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第4話 【胃の中へ】

 俺は、気が付くとベットの上で寝ていた。俺は、体を起こそうとしたが体が思うように動かせなかった。


(あっ、そうか俺転生して今赤ん坊だったか、それにして、生まれた直後じゃなくてベットの中からスタートは良かった。もし、あの狭い所から出てくる体験なんてしたら耐性があっても発狂してそうだな)


(そういえば、さっきから、何か視線を感じるような…)


 俺は、視線を感じる方を向くと、そこには3人の人影が見えた。


「あっ、こっち向いたな、ほーらパパでちゅよ~」


「うわっ、父ちゃんそんな言い方やめろよ気持ち悪いだろッ!」


「こら、レック兄さん大声出さない、レイがビビるだろ」


「うっ、すまねえリック、父ちゃんがきもかったから…」


 そこには、大柄な無精髭を生やした俺の父親であろう男と、俺の兄にあたる子供が2人居た。そこに、何処からか、扉の音がすると1人の若い綺麗なお姉さんが入って来た。


「ほらッ、貴方達、レイの前で喧嘩はしない、というか貴方?何でこの時間にここに居るのよ。貴方仕事は?」


「うっ、い、行ってきまーすッ」


(んっ?今、〝貴方〟って言った?いったよね?もしかして、この美しい女性が俺の母親なのか?)


「あっ、父ちゃん逃げた」


「ほらっ、貴方達も今からレイにミルクやるから出て行って」


「「はーい」」


 子供たちが、部屋から出て行くと、女性は俺を持ち上げ自分の来ていた服から乳を出した。


(ちょ、ちょッ、まじかよ。こんな試練が最初からッ!)


「あら、飲んでくれないわね。やっぱり出が悪いのがいけないのかしら…」


(やばい、俺が乳を飲まないから悲しんでる!…くっそ~、飲んでやる~)


「ばぶっばぶっ」


「あっ、飲んでくれた。良かったわ、ほーらそんな急いで飲んでもあまり出ないでちゅよ~」


 その後、俺はある程度女性の乳を吸い、母親から背中をポンポンと叩かれゲップをして、またベット寝かされた。女性は、俺が寝たことを確認して部屋を出て行った。


(ふぅ、初っ端から大変な試練だったぜ…よし、もう寝よう。)


 俺は、そう思い目を瞑って眠る事にした。


「キャアァァ――――」


(ッなんだ!)


 俺は、外から誰かの叫び声が聞こえた事で起きた。叫び声がして直ぐに部屋の扉が開くと先程乳を飲んだ女性が入って来た。


「レイッ、良かったまだ大丈夫の様ね。ごめんね、今からちょっと移動するから我慢しててね」


(んっ、どういう事だ?)


 俺は、母親に抱っこされ、部屋から出て家を出ると、空に黒い稲妻が走っていた。


(な、なんだ、これはッ!)


「母ちゃん、こっちこっち!」


「レック、レイごめんね。凄く揺れると思うけど我慢してて」


 母親はそう言うと、先程部屋に居た子供たちと共に走り出した。そして、俺は空を見上げるとそこには黒い竜が居た。


(なっ、なんじゃありゃぁぁぁ!)


『ガァァァァァ!!!』


 黒い竜は、俺が寝ていたであろう家に向かって、ブレスらしきものを放った。放たれた家は、木っ端みじんに跡形もなく消えていた。


(ま、まじかよ…)


「あっ、リックと父ちゃんがあの馬車に居る。早く行こう母ちゃん」


「そうね、早く行きましょう」


 母親と子供は、住人が急いで乗っている馬車へと向かって走って行った。馬車は、移動しながら住人を乗せていて、母親と子供に気が付いた父親が馬車を少しの間止めてくれて馬車に乗ることが出来た。


「リゼ、大丈夫だったか?!」


「ええ、大丈夫よ。レイも大人しく、私に捕まっていたから」


 そう、父親と母親抱き合うと、馬車が大きく揺れた。揺れた結果大人や子供は大丈夫だったが、俺は母親から捕まる事を止めていて、空中に浮いた。

 いち早く、俺に気が付いたのは父親だった。


「レイッ!」


 俺をキャッチしようと、手を伸ばしたが俺はそのまま、馬車から飛び出ることになった。


「すみませんッ家の子が!」


「無理だよ、リゼさん、ここで止まったら黒竜に皆食べられてしまう」


「ですがッ!」


 馬車の中でそう、言い争っているのが、空中に飛んでいる間、聞こえた。そして、誰かがまた叫んだことに気が付き俺は空を見ると、目の前に黒竜の口があった。


「ガァァァ!」


(あっ、やべ、これ死んだわ…)


 黒竜は俺の事を一口で飲み込んだ。口の中で、俺は外の叫び声が聞こえた。父親と母親が俺の名を呼び、俺の兄たちが泣いていた。そして、黒竜は俺を飲み込んだ後、馬車が猛スピードで消えて行ったのか、それとも黒竜上空に上がって行ったのか知らないが外の叫び声が聞こえなくなった。


(ああ、やっとまた家族が出来たと思ったら、今度は俺かよ)


 俺は、そう悪態をつき、黒竜は口に合った俺以外の家畜等も合わせ飲み込んだ。


☆★☆



(ここは、何処だ)


 目を開けると、そこは真っ暗だった。俺は、周りを見てみると、そこには骨や木材などが浮いていた。そして、俺は何か白い光に包まれていた。


(あっ、そうか、俺は黒竜にのみこまれたんだったな、しかし、飲み込まれたのに死ななかったとは…ってそういや、俺は保険掛けてるから死ぬ訳なかったやん)


 そう思い、俺は一度ステータスを見てみようと思い、ステータス画面を開いた。

名前:レイ

年齢:0

性別:男

種族:人族【平民】

属性:火・水・光・無

加護:イアラの保険【成人までの限定・完全偽装】 ???

レベル:50


筋力:1070(+1000)

体力:1120(+1000)

魔力:1140(+1000)

敏捷:1070(+1000)


【魔法系統】火魔法≪1≫ 水魔法≪1≫ 光魔法≪1≫ 無魔法≪1≫

【術系統】剣術≪1≫ 弓術≪1≫ 体術≪1≫

【向上系統】毒耐性≪1≫ 魅了耐性≪1≫ 恐怖耐性≪1≫ 混乱耐性≪1≫  夜目≪1≫

【便利系統】鑑定・全≪2≫ 経験値補正≪1≫ 異世界言語≪-≫


(はっ?何で、俺こんなレベル上がってんだ?)


 いや、なにかの間違いだもう一度見よう。

名前:レイ

年齢:0

性別:男

種族:人族【平民】

属性:火・水・光・無

加護:イアラの保険【成人までの限定・完全偽装】 ???

レベル:51


筋力:1090(+20)

体力:1140(+20)

魔力:1160(+20)

敏捷:1090(+20)


【魔法系統】火魔法≪1≫ 水魔法≪1≫ 光魔法≪1≫ 無魔法≪1≫

【術系統】剣術≪1≫ 弓術≪1≫ 体術≪1≫

【向上系統】毒耐性≪1≫ 魅了耐性≪1≫ 恐怖耐性≪1≫ 混乱耐性≪1≫  夜目≪1≫

【便利系統】鑑定・全≪2≫ 経験値補正≪1≫ 異世界言語≪-≫


(また、上がってるーッ!?)


(もしかして、黒竜が倒したものの経験値が俺にも入っているのか?なるほど、それなら合点は行くが、ステータスの伸びしろ半端なくないか?何でこんな上がってんだ?)


 俺は、少しの間考えることにした。何故、たしかに経験値補正はあるがこれはレベルに反映されているはずだ…


(もしかして、この加護の欄にある???が原因か?鑑定・全で見てみるか)


【女神の生長祈願】

能力:女神から、成長を祈られた者だけが付く加護、これの効果はレベルが上がると+20される。


(まじかよッ!?イアラ様ありがとうございますッ!)


 こんな、加護つけてくれるなんて女神様、本当にありがとうございます。俺は、此処が竜の胃の中だと言う事を忘れ、くるっと回って土下座の姿勢で感謝の意を述べた。


(これなら、もしかしたら胃の中からでれるかもしれないッ、出れたら早く家族の所へ帰りたいな)


 俺は、目標を立て、まだ何もできないからもう一眠りすることにした。



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― 新着の感想 ―
[一言] どれだけ「俺」っていうんやろw
[気になる点] 黒竜の胃の中で眠る赤ん坊を想像したら、物凄いシュールな光景だなw
[気になる点] 何故黒竜が倒した物の経験値が入るんですか?
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