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第197話 【対邪信教・1】


 突如始まった王都での邪信教との戦闘は、直ぐに王都中に知らせが走った。

 レイディア含めた戦士達が王都の外で邪信教を止めている間、王都内では事前に用意していたシェルター内へと市民の誘導。

 破壊された王都を守る壁から侵入して来た魔物達を対邪信教戦士以外の戦闘員達が各場所に配置され、魔物達を撃退をしていった。


「ドンッ!」


 市民達、対邪信教戦士以外の者達は、王都の外で戦っている激しい戦闘音に驚き、そして勝ってくれと願う事しか出来なかった。



「ほらほらほら、転生者君。頑張らないと、今度はその存在事破壊しちゃうよ~!」


「この、くそっ!」


 訓練で鍛え、彼の頑張りでステータスが倍以上上がっていた事に少し安心感を持っていた。

 しかし、セージとの戦闘を迎えてから安心感なんて持つ余裕は無かったと即座に後悔した。

 武器は〝破壊ナイフ〟一本だけだが、それの効果を知っている俺は体に掠める事さえ許されない状況だと理解している。

 そのせいで俺は攻撃の手に躊躇いを感じていた。


「ハァ、ハァ……」


 息切れをしている俺はセージへ奇襲する為、戦闘中使っていなかった転移魔法を使用した。


「あれ?」


 その瞬間、セージは俺の姿を視界から外し俺を探すのに数秒間掛かった。

 その間に俺は、瞬時に組み上げ魔力を相当注ぎ込んだ魔法をセージに向かって放った。


「いけッ!」


「うわっ! びっくりした~」


 全力の魔法に対し、セージは呑気な声を出してそう反応した。

 これも分かっていたセージの持つナイフは、全てを破壊するナイフ。

 俺の保険さえも壊した彼奴のナイフだったら、俺の魔法何て壊すと理解していた。

 しかし俺が求めていたのは魔法での攻撃では無く、魔法の攻撃を壊し俺に対し挑発的な態度をとるその瞬間だった。


「ぐふッ、な、何でそこに」


「やっと隙を見せたなセージ。この時を待っていたよ」


 作り上げたその隙に、俺は瞬時に反応して隠し持っていた神様から貰った神器を使いセージの腹部を刺した。

 セラ様から授けられたその武器は、傷をつけた相手の時を止めるという力を持った武器だ。

 セージとの戦闘中、一度でも使えたら彼奴の時間を止める事が出来ると聞いていた。

 なので俺は確実にセージに攻撃が出来る瞬間、待ち続けその瞬間自らで作り上げた。


「は、はは、これは神の力。それも僕の邪神様から貰った武器よりも強い力か……」


 停止していく体に〝破壊のナイフ〟を使用したセージだったが、こちらの武器も神の力を使っている。

 さらに言えば破壊のナイフには、神は一柱分の力しかないが、こちらには多くの神の力を注いだ神々の武器。

 破壊のナイフでさえも、セラ様から受け取った武器の力を壊す事は出来なかった。


「こ、こんな終わり方か……でも、意外と楽しめたから良かったよ。じゃあね転生者君」


「ああ、じゃあな」


 セージに対し怒りや憎しみを持っていたが、最後位挨拶をくれてやった。

 そうして完全に時が止まったセージの体は、ナイフを持つ力が無くなり〝破壊のナイフ〟は地面に落ちた。

 そして俺は、セラ様受け取った〝異界送りのナイフ〟で〝破壊のナイフ〟とセージの体をこの世から消し去った。


「これで大丈夫ですよね。セラ様」


 誰も居ないこの場でそう発すると、脳内にセラ様の声で返事が返って来た。


(よくやったレイ。これでアルが作り上げたナイフとあの狂人はその世界から切り離されたぞ)


(そうですか。行き先は、このために作った世界に送る様にしたと言ってましたが無事に行き先通りになってますか?)


(うむ、安心するがよい。最期まで確認しておる)


 セラ様の返事を聞き、俺は安心感から戦闘中忘れていた疲労が現れ、ドサッと地面に座った。

 今も王都の外では邪信教とジンさん達が戦っているが、少しだけ休憩させてもらおう。

 そう思い俺は、息を整える為に【瞑想】を行った。

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