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第32話 【信仰心のレベル】


 昨日は家の中に入った後、父と兄達と一緒にお風呂に入り夕食時に俺のクッキーを皆に振舞ってあげた。父さん達は俺のクッキーを「美味しい」と言って食べてくれたので俺は嬉しくなり、まだ試作段階ではあるがホットケーキも出して夕食後のデザートの量が少し増えた。


「ん~、よく寝た。っあ、そうだ今日は教会に行く日だったまだ時間は大丈夫か?」


 次の日の朝、いつもより眠った感じがした俺は、少し慌てて寝間着から普段着に着替えて皆が居るであろうリビングへと小走りで向かった。というか、今日はいつも起こしに来てくれるメイドさんが来なかったなと疑問に思いながらリビングの扉を開けた。リビングの中には、既にグランさん(ディー達と今日は行かないので、まだ寝ているようだ)と俺の父と母と兄達が待って居た。


「えっと…時間通り、じゃないですよね?」


「そうね。予定より20分遅刻って所よ、まあいいわよレイは昨日ダンジョンに行って疲れてたみたいだしね。リリィちゃんが起こそうとしたけど全然起きなかったから起きてくるのを待ってたのよ」


「それは、すみませんでした。」


 俺は、そう言って母達へ頭を下げた。今、母がリリィちゃんと言ったがその子は俺がこの家に来てからお世話になっているメイドさんだ(風呂場で俺の事を狙って居たメイドさんから守ってくれた人)


「それより、レイは準備出来てるようだし早速教会に行きましょうか」


「はい」


 そう言って、俺達は家から出てグランさんの馬車(俺が改造した方の)に乗って教会へと向かった。そして、教会に着いた俺達は中に入った。

 教会内は、人は少し居たがグランさんや母達が言っていた神父さんの姿が見えなかった。


「すまんが、そこの修道女の方今神父様は何処に居るであろうか?」


「これは、グラン様すみません神父様は先日からアシロ村の方へ巡回に行っていて、戻ってくるのは明後日位になると言ってました」


「そうだったのか、たしかに連絡は入れて無かったしな…すまん、レイ君神父様が居ない様なのでステータスの更新は出来ないみたいな」


「そうなんですか、それは残念です。でも、まだ期間はあります、2、3日の間待ってましょうか」


 俺がそう言うと、母達も納得した様で今日は教会の女神像にお祈りだけして家に帰る事にした。家に帰ってきた俺は、一旦エルダ達の所へ行くと言って家族と離れた。


「ご主人様~、おはようございます~」


「わう~」


「ぴ~」


「…今日は普通だな、良かった。」


 そう、俺が来たのはただ見る為だけに来たんじゃなく昨日言った事を守っているのかチェックしに来たのだ、エルダ達は言いつけをちゃんと守っていたようで今日は従魔小屋にエルダが木を三角型に3本生やし、その間に蔓と葉でハンモックを作りラル・ライ・エルダは1つずつに寝ていた。


「というか、俺も、それ使いたいな」


「いいですよ~、どうぞご主人様」


 そう言って、エルダはもう一本木を生やして蔓と葉でハンモックを作った。俺はそこに、飛び乗って少し眠りつくことにした。


☆★☆


「んっ?ここは、女神様の所?」


「あら?流石にここに来るのも慣れて来たのかしら?」


「イアラ様!おはようございます。」


「ええ、おはよう」


 俺は、久しぶりに会った女神様にお辞儀をしながら挨拶をした。


「えっと、今回はどういった事で呼ばれたのでしょうか?」


「ええ、ちょっと貴方を見てて疑問に思ったのよ。貴方、今日教会に行ってステータスの更新をしようとしてたじゃない?」


「はい、名前の変更とか今のステータスを見ておくためにしようと…」


「そこよ。何で、自分でやろうとは思わなかったの貴方の私への信仰心は強いお蔭で、貴方の信仰心のスキルレベルはそこらの神父より高いから自分でステータス更新使えるわよ。まあ、特定の場所じゃないとだめだけど」


「えっ?そうなんですか?」


「ええ、信仰心のレベルだけ教えてあげとくわよ。信仰心スキルはスキルの中でもレベルを上げるのが相当難しい部類に入ってるの、教会に長年通ってる人や聖教会で修行を始めて2~3年で大体≪1≫、数年間お祈りしてる人が≪2≫、数年間お祈りをし続けてる人が≪3≫、≪4≫からは人と女神との相性で上がり方も変わってくるわ、それでステータス更新できるようになるのが≪3≫なのよ」


 んっ?今、人と女神の相性と女神様が言ったが女神様以外にも神様が居るのかな?


「それに、ついては、また今度教えてあげるから今は今の事を考えなさい」


「はい…でしたら、私の場合信仰心のレベルは≪2≫か≪3≫でしょうか?」


「いいえ、貴方の今の信仰心のレベルは…≪4≫よ」


「よ、4??!!」


 俺は、説明を聞いて≪2≫か≪3≫かと思っていた所、女神様からのその言葉を聞いて驚いた。まさか、自分の信仰心がそこまでのレベルに行っていたなんて思いもしてなかった。


「ええ、貴方の場合5年間竜の胃の中で私に祈りをずっとしてたお陰で信仰心スキルを≪2≫まで上げてたでしょ?その後、胃の中から脱出した後洞窟で暮らすようになって、最初の内はステータスを見てたようだけど半年たったら全然見なくなって私がスキルを新しく付与する時も自分の今のスキルを確認してなかったでしょ。あの時には既に≪3≫に達していたのよ。それで、洞窟で最初にクッキーをお供えした時に≪4≫に上がったわ」


「そ、そうなんですか、知らなかったです。ですが、何故私はそこまで信仰心のレベルが高いのでしょうか?」


「それは…あら、時間の様ね。まあ、そういうことだから後で地下にある私の女神像でステータス更新をするといいわよ。それと、早くホットケーキというのを私も食べたいから、頑張って頂戴ね」


 そう言った女神様の言葉を聞いて、俺の意識はこの場所から消えた。


☆★☆


 あの子が、行った。私は、それを確認して後ろに椅子を出現させ座った。


「はぁ、他の転生者の子達は直ぐに私の事を忘れて他の神の所に行って私の事を忘れてしまったけど、あの子は私の事は忘れないでいてくれるかしらね。でも、今までの子より私への信仰心も強いし少しは安心かしらね。それに、あの子が作るお菓子が美味しいから絶対に取られたくないわ…さてと、他の神にあの子が取られないようにちゃんと見ておかないとね…」


 そう、私は呟いて自分()が作り上げた世界の観察へと戻った。

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