第22話 【魔法を教えます】
「んじゃ、最初どっちから見せる?」
「そうだな、レイの魔法を先に見せてくれないか」
「ああ、分かった。あ、俺の魔法結構範囲系が多いから少し下がってたが良いぞ」
俺は、ディーと何をやるかを決めた後そう言って、ディー達を後ろの方へと下がってもらった。まずは、最初にこの間覚えた【ファイアーガーデン】を出した。
「…やはり、この間見たのは僕が使えるようになった【フリーズガーデン】に似ているな」
「ああ、まあ元はそこから作ったからな、後はこんなのも思い浮かんだぜ」
俺は、そう言って【ファイアーガーデン】の応用というより範囲を狭め魔力を少なく威力を上げる【ファイアーサークル】を作った。ファイアーサークルは、見た目【ファイアーガーデン】の小さくなった魔法だが、円を描くように火が燃えてて周りの炎を煙突の様に高く伸ばした感じだ。
「おお!凄い、なあレイその魔法を水にする場合どうしたらいい?」
「水の場合は、高くするのを意識するんじゃなくて、こうやって円の方に集中して…」
俺は、そう言いながら水魔法でさっき使った魔法を水属性版にしたのを作り出し、【ウォーターサークル】を作り出した。
「おお、レイは水も使えるのか!よし、僕もやってみよう」
「ああ、気を付けるのは円に集中することで高さは慣れてからでいいと思うぞ」
俺は、ディーに教えながら一緒に魔法を撃った。最初こそ、始めての魔法で失敗はしたものの数回やるとディーは【ウォーターサークル】をマスターした。そして、自分が使える氷へと変換にしていた。
「そういや、さっきから俺とディーしかやってなかったが、マールは魔法やらないのか?」
「あ、私はちょっと…」
「んっ?」
マールは何か言いにくそうな顔をしてそう言った。それを見た俺は「何だ?」と思い首をかしげるとディーが横に来て教えてくれた。マールは、光属性の魔法なのだが攻撃魔法を覚えておらず【ヒール】と【ヒーリング】しか覚えてないらしい、ここでヒールとヒーリングの違いなんだがヒールは【即時型回復魔法】でヒーリングは【継続型回復魔法】だ、俺はその上の【ハイヒーリング】等を使える。
「う~ん、たしかに光魔法での攻撃魔法何てあまり浮かばないな…」
「ああ、今の魔術ギルドにも数個しか作られてないみたいだしね。それも結構上級向けの魔法だからマールには難しいみたく…」
「なるほどな、よしちょっと待ってろ」
俺は、そう言って光魔法の攻撃魔法を考え出した。
(光だろう、光ならやっぱこういうのとか…)
俺は、左手の人差し指と中指以外を握りデコに当て、人差し指と中指の先に光魔法の魔力を凝縮するようにして、一定の魔力が溜まったら手を前に突き出し光魔法を放った。俺の手から離された光魔法は螺旋を纏った感じに練習用の木に当たった。
「おお、出来た出来た。流石国民的なアニメのあの人の技だ破壊力も有るな、名前はどうしよう…よし【光線】でいいか」
「…レイ、その魔法は今作ったのか?」
「んっ?ああ、そうだよ。一応光魔法だからマールも使えると思うぞ」
「本当ッ!でも、今のって上位級の光魔法じゃないの…」
「そんなこと無いぞ、やり方さえわかれば簡単だって教えてやるよ」
俺は、マールを呼びさっきの技の説明を始めた。結果、その日はマールに【光線】を教えることで魔法の勉強は終わった。昼になり昼食の前に練習場に置いてある女神像にお祈りをしてから階段を上って行った。先に、練習場から帰ってきていたディーとマールは席に着いていたので俺もいつもの席に着いて料理が来るのを待った。
「レイ君、聞いたよ。マールに光魔法を教えてくれたんだろ」
「ああ、はいまあ自分も光魔法の攻撃魔法を作ってなかったので丁度良かったですから、それに結構使いやすい魔法が出来たからマールは直ぐに覚えれると思いますよ」
「おお、それは良かったねマール」
「うん、レイ君のお蔭でこれで学校での授業についていける。ありがと、レイ君」
「んっ?そういえば、聞いてなかったんだけどディーとマールって属性何個持ってるんだ?」
俺が今知ってるのは、ディーが水魔法でマールが光魔法とだけしか聞いてない、他の属性が有るならそっちも見てみたいなと思った。
「ああ、僕は水と風を使えるよ。まあ、風魔法はスキル本で最近覚えてたばかりだから、中々使いこなせてないけどね」
「私は、光魔法と一昨日スキル本で火魔法を覚えてばかり、でも火魔法の使い方が良く分からないから困ってるの」
「なるほどな、ディーの水魔法とマールは光と火の魔法の練習俺が手伝おうか?一応、魔法には自信があるしな」
「おお、いいのかレイというか今日習った物以外に他の魔法も知ってるのか?」
「まあ、他には水の場合は水を鞭のように扱うのとか、火の場合は上から降らせたり、光は目つぶし系とかも覚えてるよ」
「レイ君光魔法の技、アレ以外にも使える?」
「ああ、まあ考えたら色々と出てくるけど今の所、アレしか使えないかな」
「…レイ、本当にすごいな僕最近やっと氷に変換できるようになったばかりなのに」
「まあ、氷にするのは難しいよな、俺も手こずったよ。まあ、俺の場合水は近接、火は遠距離、光は回復として今迄使ってきてたしな、水の返還の氷は氷柱みたくして上から降らせたりしたら下位魔物なら簡単にやれてたしな」
俺は、ディーとマールとそんな話をしながら料理が来るのを待って、料理が来たら話を止め食べることに集中し食べ終わった後、今日はギルドで初めてのクエストを受けようと考え従魔小屋に行きエルダ、ラル、ライを連れてギルドへと向かった。




