第28話 【再会】
ギンさんとホットケーキ食べた後残りをディー達にも食べさせてやろうとディー達を部屋に呼んだ、グランさんは今仕事中だったので後で残りを食べて貰う事になった。
ディー達は、ホットケーキを見て驚き、一口食べるとまたさらに驚いて用意していたホットケーキをパクパクと食べて行った。
「んっ?この感じ…」
俺は、席を立ち窓を開け外を見た。
「どうしたんだ、レイ?」
「どうしたの、レイ君?」
「いや、何でもないよ」
…今の感じ、もしかして白竜だよな?何でこの辺にまた来たんだ?
俺は、今感じ取った白竜の気配に疑問を抱きながらもディーとマールと共にさっき出来たホットケーキとクッキーを食べるのに戻った。
そして、食べ終わり食器をメイドさんに持って行ってもらった後俺はディー達と別れ従魔小屋へと行った。
「なにしてんだ、エルダ?」
そこには、エルダが地面にうつぶせになりラルがエルダの頭の上に片足をちょこんと置いていた。
「【貴族の奴隷ごっこ】ですかね?ラルちゃんが貴族役で私が奴隷の役です」
「…また、そんな変な知識どっから仕入れてるんだよ」
「これは、昔知り合った。変態さんと言う方に教えて貰いました」
「変態さん?誰だ、それ?」
「えっと、たしか見た目はエルフ族の方でしたが、名前はそれしか名乗って行きませんでした。他には【触手プレイ】【時間停止】【透明人間】と何か色々と話してたんですが、良く分からずこの【貴族の奴隷ごっこ】という遊びしかわからなかったのでやってました」
(それさ、もしかしなくとも俺の同郷の人じゃないよな…いや、まだこの世界にそう言う物が好きな人が居るのかもしれない…)
「あと、その人【夢は、この異世界の全種族の女の子を集めたハーレムを作る事だ】って言ってました。」
「何してんだよ…」
俺は、地に伏してそう心の底から思った。
いやさ、まだそれが同じ人族で男性とそう言う話をしていたら、まだ夢を語っている転生者と言う認識できたけど、何で魔物であるエルダとそう言う話になってんだよ。というか、それを聞いてるエルダもエルダだろう…
「もういいや、今日は何か何もしたく無い気分になったから、そのままそのごっこ遊び続けていてくれ」
「はーい、それじゃラルちゃん今度は私が貴族役ね」
「わう~」
「…あれ?そういえば、ライは何処に行ってるんだ?」
さっきから、ラルとエルダしか見当たらない、いつもならラルとは離れないライが今ここに居ないことに今気が付いた。
「ライちゃんなら、練習場に行くって言って出て行ったよ」
「そうなのか?それじゃ、俺と入れ違いに行ったのか…うん、それじゃ俺はライの所に行ってくるな」
「はーい」
「わう~」
俺は、そう言って従魔小屋を出て練習場へと向かった。練習所の扉近くに行くと、中から冷気が漏れて来てるのが感じ取れ、俺はディーが練習してるのかなと思いながら中に入った。
すると、そこは一面真っ白い銀世界へとなっていた。俺が数時間前出て行く時とは全然違う空間へとなっていた。
「ど、どうなってんだ??」
俺は、ビックリしながらも冷気が漏れているであろう場所に行くとそこにはライが居て、その銀世界を作ったのがライだと分かった。
「ライ、これお前がやったのか?」
「ぴ~」
「って、冷たッ!ライ、お前ここにどれ位いたんだよ」
俺は、ライがいつもの様に抱っこしての合図をして来たので抱っこするとライの体は氷並みに冷たかった。俺は火魔法の魔力を使い、この部屋とライの体を温めて行った。
「しかし、まさかライが水魔法の上級魔法を使えるとはな、凄いじゃないかライ」
「ぴ~!」
「おお、よしよし頑張ったな~、でも今日はここまでだぞ結構魔力を消費してるみたいだしな小屋に戻ったら遊ばずゆっくり休むんだぞ」
「ぴ~」
…あれ?何かエルダが居なくてもライと会話が出来てるような…まっ気のせいだろう。その後、ライを従魔小屋に戻した後俺は自室に戻り、部屋の中に置いてあった机の前の椅子に座り先日買った魔物ランク表を見ることにした。
「へえ、ウルフとスライムとゴブリンは全種族同じFランクモンスターなんだな、でも群れになった時の危険度はそれぞれ違うんだだな~…んん?邪竜はSSランクか、ランクはたしかSSSに魔王が存在するとか言ってたからそれの一個前の種族の胃袋に5年間も住んでたんだな、そりゃレベルも上がるよ、ここの説明書きにも【邪竜は自分より下位の者を見つけると食い殺す】と書いてあるしな…っえ、魔王って1人じゃないんのか?複数人居て、魔王と名乗っているのは魔族の中でトップの奴等と言うのか、この世界って結構危険なのかな?…」
そんな感じで、俺はランク表を見ながら勉強をしていると、玄関の方から誰かが入ってくる気配を感じた。数は5人で、その中の1人はグランさんだな、後の4人は…
「ッ!!」
俺は、その魔力を調べた後椅子から転げ落ちた。俺は、転げ落ちた体を起き上がらせ部屋の扉から出て行き、玄関へと行った。
「レイ君、丁度良かったよ。今から迎えに行く所だったんだよ」
「グランさん、その後ろに居る人達は…」
「ああ、そうだよ。君の、うわあああ」
「「「「レイ~!!!」」」」
グランさんが言い終わる前に、後ろに居た人達が俺の名を呼びながらグランさんを壁に吹っ飛ばして走って来た。そして、その中に居た銀髪の女性と無精髭を生やした男性が俺わ持ち上げた。
「レイ、良かった。本当に良かった…」
「レイ、ずっと探していたのよ…もう聖竜様に聞いたわよ。3年前から近くに居たのに、なんですぐ街に来なかったのよ…」
俺は、男性と女性、いや父と母にそう言われた。また、俺をすぐに下ろしてくれた父と母の後に俺より少し身長が高い2人の兄も俺へと抱き着いてきた。
「レイ、良かったよ。」
「うぉぉぉ、レイー!!」
落ち着いた感じの兄は優しく抱きしめてくれたが、もう1人の父に似ている兄は俺を後ろから強く抱きしめて来た。兄達の後ろから、父と母が優しく抱きしめて来た。
俺は、ここでやっと自分が家族との再会をした事を実感し父や母、兄達と共に涙を流した。