第27話 【家族の行方】
水の玉を出せた事で喜んだシズクはその後も魔法を試したいと言っていたが、流石に魔力:2と言うのが気になっていたので今日はもう止めようと言って今日の魔法練習は終わりにした。
そして、シズクを市民街まで送ることにした。
「じゃ、ここまで来れば大丈夫だろう。また明日ギルドで待ってるから」
「うん、じゃーねレイ君」
俺達は、そこで明日の待ち合わせも決めて別れ俺は家に帰って行った。
☆★☆
8年前、自分達の新生児を黒竜に飲み込まれて気を落としていた私達に子を愛す女神イアラ様からのお告げにより自分らの子供・レイを探す旅をしていた。
そして、今ここはナロウディ王国マグラット領から南東にある。密林の中に私達は居た。
「リック、そっちに行ったぞ」
「うん、父さん任せて!」
「ハァッ!レック、後ろに気を付けろリゼ全体強化魔法を頼むッ!」
「ああ、父ちゃんありがと」
「分かったわ」
俺は、息子2人と嫁に指示を出しながら魔物を蹴散らせて行った。そして、辺り一面に魔物の死体が広がる位魔物を倒したころ魔物の出現が終わり少し先に進み休憩に入った。
「ふう、少しきつかったですね…」
「リックは、運動が足りないんだよ。学校でずっと勉強ばっかりしてるからだぞ」
「その分、レック兄さんは父さんと同じ筋肉バカじゃないか」
「なんだとッ!」
「こらっ、止めなさい二人共ここは森の中よ。静かにしてなさい」
「「はい…」」
息子2人は俺の嫁であるリゼに説教をされシュンっとなった。俺は、一休みが終わりまた森の中の探索を再開した。
探索を再開して1時間後、移動中も何十匹も魔物を倒して歩いていると目の前に黒くでかい生物であろう死体が横に倒れていた。
「これはッ!」
「分かっているわ、【鑑定】」
俺達は、その黒竜を見つけリゼが鑑定魔法で鑑定を始めた。俺達はリゼが鑑定を終わるのを待って居るとリゼは驚いた顔をした。
「ゼン、こいつだわレイを飲み込んでいったのは、でも既に死んでから時間がかなり立って居る様だわ」
「ああ、その様だな…んっ、あれは!」
リゼの鑑定結果を話していると俺達の上空を一匹の白竜が飛んできた。そして、俺達の目の前にその白竜は降りて来た。
俺達は、少し距離を取り各自自分たちの武器を取り出した。
「ああ、止せ止せお主達じゃ儂には勝てんよ。それより、話をしにきたんじゃよ」
「竜が喋った!?」
「まあ、驚くな主達の息子は全然驚かなかったぞ、ってそう言えば奴と会った時人化したか…まあ、このままでよかろう」
「息子…レイを知っているんですか?!」
隣に立って居たリゼが白竜へとそう聞いた。たしかに、今この白竜は「主達の息子」と言った。俺は、リックとレックの方を見たが二人共白竜の姿を見て固まっていた。
「ああ、たしかそんな名じゃったな、それで主達の前に現れたのはなお主達の息子の居場所を伝えに来たんじゃよ」
「えっ?!知っているんですか!何処に!」
「うむ、それはお主達が1年前に出たマグラット領の領主家に居るぞ」
「「「「なんで、レイがそんな所に?!」」」」
ここで、固まっていたリックとレック、俺とリゼは声を合わせそう叫んだ
白竜は何故レイがそんな所に居るのか事情を全部話をしてくれた。レイ自体、3年前に助け出していたが、まさか人里離れた土地で3年間も生活をするとは思わなく1年前女神様から頼まれ俺達を探していたらしいが丁度良く俺達はマグラット領から旅立っていて周りに他の人間も居て近づけなかったと言った。
「…良かった。レイが生きてて」
「そうだな、それじゃ早くマグラット領に帰るか!」
「父ちゃん、その前にここからどうやってマグラット領まで帰るんだ?結構遠くまで来てるぞ」
「そうだね。距離で言うとざっと1カ月以上は軽く超えると思うよ」
「…まずは王国に帰ってから、考えようか」
俺は、そう言って白竜に「ありがとうございました」と言って別れようとした。すると、白竜から「待て」と言われ俺達は全員白竜の方を向いた。
「儂の背中に乗れ、儂なら数時間でマグラット領まで着くからの、それに主達の子が良い目印も作ってくれてるからの」
「良いんですか?」
「ああ、よかよかこれでも儂は聖竜としての位を持ってるおるからの儂から出向くのは良いんだが、余り人前には出てはならぬの言われておるからの、マグラット領の近くに降ろすことになるがの」
「構いません、乗せて行ってください」
そう言って、俺達は白竜、いや聖竜様の背中に乗り飛び立って行った。
☆★☆
「あっ、そうだ女神様の為のクッキーを作らなきゃなグランさんに言って厨房を貸してもらおう」
俺は、家に帰ってきてグランさんに「厨房貸してくれませんか?」と聞き、料理長が良いと言ったら使ってもいいよと言われ料理長(最初グランさんの家に来た時、自己紹介してくれた。ギンさん)に使ってもいいか聞くと何を作るか聞かれ、クッキーを作ると言ったら一緒に作ることになった。
どうも、ギンさんは甘い物がすきだったらしくこの間砂糖を渡した時色々と作りたかったらしいんだが良いレシピが思い浮かばず困っていたので気晴らしにクッキーの手伝いをしたかったらしい、俺はクッキーとは別にホットケーキのレシピをギンさんに教えながら作り、一緒にホットケーキとクッキーを食べた。(ちゃんと、クッキーは先にお供えして戻ってきて食べ始めた。)