第53話 【先輩と女神様】
時は遡り、レイが王家に狙われているとギルド長に教えて貰った所まで戻る。
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「大変な事が起きたわね。まさか、あの子が王家から狙われるなんて…」
「そうね。まあ、あそこまで力を使っていたものあの場には沢山王家の兵が居たから見つかるのは当然よ。それにしても、今回の王家は手が早かったわね」
「そうよね。あの子の父親の時は一週間後位に来てたみたいだけど、レイ君の時は次の日って誰かがレイ君の事を伝えたのかしら?」
「…そういえば、あの子の近くに来た転生者の子ずっと偽装を掛けてたみたいだけど、あの子の魔力、確か聖国の…」
私の隣に座っていたリュアンが、何か思い出したかのように言った。私は、それを聞いて1人だけ地球からではなくもう1つの異世界から連れて来た1人の異世界人が居た事を思い出した。
「あっ、だからあの顔見て何かを感じたのね。ハクちゃんの守り人として連れて来た。別世界の異界人の子」
「なるほど、でも何故あの子がここに来てたのかしら?確か、今の時期はハクちゃんの相手をしててあの場所から出て来れなかったはずじゃない?」
「そうよね。ちょっと、見てみましょうか…」
私は、前に一度あの子を助けるために呼び出した聖竜を覗いてみた。すると、あの時あの子を助けた時とは姿を変え、人族の10歳くらいの女の子に人化をした聖竜がベットの上で眠っている姿が映し出されている。
「…これは」
「…眠らされているわね。…睡眠魔法の残り魔力を調べてみたけど、これは完全にあの異界人の子の魔力ね」
「そう。って事は、あの子に会うために聖竜を眠らせて会いに行ったのね…これ、後で大変なのは自分なのは分かっているのかしらね」
「そうね。聖竜は、普段は知的そうに振舞っているけど、ただのゲームがしたい105歳の白竜ですものね。まあ、この件は置いておいてあの子の事よ。どうしようかしら…」
これで、レイ君がもし王家の人と対立したら私は迷わずレイ君の味方をしてしまうわ、本当はそんなことしちゃダメなんだけど…
「イアラ、分かってるわよ。私達だってあの子がもし、王家の対立した時は味方になりそうなのは、でも抑えなきゃだめよ。もし、そんな事をしたら確実にあの子は王家よりずっと面倒くさい聖国に狙われるわよ」
「…そうよね。そうだわ、皆あの異界人をここに呼びましょう。そして、王家の者達にあの子に手を出すなと命令させればいいのよ!」
「イアラ、貴方ね。今さっき、「女神が付いてる」ってバレちゃダメって言ったばかりなのにその発言、本当に考えて発言してるのかしら?」
「だって、あの子が心配で…」
私が、レイ君の事を色々と考えているとセーラが席を立った。
「どうしたの、セーラ?」
「うん、さっきイアラが言った異界人を呼ぶって言ったじゃない?その方法を試そうかと思ってね。だって、あの異界人権力で言うと結構持ってるじゃない?だから、あの子側の守り手として配属すればいいのよ」
「セーラ、天才だわ!」
私は、セーラが発案したその作戦を決行した。まずは、あの異界人の子の魔力を辿り見つけ、「ちょっと、話をしたいのだけどいいかしら」と念話を飛ばし人気が居ない所に移動して貰い、こちらの世界に来てもらった。
「えっと、どうしたんですか女神様が3人も揃って僕を呼ぶなんて…」
「ええ、ちっょと大変なことになってね。貴方の力で助けてあげて欲しいの」
「上げて、と言う事は僕の知ってる転生者ですね。…レイ君でしょうか?」
「ええ、そうよ。あの子、ちょっと今面倒な事に巻き込まれそうなのよ…」
私、先程見ていた事を異界人の子に全て教えた。
「なるほど、確かにレイ君の力を見た王家の人達なら間違いなくレイ君を取り囲んできますね。あの強さで8歳ですから、これからの成長も期待すると絶対に取っておきたい人材です。まして、転生者なので知識もある程度あり、魔法に関しては既にS級の域ですからね…1つ聞きたいのですが、レイ君のステータスの数値ってもしかして女神様が関係ありますか?僕も完璧には見れなかったのですが、レイ君のステータスは神が使える偽装で隠してますよね?」
「…ええ、ちっょと加護を強く与えすぎちゃって、あの世界でもし見られたりしないように私が隠してるわ」
「それは、今のレイ君のステータスの何倍位なんですか?」
「数値的問題では無いけど、まあざっとあの世界で覇権を握れるくらいは強いわ」
「…マジですか」
私は、リュアン達が言っていたことをそのまま教えると、異界人の子は驚いていた。
「…まあ、良いですよ。僕も、レイ君とはこれからも繋がっていたいですから手助けしますよ。今回は、女神様達の頼みでもありますし」
「ありがとう、異界の子、後で貴方がハクちゃんから怒られる時は私が頼みごとをしたと伝えておいてあげるわね」
「うっ、やっぱバレてました?まあ、女神様の言葉ならハクちゃんも騙されるでしょうから助かります。それじゃ、僕も色々と準備しますんでここらで」
「ええ、頼むわね。あの子の事」
「はい」
異界の子が返事をした後、私は異界の子を元の場所に戻した。
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「さてと、レイ君の為だ。僕も一肌脱ごうかね。まずは、彼奴の所に行かないとな…」
こうして、レイの知らぬ所で強力な味方が今回の騒動に参戦していくのであった。
色々と書き方を忘れてしまった部分がありますが、感想欄で指摘して貰えますと助かります。




