第46話 【王都のギルド長】
そして、次の日俺はエルダ達を連れて父さんと冒険者ギルドへと向かっていた。それと、昨日色々米を見つけた事で俺自身忘れていた食事前の父の言葉、今日の朝の飯の時サラリと父は答えてくれた。
「そういえば、昨日言うの忘れていたなレイ」
「んっ?何が?」
俺は、ガチで何の事か忘れて首を傾げて父の方を見た。
「いや、ほら食事前に、家の事を貴族並み~とか言ってた時に言ってないことがあるって言っただろ。アレの事なんだが…俺達って男爵になってるんだよ。一応継げる爵位なんだが、まあ継ぐとしたらリックかレイになると思うが」
「えっ?男爵なの?」
「ああ、多分グランから聞いてると思うがドラゴンを倒したことがあるんだよ。それが、丁度俺達が旅の帰りで王都に寄っている時にでな王都の中に馬車で入ろうと並んでいる時にリゼが遠くの方から危険な魔力を察知してその方をみるとドラゴンが飛んできてて、このままじゃ王都に被害が出ると思いレックとリックを馬車に置いたまま俺とリゼでドラゴンと戦ったんだよ。それで、その時倒したドラゴンがなんと邪竜の子供クラスでこのまま王都の中にあのドラゴンを入れてたら魔物を呼ばれ大変なことになってたと国王陛下からそう言われ、褒美として男爵を貰ったんだよ」
「…普通にスゴ、えっ?父さん1人で邪竜と戦ったの?」
「いや、あの時はたしか、リゼの援護とかユニアとラニアを購入した帰りだったし、俺の従魔も居たから俺1人で倒したんじゃないぞ」
「それだけの人数で邪竜の子供を倒したの?すっげ~」
えっ?いやいや、待ってというか今サラッと言ったけど結局俺って貴族なの?いや、まあ一番下の男爵だけど貴族になるような危険なドラゴンと父さん達戦ったの?やばいわ~
そして、その後こっちのギルドにレイの事を報告しないといけないと言われエルダ達とダンジョンに行くのは午後からになり朝からギルドへと向かった。
ギルドの中に入ると、1人の茶髪の大剣を背負った男が話しかけて来た。
「あっ、ゼン!」
「おお、ディッズお前も王都に来てたのか久しぶりだな~」
「あれ?ゼンの子供って黒髪じゃなかったか?何で、銀髪の子連れてるんだ?…八ッ、もしかしてリゼさんに内緒で」
「ディッズお前は馬鹿か?俺が、リゼ以外の女に興味がない事は知ってるだろうが、この子も俺の息子だよ。昔話しただろ、離ればなれになった子供が1人いるって」
「んっ?ああ、言ってたな、たしかレイだっけ?そうか戻って来たのか良かったな」
そう言って、ディッズと父さんから呼ばれた男は父さんと握手をした後俺の方を向いた。
「ゼンの子供の割に、ゼンの要素ほとんどないな、俺の名前はディッド・ズラッフ、レイの親父とは幼馴染だ。よろしくな」
「はい、よろしくお願いします。ディッズさん」
俺は、父さんの幼馴染と言ったディッズさんにお辞儀をしながらそう答えた。すると、ディッズさんは俺の事を色んな角度から見て来た。
「ど、どうしたんですか?」
「ああ、いやな俺ってさスキルで【鑑定】持ってるからさ今レイの事話鑑定したんだよ。そしたら、ほとんどが【鑑定できませんでした】ってなったからおかしいなと思っていろんな角度からやったんだがどれも失敗だった。」
「ああ、すみません、これでも偽装レベルはそれなりにあげていますので」
「そうなのか?まあ、冒険者だったらそれくらい普通か、そういやゼン達は何しに来たんだ?」
「ああ、レイの捜索願をここから出してたから発見したからそれを取り消しに来たんだよ。それで、今からギルド長に会いに行くんだよ」
「…ギルド長に、そうか、なら俺はこの辺でじゃあな!」
そう言って、ディッズさんは小走りで俺達から離れた後ギルドの外へと行った。
「なんで、ディッズさんは逃げるように行ったんですか?」
「ああ、まあこれからギルド長から会うから分かると思うぞ、レイも気を引き締めとけよ」
「?はい」
俺は、父さんが言ってる事が良く分からず一応何か来るのかと思い気を引き締めて父さんの後ろをついて行った。
父さんは、受付で話をした後奥の部屋へと案内され部屋の扉を父さんは開け中に入った。俺も、父さんの後ろをついて行き中に入ると、そこには熊も睨んだら逃げるような強面の顔をした白髪の大男の爺さんが椅子に座っていた。
「んっ?ゼンか、それでその子がお前が探していた子供か?」
「ああ、そうだよ。チャンド様、グランの所に居たからこっちに連れて来たんだ。」
「ほう、マグラット領か随分と遠い所まで行ってたのう。坊主、よくもまあ黒竜に飲まれたのに生きてたの」
そう言って、大男は俺の方を向いた。俺の方を向いた爺さんはその今でも細い目目をさらに細目俺の方を向いた。俺はその目に見られ言葉に詰まりそうになったが、【恐怖耐性】を持っていたお蔭でなんとか耐え爺さんの言葉に答えることが出来た。
「はっ、はい女神様の加護のお蔭です!」
「ほほう、儂の威圧を受けて返事が出来るとは中々肝が据わった子よのう」
「ギルド長?なに、俺の大事なレイに威圧とか放ってくれてるんですか?」
父さんは、そう言って俺を自分の後ろに隠すようにして、ギルド長の方を睨みながらそう言った。
「すまん、すまん最初の試しの威圧を受けても答えれた子供にどこまで耐えれるのかやってみたくなったんじゃ、すまんかったのうレイ君」
「い、いえ大丈夫です」
今度は、優しそうな顔をして俺にそう言ってきた爺さんに返事をすると、父さんは溜息を吐きながら爺さんを見た。
すみません!寝坊しました!




