。


「はい、そこまでペンを置いてください」


 先生がそう言うと、試験者の人達はペンを置き先生は、風魔法を使い冊子を自分の所へと集めた。


「はい、それでは午前中の試験は終わりです。午後は、実技のテストがありますので練習場は解放してありますので無理のない様練習をしていても構いません、食事は食堂を解放されてますのでそこで食事をとってください。それでは、また午後の部が始まる前に放送で知らせますのでそれまで自由時間になります」


 先生は、そう言って冊子と俺達が最初に書いた用紙を持って部屋を出て行った。


「う~、難しかった~、ねえレイ君一緒に食堂に行こう~」


「そうだな、でも俺は弁当を作って来たから食堂に行っても俺は弁当だぞ?」


「レイ君、お弁当なの?」


「ああ、そうだよ。こっちに来たら、マグラットより色んな食材を手に入り易くなったからな結構作り過ぎたんだよな、シズクも一緒に食べるか?」


「うん、食べる!レイ君の料理美味しいし~」


「そうか、なら早く食堂に移動するか」


 そう言って、俺達は部屋を出て食堂へと移動した。食堂には、既に他の科の試験者の人達と学生が来ていて購買の前に人がたくさん並んでいた。俺達は購買には用が無かったので席を探すが人が多すぎてどこも空いていなかった。


「う~ん、どうしようかシズク」


「そうだね…あっ、レイ君あそこで手振ってるのってレイ君知り合い?」


「んっ?ああ、マールとディーかえっと何か言ってるな、う~ん…「こ・こ・空・い・て・る・ぞ」かな?よし、行くか」


 俺達は、ディーとマールが座っている場所に人の間を通り抜けて行った。途中でシズクがはぐれそうになったので手を繋いでディー達の所へ向かった。手をつなぐとき、シズクが少し顔を赤くしたがハグレないよりましだと思い俺はそのまま手を繋いで引っ張って行った。


「いや~、助かった。まさか、こんなに人が多いとは」


「まあ、今日は全校生徒と試験者の人が来てるから多いんだろうが普段は空いてるぞ、それより後ろに居るのは、マグラットでレイと仲良かった女の子だよな?」


「ああ、偶然試験会場で会ったんだよ。同じ、魔法科に受けに来てたからビックリしたぜ」


「あ、あの、マグラットに居る時は挨拶できなくてすみません、シズクです。よろしくお願いします」


「いや、僕の方こそ家に来てる時に挨拶に向かわなくてすまない、レイの友達なら僕達の事も気安く呼んでくれ。僕は、ディール、ディーと呼んでくれ。それで、隣に居るのが妹のマールだ」


 そう言えば、マグラットに居た時ディー達にシズクを合わせて無かったな、シズクなら、ディー達ともすぐに仲良くなれるだろうな


「よろしくね、シズクちゃん!」


 マールは、シズクの手を握ってブンブンと振った。それを見たディーは、マールの手をシズクから引き離し呆れながら言った。


「マール、そろそろ止めなさいシズクが困っているだろう。お前はいつも、何でそう激しいんだ…」


「あっ、ごめんなさいシズクちゃん…」


「あっ、いいんだよ。マールちゃん」


 その後、マールはシズクの手を引いて自分の隣の席に座らせた。俺は、ディーの横の席が空いていたのでそっちに座ってアイテムバックから弁当を入れている弁当箱を出した。学園に行く数日前に王都の市場で色んな食材を購入して料理を作っていると、遂楽しくなり作り過ぎてしまって重箱並みの大きさになってしまった。これを見た、ディー、マール、シズクは呆気にとられていた。



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