第38話 【胃袋を掴む】
俺は昨日と同じように朝から【ジュエリー♡アマンダ】へと行き、シズクの仕事が終わるのを昨日と同じ
朝食セットを食べながら待って、仕事が終わったシズクと一緒に今日はそのままダンジョンへと向かった。
ダンジョンに着いた俺達は、一番戦いやすいと思っている3階の草原エリアでウルフと戦っていた。
「ハァッ!シズク、すまん1匹そっちに行った」
「了解…【水遁・水手裏剣三連弾】!」
俺が倒し損ねたウルフ3匹をシズクは水手裏剣を3個生成しウルフへと投げた。水手裏剣はウルフの頭に命中させ倒した。俺も、前に居るウルフを倒し皮と魔石を取った後シズクの所で死んでるウルフの死体も剥ぎ取った。
「ふう~、結構素材も大量にゲットしたし一旦帰るか?午後はダンジョンでの実践じゃなくて練習場で新しい魔法でも考えてみようと思うんだが」
「うん、そうだね。魔法使い過ぎて休憩もしたかったから、それでいいよ」
その後、俺達は魔物とは極力戦わないよう見つかったら戦うと言った形でダンジョンの入口を目指した。入り口に着いた俺達はギルドに向かう事にした。
ギルドに着き、中に入ると昼間なので人が少なく受付に並ばずに換金が出来今回の報酬は二人で35銅貨になり俺が17でシズクが18銅貨貰うようにした。シズクは、自分が一枚多いのに反対したが俺の場合盗賊の報酬も有り今現在お金には困ってないので旅資金を貯める為にも多く分配したと伝え、なんとか説得することが出来た。
そして、昼食は何処で食べようか悩み、ギルド横の酒場でもいいのだが既に昼間から飲んでいるのに絡まれたくないと思いその場所は行かないとなり、それじゃ飲食店に行くかとなったがシズクは旅資金を貯めるのにお金を余り使えないから行けないとなって、じゃあどうするかとなった結果食材を市場で15銅貨以内で購入してギンさんにまた厨房を貸してくれと言って俺が作ることにした。
「さてと、買った食材は、牛肉が100g(安売りセール時間帯に行けて12銅貨で購入できた)・卵が1個(3パック入りで2銅貨だったが今回使うのは1個だけ)・玉ねぎ1/2個(これも2個入りで3銅貨だったが、今回使うのは1個だけ、それも1個の半分なので玉ねぎは1個半残る事になる)で、後の材料である胡椒とパン粉をギンさんに頼みパン粉と胡椒を譲ってもらった。(完成したら、ギンさんにも食べさせるという約束付きで)」
まずは、玉ねぎをみじん切りにして透明になるまで炒め、炒め終わったら別皿に移して冷ます。その間に牛肉を元々俺が持っていたオーク肉と合わせ、挽き肉を作ることにした。。これは料理スキルを上げていたので簡単に挽き肉にすることが出来た。
挽き肉が出来たら、ボウルの中に入れその中に先ほど炒めて冷ましていた玉ねぎとパン粉、溶いた卵、胡椒と入れ混ぜ合わせた。その後、混ぜ合わさった中身を手に掴めるくらいに乗せ両手を使ってキャッチボールをして中の空気を抜いて行った。空気が抜き終わった後、フライパンに乗せ焼いた。この時、強火だと表面が焦げるので中火で焼いた。そして、片面が焼きあがった後裏返しにしてフライパンに蓋を乗せ
ある程度焼いた後、串棒位の棒でついて肉汁が出て来たら完成だ、ジューシーに焼きあがっていて早く食べたいという思った。
「ふう、少ない材料で結構完成度高いな…ってギンさん、どうしたの?!」
「レイ君、ヤバいよそれ美味しい匂いがして今にもレイ君から取り上げて食べたい…」
「わぁ!待って待って、シズクが待ってるからギンさんは3つ皿を用意してちゃんとギンさんの分も作ってあるから!」
その後、ギンさんは猛スピードで皿とフォークとナイフ、それとコップを用意し俺がその上に出来上がった料理を乗せるとシズクが待って居る部屋へとギンさんはトレイに乗せサーっと持って行った。
「レイ君、早く!」
「はいはい、ギンさんも大人なんだからそんな料理1つで慌てないでよ~」
俺は、ギンさんの後ろを小走りで付いて行ってシズクの待って居る部屋へと言った。部屋の中に入るとここまで匂いが来てたのかシズクの口から涎が少し垂れていた。
「シズクまで…シズク、口から涎垂れてるよ」
「わぁッ、ごめんなさい嗅いだことも無い美味しいそうな匂いがしたから…」
「レイ君、シズクちゃんのノロケ話は後でいいから早く食べよう!」
「ギンさん…分かったよ。それじゃ、女神様に感謝を…」
「「感謝を…」」
この世界での、食事前の挨拶をし俺達は料理へと手を付けた。
「「美味しい~」」
「はぅ~、こんなおいしい料理今迄食べた事が無いよ~」
「それは、良かったよ。作った俺からしたら、そんな顔で食べてくれるだけで嬉しいよ」
シズクは料理を一口食べただけでトロッとした顔になっていたので俺はそれが見れただけでも作ったかいがあったと思った。
「本当に美味しいね。レイ君、これ後でまた作り方を教えてくれないか?グラン様にも食べさせてやりたいから」
「私も、アマンダさんに食べさせてあげたいです」
「うん、いいよ。後でレシピ書いてあげるから今は料理を食べようね。はい、ジュースも用意しておくから」
そう言って、俺はアイテムバックからジュースを取り出し、皆のコップに注いで上げた。その後、料理の名前は何なのと2人から聞かれたので、俺はこの位前世の名前を使ってもいいかなと思い「この、料理の名前はハンバーグだよ」と教えてあげた。というか、シズクお祖父ちゃんが転生者だから前世の料理とか食べてるんじゃないかと思ったが、里では10歳まで質素な食べ物で生きるというのが風習らしく転生者(お爺ちゃん)の料理は食べた事が無いと言っていた。
昼食を食べた後、シズクと一緒に練習場に行くと母さんとエルダ達がまだやっていたので魔法の練習を皆でやった。
そして、次の日いつもの様に女神様の所にクッキーとホットケーキをお供えしに行くと1枚の紙が有り女神様からかなと思い開いて中を見ると「私にも、ハンバーグをくれると嬉しいわ」と書かれていたので今日の晩飯時にギンさんと作る事にしようと決め、シズクの所へと向かった。




