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第30話 【シズクの魔法練習】


 そして、次の日俺は家族に朝の挨拶をしてから家を出て来た。家を出る時、エルダ達を連れて行こうか考えたが、今日はシズクの魔法練習をしにいくだけだから、エルダ達は小屋に置いて出て来た。ギルドに着いた俺は、シズクがまだ来てない様だったので先に中に入りアイテムの整理を始めた。

 アイテム整理を始めて、待ち合わせの時間より5分位経った時ギルドの扉が開きシズクが入って来た。


「ごめん、レイ君寝坊しちゃった」


「いいよ、俺もさっき着いたばっかりだしね。それじゃシズク、ダンジョンに行く前にパーティー契約しておこうか」


「うん」


 そう言って俺達は、パーティー契約をする為に受付の列に並ぶことにした。今日は既に冒険者の方はダンジョンや魔物狩りへと行っていて人数が少なかったお蔭で数分で俺達の番になった。


「今日はどういった御用でしょうか?」


「パーティー契約をしたいので、それの手続きをしに来ました」


「パーティー契約ですか、分かりました。それでは、パーティーメンバー分のギルドカードを提出してください」


「分かりました。シズク、ギルドカードを出してくれる?」


「うん」


 俺達は、受付さんの指示通り俺のギルドカードとシズクのギルドカードを提出した。その後、少し待つとギルドカードが帰ってきた。ギルドカードには今迄何も書かれて無かった場所に【パーティー】と書かれていて、その下に【メンバー】と言う場所にシズクの名前が入っていた。


「これで、パーティー契約は終わりました。他にご用件はありますでしょうか?」


「いえ、何もありません、ありがとうございました」


「ありがとうございました。」


 そう言って、俺達は受付から離れて行き、ギルドを出てダンジョンへと向かって歩いて行った。ダンジョンの入口に着いた俺達は、門番さんにギルドカードを見せ中に入った。


「それじゃ、シズク水魔法の【ウォーターボール】を出してみようか、やり方は昨日教えたとおりだから」


「うん、分かった」


 シズクは、俺の指示通り【ウォーターボール】を作ることが出来たが、水の玉がユラユラと揺れて安定して作ることが出来ない様だ、まあ昨日魔法が出来るようになって水の玉を直ぐにできる所まで成長できたシズクは凄いと思うがな…


「やっぱり、ちょっと安定出来て無いようだね。一度俺の【ウォーターボール】を見てからもう一度やってみようか」


 俺は、そう言って【ウォーターボール】を作り出した。作り出した【ウォーターボール】をシズクは、ジックリ観察するように見た。数分間見ていたシズクは何かを掴んだような顔をして、もう一度【ウォーターボール】を作り出した。


「おお、さっきより安定性があるね。これなら、後は飛ばせるようになったら十分使える魔法だよ」


「ほんとっ!やった~」


「あっ、でも飛ばすのは結構難しいと思うから簡単にはできないと思うよ?」


「うぅ、頑張ります」


「うん、その意気だよ」


 その後も、俺達はダンジョンの一階層でスライムやゴブリン相手に水魔法の練習をしていった。ちゃんと、30分に一回は休憩をしてその間倒れたりしたら危ないので糖分摂取の為のクッキーと水分補給の為のジュースを食べながらシズクの魔法練習を続けて行った。


「それじゃ、いくよレイ君【ウォーターボール】!」


 シズクが魔法を使うと、半径10㎝位の水の玉が出来離れた位置に居たスライム目掛けて飛ばした。水の玉はスライムに命中にスライムを倒すことが出来た。


「おお!凄いよ、シズク威力も十分だし大きさも調整出来てるよ」


「ありがとう、レイ君、レイ君のお蔭だ、よ―――」


「あっ、ちょっシズク!」


(しまった。倒れないように気を付けていたが、最後の魔法に魔力を掛け過ぎていたのか…)


 シズクは、軽度の魔力不足により倒れたので俺は安全な場所までシズクをおんぶする形で運んで、地面に寝ころばせるのはいけないとなと思い、俺は膝枕をしてあげてシズクが目を覚ますのを待った。

 それから、数分後シズクは不足した魔力が回復して目を開けた。


「えっ?!レ、レイ君!」


「いたっ!」


 シズクは、気が付くと俺の顔が近くに有った事に驚き顔を勢いよく上げ、その結果俺の額と当たり両者共に痛がる事になった。


「うぅ…ご、ごめんなさいレイ君、びっくりして…」


「良いよ。シズク、俺も女の子を気軽に膝枕してたのも悪いしね。それより、体の方は大丈夫?」


「うん、大丈夫だと思う」


「…う~ん、でも今日はもうやめておこうか、もし体を悪くしてたり大変だしね」


「うん、分かった」


 そう言って、俺達はダンジョンを出ようと思い立ち上がると、シズクがフラ~っと横に倒れた。


「う~ん、やっぱり魔力は回復してても体力まで回復してなかったみたいだね」


「ごめんね。レイ君…」


「いいよ。でも、どうやって帰ろうか…あっ、そうだいい考えを思いついた」


 俺は、そう言って自分が装備していた剣とシズクの荷物をアイテムバックに入れてシズクの前に屈んだ。


「えっ?」


「ほら、シズク乗ってこれだったら帰れるから」


「…でも」


「早くしないと、魔物が来るから早く」


「はい…」


 シズクは、恥ずかしがりながらも俺の背中に乗った。シズクが落ちないように立った俺はシズクを落とさないように気を配りながらダンジョンの入口へ向かって歩いて行った。



 

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