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第203話 【破壊神対創造神・3】


 アルを連れて神界へと移動したセラは、事前に用意していた話し合い用の部屋へと出た。


「相変わらずセラが作る部屋は殺風景ね。何もないじゃない」


「別に良いじゃろう。それより、アル。お主の要望をまず聞こう。破壊以外の事でな」


「破壊以外ね……と言っても、特に無いわよ。あの時、私が送った転生者もその転生者に加護を与えて自分の転生者の様にしていた神もこの世界には居ないもの」


 破壊以外の事と聞かれたアルは、少し考えてそう述べた。

 既に一度世界を壊し、以前の世界とは別物となってるこの世界には以前の世界から存在する神は数が少ない。


「でも、だからといって今更はい辞めますってのは無理ね。これでも信者達と共にこれまでやってきたもの」


「……邪神としてか」


「ええ、そうよ。邪神だろうと私を崇め、付いてきてくれたのはあの子達なのは変わりないわ。だから、そうね……セラ。貴方と本気で勝負をしましょうか」


 アルは好戦的な目でそうセラに言うと、セラはこの言葉が来るだろうと考えており「やはりか」と呟いた。

 そしてそれと同時にアルは魔力を高め、この部屋の空間を壊し、空間に居られなくなったセラとアルは現世へと再び現れた。


「こっちでやるつもりなの?」


「ええ、その方がセラは本気を出してこの世界を守らなくちゃいけないでしょ? 作られた空間だと、本気だしてくれなさそうだしね」


 その言葉と共にアルは、遠くで覇竜と戦っていた邪竜から魔力を回収して禍々しい剣を作り出した。

 対するセラは異空間から、アルの剣に対抗できる力を加え続けていた剣を取り出した。


「良かったのか? 邪竜を回収しちゃったようじゃが?」


「ええ、十分戦ってくれたし、あそこに居る覇竜はもう戦う体力は残ってなさそうだもの、後は私達が決着をつけるだけよ」


 そうアルは言うと、剣を構え一瞬にしてセラへと接近した。

 禍々しい力を放つ、邪竜だった剣を振るったアル。

 その剣に対し、自身の魔力を別の世界を作り出し何千年分もの魔力を蓄えた剣でセラは弾き返した。


「へぇ、引きこもりだったくせに中々やるじゃないセラ」


「ただ引きこもっていた訳じゃないからの、それとアル。お主も引きこもっていたくせに、自分は違うような言い方はよすんじゃ!」


 セラはそう言うと、魔力を体全体に纏わせ剣を握る手に力を入れてアルに対して剣を振るった。

 神同士の剣対決、その姿を下で見る戦士達は一部を除いて目で追う事すら出来ていなかった。



「すっげ~……神様同士の対決って、多分これが最初で最後な気がするな……」


「そうだね。神様同士が戦う何て早々無いから、ちゃんと目に焼き付けとかないとね」


 セラ様と邪神が一時の間、姿を消して再び戻ってくると両者剣を持って戦いを始めた。

 その対決は〝凄い〟ともうそんな言葉でしか言えない程、凄い戦いを繰り広げている。

 圧倒的な人と神との差を見せつけられ、速さが凄まじく戦いを見れているのもこの戦士達の中にはそんなには居ないようだ。


「ジンさん後で悔しがりますね」


「そうだね。こういった時に記録用の魔道具とかあれば便利だけど、流石にあの戦いを記録する事も難しいから意味は無いだろうね……」


 アルフさんとそんな会話をしながら、上空で行われている神同士の戦いを目に焼き付けるように観戦した。

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