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第59話 【ギルド長へ】


 次の日、俺は、ギルド長へのお礼の品として作ったチョコクッキーを朝から持って行くべくギルドへと向かっていた。ギルドの中に入ると、昨日見送ってくれた冒険者の方達が居た。

 そして、その中に居たディッスさんが俺の方へ歩いてきた。


「おっ、レイディア昨日はどうだった?…ってその勲章ってドラゴンスレイヤーのッ!」


「おはようございます、ディッズさん、昨日王宮に行った時にもらいました。」


「ああ、そうかレイディア君邪竜討伐したからもらったのか、って事はゼンと一緒だから親子でドラゴンスレイヤーの勲章を持ってるって事かよ、凄い親子だな」


「そうですね。後、ディッズさん俺の事はレイで構いませんよ」


「おっ、そうか、なら今度からはレイ君と呼ばせてもらうよ。んで、今日は何の用事で来たんだ?クエスト受けに来たんなら一緒に行くか?」


 ディッズさんは、「俺のパーティーメンバー今日は、この前の邪竜討伐で怪我して今は休養で俺今はソロ活動中なんだよ」と言って誘ってきたが、今日はギルド長にお礼の品を渡したら家に帰って学園への準備をしないといけないので断りを入れて、俺は受付へと向かった。

 朝は、人が多いので順番を待って居ると並んでいた冒険者の方から「さっきの会話聞いてたし、先に良いぞ」と言って順番を譲ってくれた。俺は、冒険者の方達にお礼として作り過ぎていたチョコ味ではないクッキーを全員に3枚ずつ(冒険者の人は大体20人位居た)渡すと、冒険者の人達は久しぶりに甘い物を食べたと言って喜んでくれた。そして、受付の人にギルド長室へと案内して貰った。


「失礼します」


「んっ、レイ君かどうしたんじゃ今日は?」


 ギルド長は、仕事中だったのか資料が机の上に置いてあった。確かに、昨日俺の用事で一日付き添ってもらったからギルド長の仕事が溜まってたんだと思う。


「えっと、昨日のお礼の品を持ってきたんですが、仕事中でしたか?」


「うむ、邪竜が出現したからのう他の国やギルドに報告と警戒をしておくようにといった物だ大したものじゃないぞ。それでお礼の品とはなんじゃ?」


「ええ、ギルド長この前甘い物が好物だと言ってたのでクッキーを作って来たんです」


「おお!レイ君は、料理も出来るのか凄いのう」


 俺は、ギルド長にアイテムバックから昨日ユニアに包装して貰ったチョコクッキーの包みを取り出しギルド長に渡した。


「ありがとな、レイ君これで仕事もやる気が出たわい、仕事が片ついたら頂くとするの」


「はい、今度来た時感想お願いしますね。それじゃ、今日はこの後勉強があるんで帰りますね」


「うむ、入学試験頑張るんだぞ」


「はい、頑張ります」


 俺はそう言って、ギルド長室を出て行き、ギルドを出て家に向かった。


☆★☆


「ん~、やっと終わったわい」


 儂は、昨日から溜まっていた仕事を終わらすことが出来た。


「ギルド長、お疲れさまでした。今日のお仕事は、それで終わりです」


「うむ、君もお疲れ、そうじゃレイ君が朝持って来てくれたお菓子があるんじゃが君も一緒に食べるか?」


「お菓子ですか、そうですね。それでしたら、お茶を持ってきます」


「うむ、儂は、いつもの奴で」


 儂はそう言って、レイ君から貰った箱の包装を剥がし中身を確認した。中には、きれいに並べられた普通のクッキーと今迄見た事が無いクッキーの色をしたものが入っていた。


「う~ん、こっちの黒いのはなんじゃろか?」


 儂が悩んでいると、受付の子がお茶を持って帰って来たので早速黒いクッキーを手に取り口の中へと運んだ。


「ッ!なんじゃ、このクッキーは!」


「どうしたんですか、ギルド長そんなに叫んで」


「このクッキーの味に驚いたんじゃ、君もこの黒いクッキーを食べてみると分かるぞ」


「分かりました。…ッ!な、何ですかこのクッキーは、私これでも給料の半分は王都の菓子専門店に通ってますがこの味は初めてです。誰が作ったんですかッ?!」


 向かいの席で黒いクッキーを食べた受付の子は、身を乗り出して叫んだ。


「レイ君じゃよ、邪竜討伐したの」


「あの子がですか…それにしても、このお菓子味もそうですが見た目も凄く良いですね」


「そうじゃな、まああの子は今学園に入学のために忙しいから余り変な事は考えない方が良いぞ」


「…分かりました。今日のこれで楽しみます」


「うむ、そうじゃなレイ君が学園に入学したら暇な時を見計らって、クッキーを作ってもらおうかの」


「はい、そうですね」


 そう言って、儂達は残りクッキーと茶を飲みながら仕事の疲れをレイ君のクッキーで癒させて貰う事にした。

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