表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/211

第37話 【シズクの為の練習開始】


 ダンジョンに入った俺達は、1階にも大分慣れたおかげで今2階から3階に下りたところだ、ここならスライムやウルフと下位の魔物が群れで居て魔法使いか範囲攻撃が出来る人が居ないと初心者には突破が難しいエリアになっている。

 まあ、俺達は2人とも魔法が使えるし俺だったら今迄1、2階で双剣の試し切りも終えて使い慣れてきたところだから魔物に囲まれても俺だけでも対処できるようになっていた。双剣を使っている時、昔前世で徹達と遊んでいる時に木の棒でやってたのを思い出して少し目に涙が込み上げてきた。


「さてと、ここらでいいかな?ここなら、魔物が結構いるから練習にはもってこいだしな」


「うん、そうだね。そうだ、レイ君昔お祖父ちゃんに習った技使ってみてもいい?」


「ああ、いいぞ…おっ、丁度スライムが1匹現れたな俺は後ろで見てるから、使ってみて良いぞ」


「うん、行くよ。…【水遁・水手裏剣】!」


 シズクは俺が離れたのを確認すると手をわちゃわちゃと動かした後(多分、印を組んでいたのだと思う)手に手裏剣の形をした水が現れ、手でシュッとスライムに飛ばした。


(すげ~!これが忍術か威力的には俺の魔法のが上だが、やっぱ忍術ってかっこいいな…)


「おお、凄いなシズク、それ何て技なんだ?」


「これはね。御爺様が教えてくれた【ニンジュツ】って言って、属性魔力を使って印を組んで魔法を使うんだよ。それで、さっき使ったのは水遁って言って水の属性魔力を使って印を組んだ奴で今の私にはこれしか使えないの」


「そうなのか?この前ステータスを見た時他にも火と土の属性持ってたからそっちは使えないのか?」


「うん、このニンジュツ習ってる時に私の呪いが分かってそれ以降ニンジュツについて教えて貰えなかったの」


「そうなのか…それだったら、今呪いも解けた事だしシズクの爺ちゃんに頼んだら教えてくれるんじゃないのか?」


「そうなんだけど…私…」


「んっ?」


 何故か、シズクはそこで話を止めた。


「私、里から家出してきたの…それで、近くに通りかかった馬車でこの街に来て冒険者をやってるの…」


「そうだったのか、それじゃ家の場所とか分からないのか?」


「ううん、それは大丈夫、冒険者になって地図覚えた時に里の場所は分かってる。でも、戻るのが嫌なの、呪いで魔法が使えない私を馬鹿にする人が居るから…」


 そうだったのか、確かにアマンダさんの所で働いてるって時に親御さんはいないのか?と疑問に思っていたが、そう言う理由があったのか


「そうなのか、それじゃこの街じゃシズクは1人であの宿に泊まって生活してるのか?」


「うん、でもそろそろ戻らないといけないかなって、思ってる所なんだよね。他の皆は良いんだけど、御爺様にはお世話にもなった、私のたった1人の味方をしてくれた人だから…」


「ふむ…なら、俺が王都に行く期間までにシズクの魔法のレベルを上げのに付き合うよ。そして、里に帰った時、里の人たちを驚かしてやろう」


「えっ、レイ君王都に行っちゃうの?!」


「ああ、言うの忘れてた。俺の家族が街に戻ってきて俺は王都に行く事になったんだ、この街にシズクを残していくのは気が引けて残ろうかなとも思っていたが、そう言う理由があるなら残りの日数を使って魔法の練習に付き合うよ」


「そうだったの、レイ君が王都に行く日って後どのくらいあるの?」


「確か、後1週間位したら王都に行くと母さん達が話してたな」


「一週間…分かった。レイ君、一週間みっちり練習してください」


「ああ、分かってるよ。シズクが馬鹿にされないように精一杯魔法の事を教えるよ」


 その後、俺達は3階で魔物を見つけて太は俺が前で魔物の攻撃を止めながら後ろからシズクの魔法で倒して行った。

 そして、練習を続けている内に階段を2個下り今目の前に大きな門が建てられていた。


「ここが、ギルドで言ってた最初のボス部屋か…どうする、シズク?」


「まだ、私の力じゃ邪魔になっちゃうと思うから、私は止めておきたいと思うよ。」


「…そうだな、それじゃここから引き返しながら次は接近戦の練習をしようか」


「うん、分かった」


 そう言って、俺達は最初のダンジョンボスの部屋がある場所から離れて行き来た道を戻って行った。今回、ダンジョンで手に入れた魔物の素材は、ウルフの毛皮81枚、Dランクの魔石42個、スライムジェル20本分となった。丁度、スライムジェルを最後の瓶に入れ終わった後ダンジョンの入口付近だったので今日の練習は終わりにした。


「ふう、結構疲れたね。レイ君」


「そうだな、途中途中休憩はしたものの、かなりの量の魔物を倒したからなこれだけあれば2人で分けても結構な金になるな」


「そうだね。早く、換金して宿で休みたいな~」


 そう言いあいながら、俺達は冒険から帰って来た人が沢山居るギルドの中に入り受付の列に並び魔物の素材を換金した。合計60銅貨になり2人で半分にして30銅貨を手に入れた。

 その後、外は既に夕日が沈みかけていたのでシズクは急いで宿に帰ったので俺も家に帰る事にした。帰宅途中にこの間かった肉串をラルとライの分を購入し家に帰った後従魔小屋で休んでいたラル達にあげエルダには残っていた魔石を1個上げ家の中に入り、今日は双剣の使い方に慣れるために沢山動いて疲れたので先に風呂に入っているとディーと兄達が入って来たので皆で背中を流し合いをして風呂の中で子供だけ(マール以外)の雑談会をした。

 当然、年齢が近い分長く話した結果また俺達はのぼせてしまい母さんには怒られ、グランさんは2度目の俺とディーの、のぼせた顔を見て呆れていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ