第25話 【パーティー】
ギルドに着いた俺達は、受付に並んでいる冒険者の後ろへと並ぶ事にした。並んでいる間、他の冒険者の邪魔にならないようにラルとライはエルダと共にギルドの端の方に座らせていた。
「あ、あの方達は…」
「んっ?」
シズクが前の方を指してそう言った。俺はその方を見ると、男女のパーティーが受付で何かを言い合っていた。
「だから、あいつが勝手に進んで行って俺達が置いてかれたんだよ!」
「そうよ、あの子「魔法も使えない人達とは一緒に戦ません」って言ってどっかに行ったのよ!」
「いえ、しかし、あの子は最近ギルドに所属して記録が手元に残っているのですがあの子に3階以降下りれるような強さは持っていませんよ」
「知らないわよッ!あの子が勝手に行ったんだから、もういいでしょう早く報酬渡してちょうだいよ!」
女の方は、受付に身を乗り出し受付嬢へと大声て言い放った。それを見ていた周りの冒険者は顔を顰めながら、口々に「あれ、絶対あいつらが置いてきた感じだよな」「そうだよな、まっ冒険者で信用もしない奴とパーティー組んだ子も悪いが、気の毒だな」と言っていた。そんな時、受付でダンジョンのパーティーと言い争っていた受付の人が俺の横に居るシズクに気が付いた。
「シズクちゃん!良かった。ちょっと来て」
「あ、はい」
シズクは受付の人に呼ばれ、前に行ったので俺もシズクに付いて行った。
「やっと、戻って来たわね。さあ、早く私達を置いて行ったと言いなさい!」
大声で叫んでいた女はシズクが現れた事に驚きまた大声で叫んだが、横に居た男に直ぐに止められた。
「シズクさん、貴女はこの方達とパーティーを組んでいましたがどうして別々に帰って来たのですか?」
「あっ、えっと…パーティーメンバーのあの方たちに3階の階段下りところで「魔法を使えない子はいらない」と言われ置いて行かれました。」
「なるほど、どうやら貴方達とは言っている事が違うようですが、どういう事ですか?」
「あの子が――」
「お前は、黙ってろ…はい、それはその子が嘘をついているからです。僕達は見たんですその子が凄い魔法を使う所をそれで魔物を蹴散らしていました。そんな時僕達に邪魔だからと言って先に行ったのです」
「えっ、私は、魔法が――」
シズクが何かを射落とした時、他の受付をしていた男性がシズクへと問いただした。
「ふむ、シズクさん魔法は使えなかったのではないでしょうか?」
「私は…」
ふむ、どうやらこいつ等シズクを嵌めて報酬をこいつ等だけで手に入れようとしてたのか、しかしこいつらがシズクを嵌めて得することがあるのか?…ああ、そうか、こいつらはギルドでの罰則でFランクがもしパーティーを組んだ時、パーティーメンバーの違反事・今回はパーティーメンバーを危険な場所で置いて行ったという事でギルドカードを没収させ2年間自分達の仮奴隷(違反事を受けたパーティーリーダーの物)になる事でシズクを奴隷にしようとしたのか、成程な…よしここは俺が一肌脱ぐか
「ああ、受付の人いいか?」
「貴方は、…あっゼン様とリゼ様のご子息様どうしたのですか?」
「シズクは、魔法は使えないよ。だって俺が見た結果、呪いで魔法が使えないと書いてたからね」
「えっ、レイ君なんでそれを…」
シズクは、俺がシズクが掛かっている呪いを言った事に驚いていた。
「八ッ、見たって子供がどうやって他人のステータスを見るんだよ。他人のステータスを見るには信仰心を高めた神父様位なんだよ」
男女のパーティーメンバーの1人大剣を背負った男がそう言った。その男に続き、他のパーティーメンバーの奴等も「坊主が使えるような物じゃない」だとか「女の子を守りたいがために嘘は着いちゃだめだとか」言ってきた。
(ああ、そうかそうだった。俺は鑑定・全で見れるけど他の人はそうなるのか、まあ、信仰心位なら見せてもいいか…)
「ええ、じゃあ分かりました。シズクこの人達と受付の人だけにステータスを見せてもいいかい?」
「あっ、はい良いですよ」
「うん、それじゃ他の冒険者の方はちょっと離れていてくださいませんか?」
俺がそう言うと、ギルド内に居た冒険者の方は「ああ、良いぜ、お前ら離れろ」とその中で一番強そうな人が言って冒険者の方達をステータスが見える範囲から遠ざけてくれた。
「さてと、【女神イアラ様 この者の能力を 教え下さい】」
俺が、信仰心でステータスを見る呪文を唱えると映すための紙にシズクのステータスが現れた。
✤
名前:シズク・ヤマト
年齢:8
性別:女
種族:エルフ族【平民】
属性:火・水・土
加護:封魔の呪い 転生者の子孫(偽装)
レベル:6
筋力:15
体力:43
魔力:2
敏捷:21
【魔法系統】火魔法≪1≫ 水魔法≪1≫ 土魔法≪1≫
【術系統】短剣術≪2≫
【向上系統】
【便利系統】忍術≪―≫(偽装)
✤
「なっ、本当にステータスがッ!」
「受付嬢の方見てください、シズクのステータスを加護に封魔の呪いと言う物が付いていて魔法は使えないのです」
「本当ですね」
俺は、ここで分かったらいけないような情報(転生者の末裔と忍術)偽装して紙に映し見せた。幸い、シズクのレベルが低かったお蔭で出来たようなものだ、レベルが高かったら一発で成功なんてしない
「いや、まてこんな子供が使えるはずがない!どうせ、最初から用意していた紙だろう」
パーティーの男がこの期に及んで言い逃れをしようとしたが、既に受付の方々はこちらの味方へと付いていた。
「今目の前で見せましたよね?」
「そうですね。私共は、シズク様を信用します。」
そうして、その後このパーティーは全員罰則としてパーティー全員のギルドカードを没収し、シズクの仮奴隷にするかを受付の人から聞かれたが、シズクは「いえ、いいです」と答え、その代わりギルド側がこのパーティーを2年間雑用係として使う事になりシズクは謝礼金として1銀貨を貰った。
それから、俺達は受付の列に並び直し自分達の番が来て依頼【Dランクの魔石10個】の魔石を3セット分納品した。その時、スライムジェルも10瓶分納品して合計8銅貨を稼いだ、最初にしては中々の稼ぎになった。
「さてと、シズクちょっとこの後時間あるか?」
「はい、大丈夫です」
「そうか、なら俺にちょっとついて来てくれ」
俺は、そう言って受付を離れギルドの端で待って居たエルダ達を連れてギルドを出て行き、グランさんの家へと向かって歩いて行った。




