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第56話 【王様からのお願い事】


 王様から勲章をもらった後、俺達は王様から言われ別室に移動していた。そして、案内された部屋は流石、王宮今迄見た事が無い豪華な作りをしたイスやテーブルが設置されていた。俺達は、その椅子に座って王様が来るのを待つことにした。


「でも、良かったわね。ゼンの時みたいなことが起きなくて」


「そうだな、俺の時は、今日見た王様とは思えないほどに俺を捕まえようとしてきたからな、レイ良かったな女神様に守ってもらって」


「そうですね。女神様にはいつも感謝しています。今日も帰ったら、お祈りをしておかないといけませんね」


「なんじゃ、レイは何の女神様を信仰してるんじゃ?」


「えっと…豊穣神イアラ様、魔神リュアン様、鍛冶神セーラ様です」


 俺がそう言うと、ギルド長が「3柱の女神様を信仰してるんじゃな、レイは良い子じゃのう、信仰心のスキルなんかももっていたりするのかの?」と聞いてきたので、隠すことではないと思い「はい」と答えるとギルド長は少し驚いた。


「な、なんじゃレイ信仰心のスキルも持っておるのか?」


「ええ、はい持ってますよ。これでも、一応ステータス閲覧なんかも出来ますよ」


「な、なんと…それ程、高い信仰心のスキルなら確かに女神から守られてるのも分かるのう…レイ、今後も女神様への信仰忘れないようにするんじゃよ」


「はい、分かってます。」


 俺がそう言うと、ギルド長は「うむうむ、やはりレイは良い子じゃのう。流石リゼの息子じゃわい」と言って、父さんが「俺の息子でもあるんですが?」と言うとギルド長はそれを無視して俺の頭を撫でた。

 そして、数分後部屋の扉が開くと王様がやってきて皆一斉に立ち上がり王様へとお辞儀をした。


「公の場ではないから、ゆっくり座っていてくれていいんじゃ」


 そう言って、王様は俺達とは向かいの椅子に座った。


「まあ、そんな緊張しなくてもよいぞ、さっき王妃が言った通り儂はもうレイ君を狙おうなんてしてないからの」


「王、そんなこと言って目が『欲しい、欲しい』と訴えかけているぞ」


「うぐ、煩いぞチャンド、本当は欲しいわい、レイディア君の兵士から上がった資料を見てみると、まずあの邪竜に吹き飛ばされても怪我もせず邪竜に向かったと聞いておる、それだけのタフさを持つ8歳児何てどこを探してもおらんわい、そしてそれだけじゃなくて邪竜とやり合えるくらいの魔法の強さ、とどめを刺した光魔法は上級以上の物であるとあの場に居た魔術師から報告が上がっておる。そして、極め付けがあの場で使っていた魔法、身体能力強化以外は今現在魔術ギルドで発見・作成リストには載ってない物だったそうじゃ、これだけの事を出来る8歳児何て要る訳が無かろう」


 王様は、息つきをせず今の言葉をギルド長に向かって言った。それを聞いていたギルド長と俺の親は俺の方を向いて「本当に?」的な感じの目をしていたので俺はコクッと頷いた。


「レイディア君が良ければ、儂の所の娘と婚約するんじゃが…」


 王様は、「どうじゃ、君が頷けば上手くいく」みたいな目をして俺にそう言ってきた。ギルド長と話し合いをした時から俺はこの質問が来た時、どう反応するかは自分自身と話し合った結果もう既に決めていた。


「すみません、王様それは出来ません、僕も好きな子が居るので、婚約は出来ません」


 俺は、席を立ちそう王様へと向かって言い、お辞儀をした。


「ふむふむ、いいんじゃよ。ただ、レイディア君が良かったらで言ってみただけじゃ頭を上げなさい、それより君を残したのはこれとは別の話をしたくて呼んだんじゃ」


「別の話ですか?」


 俺は、王様から別の話と言われ席に座り直した。


「レイディア君、君も学園にはいるんじゃろ?」


「ええ、高等部から途中入学の試験を受けて魔法科に入ろうと思っています」


「なるほど、魔法科か…都合が良いのう。儂の娘、第3王女のシフォンというんじゃが、その子も魔法科に通っておるんじゃが、そのなんじゃ、魔法がそんな得意ではないんじゃよ」


 えっ?それじゃ、何で魔法科に?確か、学園はそれ以外にも科があった筈だけど…


「うむ、レイ君のその目は、「何故、得意でもない魔法科に居るのか?」じゃろう。それはな、あの子は魔力が同い年の子達と比べると数倍近く既に有しておるんじゃよ。じゃから、魔法科に入学させたんじゃが、魔力は持っていても魔法はそんなにできなかったのじゃ…じゃから、魔法が得意なレイディア君にシフォンに魔法を教えて欲しいんじゃよ」


 王様は、そう言って頭を下げた。俺は、王様が頭が下げた事に驚き慌てた。


「ええ、ちょっと?!王様が、頭を下げないでくださいよ」


「頼む、儂が雇っている魔術師たちが皆レイディア君の魔法はどれも素晴らしいと言っておったのじゃ」


「わ、分かりましたから、その王女様に教えますんで頭を上げてください」


 俺が、そう言うと王様は頭を上げた。その顔は、部屋に入る時よりもにこやかとしていた。

 その後、王女様と会うのかと思ったが今は別の国へ遊びに行っているらしいので会えないので、今日はこれでお開きとなったので家へ帰る事にした。


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[一言] ヒロインがなにげに増えてゆく 隠しヒロインは女神様!
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