表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/211

第60話 【入学試験開始・1】


 そして、邪竜討伐から月日は流れ学園への入学試験当日になった。入学の為に俺は、こっちの世界の歴史や地理、その他諸々の勉強を母さんとリック兄さんに教えて貰っていた。


「それじゃ、母さん父さん行ってきます」


「ええ、行ってらっしゃい頑張るのよ」


「レイ、引っかけとかあるから気をつけるんだよ」


「うん、分かってるよ。」


 俺は、そう言って母さん達に手を振り学園へと向かって歩いて行った。学園に近づくと、学園の制服を着た人達が増えて行き中には、俺と同じように途中入学をすると思わしき人が学園へと向かって歩いていた。


「お~い、レイ~!」


「んっ?ッディー!久しぶりだな」


 後ろの方から、マールと一緒に俺を見つけたディーが走って俺の所へと来た。


「レイ、今日は入学の試験か?」


「ああ、そうだよ。結構、勉強したけど筆記は少し心配だが実技は大丈夫だと思うぜ」


「そうだな、レイの魔法なら合格ラインには届くだろうしな」


「あっ、レイ君レイ君私ね、あの魔法結構うまくなったんだよ!」


「おお、じゃあ試験が終わった後、家で見せて貰おうかな」


「うん、いいよ!」


 その後、学園の門を潜る所までディー達と喋りながら行き、門を潜った後は試験者の人達は学生とは別の場所に向かうので別れることになった。向かった場所には、入学希望者の人がざっと見た感じ2.30人位居て、ここは魔法科への入学希望者だけでこの人数なら他のかも相当多いだろうな思った。部屋の中には、試験に使う道具も置いてあった。

 俺は、部屋の後ろの席に座った。俺は、アイテムバックから勉強用に書いてきたノート(エルダに木を一瞬で生やしてもらい俺がそれを切って、能力話フル活用して大量の紙を作った物、まあこの国では紙は手に入るが高い!と言うほどでもないが安くも無いので、節約も兼ね自分で作ることにした)を開き、始まるまでの間勉強を始めた。


「あの、隣良いですか…」


「んっ?ああ、どうぞどうぞ」


 勉強を始めて10分位経った時、頭の上からそう聞こえたので俺は、広げていたノートを自分の方へ寄せて場所作った。俺は、席に座った人の顔をチラッと見てみると…


「シ、シズク?!」


「えっ、レイ君?!」


 隣の席に座ったのは、里帰りしたはずのシズクだった。俺は、流石にシズクが来るとは思わよず驚いて席を立ち大声を出してしまって周りを見るとこっちの不思議そうな目で見ていたので、俺は頭を下げ「すみません」と言って席に座り直した。


「まさか、シズクが来るとは思わなかったよ。」


「お祖父ちゃんが子供は学園に行った方が良いって言ってきたの、でもレイ君とは連絡取れなかったからどうしようかなってずっと迷ってたけど会えてよかった」


「そうだな、俺も会えてよかった。それで、お爺さんには教えて貰えたのか?」


「うん、沢山教えて貰ってきたよ。これだけ、覚えたら学園の魔法科なんてチョロイってお祖父ちゃんが言ってた。でも、チョロイってどういう意味が分からないんだよね、レイ君知ってる?」


 おいおい、確かにシズクの能力凄いな…たったこんだけの期間でこれだけの能力の上がり方どんな特訓をして来たんだ?益々、シズクの転生者のお爺さんに会いたくなったぞ


「ああ、まあ簡単だって意味だよ」


「そうなんだ~、それじゃレイ君と同じクラスに成れるように頑張るね」


「おう、俺も頑張る」


 そうこうしてると、部屋に先生らしき人が入ってきた。


「え~、今回の途中入学の監督をします。ネルビスですよろしくお願いします。…それでは、まずは今から配ります用紙にご自分の名前をご記入してください」


 先生はそう言うと、風魔法で部屋に居た生徒に紙を配った。俺は、配られた紙に名前を書いた。


「書いたかな?それじゃ、次は前にある魔力測定器で魔力を測ってもらいますね。それでは、前の君から」


「はい!」


 一番前に座っていた男の子が先生に言われて前に出て行き、魔力測定機に手を当てた。そして、測定器の中に「B」と書かれていた。


「ふむふむ、Bランクか意外と魔力を持って居る様だね。はい、それじゃ次の子」


「はい」


 先生は、Bランクと出た人の後にその後ろに座っていた男の子を呼んだ。そして、男の子は測定機に手を当て、すると次の子は「D」と書かれていた。


「う~ん、Dランクか…まあ、でも頑張れば魔力は上がるからこれから精進するんだよ。それじゃ、次の子も測定をして言ってね」


 Dと出た男の子は、見るからに落ち込んでいた。


「まあ、魔力は大事だしなクラスにも関わるし…」


「えっ?クラスにも関わるってどういう事、レイ君?」


「シズク知らないのか、ここの学園にはS~Dランクのクラスがあってランクが高いのがSで低いのがD、高ければ今後の就職にも関わったりとしてくるから皆SクラスかAを目指すんだ。それで、一番最初に測った子がBって言ってただろ?あれは、Bランクの教室位の魔力の持ち主って表わしてるんだよ。そこから、筆記と実技でAからDのクラスに分けられるんだよ」


「えっ、AからDってさっきの子はもうSランクには行けないの?」


「ああ、まあ学年末の試験で上がる事も出来るかもしれないが殆どないらしい、だからここでSランクかAランクの魔力を持っていたらC以上は確定してるんだよ」


「そうなんだ。魔法科だから、魔力に拘ってるんだね」


「そうだな、っと次はシズクの番みたいだぞ」


「うん、行ってくるね」


 シズクは、そう言って前に歩いて行き測定機に手を当てた。


(まあ、さっき鑑定して見た結果から言うと…)


「え、Sランク?!す、凄いね君Sランクの魔力何て久しぶりに見たよ!」


「あ、ありがとうございます」


 シズクは、先生が興奮して周りから注目されていたが逃げる様に俺の下へと帰って来た。


「うう、恥ずかしかったよ…」


「まあ、当然っちゃあ当然だよ。Sランクの魔力何て、殆ど居ないらしいしね。…まあ、俺も覚悟しておかないといけないけど」


「そ、それじゃ次は女の子の横に座っている君来てくれる」


 シズクの結果に興奮していた先生がようやく落ち着き、俺の番になった。


「あっ、先生1つ質問良いですか?」


「はい、何ですか?」


「もし、この測定器が壊れたらどうなるんですか?」


「そうですね。まあ、そんな事は無いと思いますが間違いなく学園長の所へ行く事になりますね」


「そうですか、分かりました」


 俺は、そう言って測定器へと手を当てて測定を開始した。


「ポンッ!!」


「…えっ?」


 俺が手を置いていた測定器は、俺の魔力の測定が終わる前に爆発して壊れた。


(いや、だって分かってたんだよ。この測定器の容量が俺の魔力より小さいってわかってたからッ!)


 この測定器、試験用に作られたのか知らんが魔力の容量が5000までしかなく俺はこの設定を見た時から、こうなる事は分かっていた。だから、俺は順番が一番最後になる様に端っこに座っていたんだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ