第23話 【ダンジョンへ】
「う~ん、何のクエストがあるかな」
ギルドに着いた俺達は、Fランク~Dランク用の掲示板でどんなクエストが有るのかを見ていた。中には、パーティー限定のもあったが俺の場合パーティーを組むような人は居ないのでパーティークエスト以外からクエストを探してみた。
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依頼内容:Dランク魔石・10個※常設
ランク:F
場所:ダンジョン1階~3階
入手方法:ゴブリン・ウルフ・スライム
報酬:2銅貨
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依頼内容:ウルフの毛皮・5枚※常設
ランク:F
場所:ダンジョン2階~3階
入手方法:ウルフ
報酬:3銅貨
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依頼内容:スライムジェル5本※常設
ランク:F
場所:ダンジョン1階~2階
入手方法:スライム
報酬:1銅貨
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とまあ、こんな感じのが沢山あり俺はこの中から【Dランクの魔石10個】のクエストを受けることにした。受付で手続きをしようと思ったら常設クエストは受付を通さなくてもいいですと言われた。その後、今朝ディーと話してた魔物ランク表を1銀貨で購入した。これで、俺が盗賊討伐得た収入の残りが5銀貨と10銅貨になった。それと、一応スライムを倒すと思いスライムジェルを入れる瓶を10本を5銅貨で購入した、またこれで資金が少し減った。
俺は、グランさんに前教えて貰ってた通りに街の中を歩いて行きダンジョンの入口に着いた。入口に居る、門番の人にギルドカードを見せ中に入った。
「おお、ダンジョンの中は結構明るいんだな、もっとジメジメしてると思ってたよ」
「そうですね~、私も始めてきましたよ」
「まあ、そうだろうな今発見されてるダンジョンのほとんどには大体人間が中から魔物が出ないように止めるため街とか作ったりしてるらしいしな」
俺は、エルダと話をしながらダンジョンの奥へと進んでいった。入口から移動する事5分位経った。目の先にライより少し小さなスライムの集団を見つけた。俺は、魔法で一気にやらずに少しでも剣の上達度を上げるため腰に差していた剣を取りラル、ライ、エルダをこの場に止め1人で突っ込んだ、俺に気づいたスライムは俺の方へと跳ねて攻撃をしようとした。しかし、俺はそいつの攻撃を跳ね返し、跳ね返されたスライムはものすごい勢いで吹っ飛ばされ壁に激突した。
「よし、1匹め、遠目で見た限り後6体か」
俺は、残りスライムの方へと向かって走った。スライムは、俺を近づけまいと【水魔法】を出してきたが、俺は魔法を左右に避けながらスライムの元まで行った。そして、一匹一匹を確実に剣で倒して行った。
「ふう~、中々良い動きだったと思うが、どうだったエルダ」
「そうですね~、動きは良かったと思いますがほとんどステータス任せの力技だと思いますよ。最初来るときに言ってた。「剣術を上げたい」という目的には到底…」
「マジか、自分の中では結構いい線行ってたと思うんだけどな、やっぱり誰かに剣術の指南をして貰った方が良いな…」
俺は、そんな事を考えながらスライムの死体から素材を取ることにした。今回のスライムで取れたのは、【Dランク魔石】が3つとスライムジェルが1本分手に入った。魔石は全部のモンスターが必ず落とすような物じゃないとエルダが教えてくれた。ある程度の魔力を持っていないと魔石は魔物には宿らないらしい、たしかに、今まで洞窟で暮らしていた時も魔物は倒していたが魔石を見た事はほとんどなかった。しかし、そしたらなぜ今回は7体で3個も魔石が落ちたかと言うと、それはダンジョンの中だからとエルダは言った。エルダ曰く、ここと外とじゃ魔力の密度が違って高濃度の魔力も持った魔物が比較的ダンジョン外より多く生まれているらしい、何故そんなことが分かるのかと聞いてみると里に居た時代に友人だったワイバーンにそう言うの知識を教えて貰ったと言っていた。俺には、そこら辺もまた知識に無いのでやはり勉強はしておかないといけないかな…とここ数日間で思い始めて来た。
「おっ、あそこに階段があるなあそこから次の階層だな、次はラルとライに戦ってもらうから準備しておけよ~」
「わう!」
「ぴ~」
「エルダ翻訳を」
「ラルちゃんは「私の出番!」って言って、ライ君が「僕だってやるぞ~」って言ってる」
俺は、エルダを通じてラルとライの意気込みを知り「頑張れよ~」と言ってやり次の階へと下りて行った。次の階に下りてきた俺達は道のようなところを進んで行き、遠くの方にウルフが3体居るのを確認した。俺は、ラルとライにそれを教えると2匹はいつもの戦闘態勢(ラルがライを背中に乗せ、強化魔法で自分の敏捷を上げる)に入り、ウルフの方へと走って行った。
「ワオーン!!」
1匹のウルフがラル達に気づき他のウルフへと教えウルフの1匹が風魔法のエアーカッターを使いラル達へと攻撃をした。ライは、ウルフが放ったエアーカッターに水魔法をぶつけ相殺させ、そして、ラルはそれを分かっていたのかスピードを緩めず走っていたのでウルフたちの下へと着き1匹へと襲い掛かり、ウルフを1匹倒してしまった。次に動いたのが、もう1匹のウルフ、ウルフは頭に乗って居るスライムのが弱いと思ったのかラルの後ろに回り込みライへと攻撃をしようとしたがライはウルフの方をキッと見て水魔法を使いウルフを水攻めにし天井近くまで持ち上げたウルフを水圧を利用して地面へと叩きつけた。最後に残ったウルフはラルの牙により息の根を止められ倒れた。
2匹は戦いが終わり、俺の下へと帰ってきて「わうわう~」「ぴ~ぴ~」と鳴き、エルダに翻訳を頼むと「撫でてと言っていますよ」と教えて貰ったので2匹を優しく撫でてやりながら戦いの事を褒めると、ラルは尻尾をこれ見よがしに振り、ライはぽよーんぽよーんと跳ねていた。