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第42話 【王都へ・2】


 マグラット領を出た俺達は、王都への道を馬車で移動していた。道中魔物や盗賊に襲われず安全に行くことが出来た。そして、陽が沈む時間になるちょっと前に道から少しズレた所に馬車を移動させ野営の準備を始めた。

 俺と、レック兄さんは近くの森の中に焚火用の木を拾う係で森の中へと来ていた。


「よっしゃ~、レイ見とけよ。【気球三連弾】!」


 そう言って、レック兄さんは気球を三個(大きさは、卓球の玉の大きさから電球位の大きさに)出現させ木に当てて枝を落とした。


「おお、凄いねレック兄さんこの前より大きさも数も増えてるね」


「おう!ここ、最近母さんに色々と教えて貰いながら魔法の練習した成果だぜ!…でも、まだこの大きさまでしかできないんだよな、数を増やすことは出来るんだけどな…」


「そうなの?それなら、数を絞って一個に魔力を集中したら?」


「ああ、それなら試したことがあるんだよ。まあ、ちょっと見ててくれ」


 レック兄さんはそう言うと、前の木に向かってさっきまでの電球の大きさではなくソフトボール位の大きさにして投げようとしたところで無属性魔力が散らばり気球が消えた。


「と、こんなふうに散らばるんだよ。母さんに聞いても、今は魔力操作に慣れる事が大事って言われて今は魔力操作を上げるために気球の数を増やしてるんだよ」


 う~む、母さんは多分大きさより正確さを兄さんに教えたいんだと思うんだけど、少しくらいのアドバイスならいいかな…


「なるほど…ちょっと、兄さんもう一度、さっきの大きさの奴作ってみて」


「んっ?ああ、わかった。【気球】!」


 俺は、レック兄さんが出した気球を見て何が破裂させているのかジックリ見た。そして、破裂する理由が魔力の包み方が足りないことだと分かったので、注意することにした。


「もうちょっと、魔力の量を増やして周りの包む層を増やしてみて」


「おっ、おう分かったぜ…おお、何かさっきより良くなった気がするぞ!」


「うん、そのまま投げて」


「おう!」


 レック兄さんは俺の指示通り、魔力を増やし気球を作るとさっき散らばった気球とは比べると安定したソフトボール位の大きさの物が出来た。レック兄さんは、それをさっきと同じように投げ木にぶつけると最初の卓球球くらいのより遥かに攻撃力がアップしていた。


「おお!すっげ~、やったぜレイ!」


「うん、おめでとう。でも、そろそろ戻らないと母さんに怒られるから早く枝を集めて帰ろうか」


「おう!」


 その後、俺達は枝を集め俺のアイテムバックの中に収納して、どっちが先に野営地に着くかかけっこで勝負をした。結果、数秒差で俺が勝つことができたが俺が勝った事にレック兄さんが悔しがっていたのでグランさんの家で作り置きしていたクッキーをあげると直ぐにいつもの調子に戻った。

 その後、父さんが焚火の用意をした後母さんが鍋とフライパンを出して料理を始めた。俺と、エルダで母さんの料理のお手伝いをした。

 今日作ったのは、オーク肉の野菜炒めとオーク肉のスープだ、オーク肉はこの世界で結構普及されている食材の中で比較的美味しく、手に入り易い食材なので色々とこの肉でのレシピを考えて行けば後々冒険者やる時に金の心配せずに料理の試しが出来るなと思った。


「それじゃ、女神様に感謝を」


「「「「感謝を…」」」」


 今回、食事の音頭を取ったのは父さんではなく俺がやった。本当は、こういうのは家族の大黒柱である父さんの役目なのだが俺の信仰心スキルが強いので俺がすることになった。(ただ、俺は自分からするとは言って無く、父さんからやりなさいと言われたので今回やった)

 そして、飯を食べた後寝ることになったのだが誰が最初に見張りをするのか俺が聞くと母さんが結界を張るそうなので見切りは要らずテントの中で全員眠りついた。

 次の日、俺は家族より早めに起きて野営地から少し離れた場所で水魔法と火魔法の合成した魔法【温水シャワー】で体を洗って服はシャワーを浴びてる間に水魔法で洗った後、火魔法だと焼いてしまうので光魔法で乾かしておいた服を着た。そして、アイテムバックから持ち運び用のイアラ様の像と昨日移動中に作っておいたセーラ様の像とリュアン様の像を出し、イアラ様にはいつものクッキー&ジュースをセーラ様にはクッキーをリュアン様には昨日晩飯時に作っておいたオーク肉の野菜包みをそれぞれの像の前に置いてお祈りをした。すると、今まで見た事なかったが目の前の物がスッと消え代わりにそれぞれの像の前に紙が置いてあった。

 イアラ様からは、いつも通りクッキー美味しかったわと書かれていて、リュアンにあげていたオーク肉の野菜包みも今度私にもと書かれていた。

 セーラ様からは、この前サクッとしたものが良いと言ったが肉料理なら好物だからリュアンに送ったものを私にもと書かれていた。

 リュアン様からは、最初は野菜の味しかしなかったけど後から中央に行くにつれて肉のジューシーな味がして美味しかったわと料理に対する評価を貰った。


「ふむふむ、それじゃ今度は全女神様に肉料理を送ってみよう」


 俺は、そう考えながら野営地へと戻って行った。

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