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第191話 【戦士達・2】


 タブの仲間、一人は執事服を着こなした男性、そしてもう一人の仲間はスケルトンの従魔だった。


「へぇ、タブも従魔を持つことにしたんだな」


「まあ、こいつの場合は自分からなりに来たんだけどな。挑戦してた迷宮で修行しにきたこいつと会って、俺の従魔になったんだよ」


「カラカラ!」


 スケルトンはタブの言葉に「そうなんですよね!」という風に返事をした。

 このスケルトン、人間の言葉を理解してるのか? いやというか、こいつの漏れ出てる魔力って……


「なあ、タブ。こいつってもしかして魔王種じゃないのか?」


「……気づいたか? 私も仲間にした後に気付いて、王都に戻ってきた際に学園長や王妃様達に詰め寄られたよ。魔王を従魔にどうやってしたのかってな」


 タブは苦笑いを浮かべながら、戻って来た当時の話をしてくれた。

 タブ達一行は、俺が王都に戻って来る一週間前にギルド経由で呼び出しを受けて戻って来た。

 そして王都に戻ってきた際、スケルトンから漏れ出てる魔力に街の外まで様子を見に来た学園長や王妃様達に詰め寄られ、その日は一日掛けて尋問されたとタブは言った。


「従魔にする前は気づかなかったのか?」


「迷宮内でそこに気を張ってなかったとの、こいつは私達の前で実力を隠してたんだよ。従魔になった後に主人権限でステータスを見たら、種族の所に〝魔王〟ってあったんだよ」


「そうだったのか……いや、でも魔王クラスの魔物を従魔に出来たのは本当に凄いな。そんなに使役スキルを上げてたのか?」


「いや私の場合、迷宮の攻略報酬で使役に似たスキルを貰ったんだよ。それのおかげで、こいつを仲間にする事が出来たんだ。多分、普通の使役スキルだったら仲間にする事は無理だったと思うな」


 タブはスケルトンを見ながらそう言い、俺はタブの言葉の〝迷宮の攻略報酬〟という単語に驚いた。


「タブ、迷宮をクリアした事あるのか?」


「ああ、あるぞこの期間内に複数の迷宮を攻略して来て何度も迷宮神に会って、迷宮神以外の神からも加護を授けて貰ったからな」


「ま、マジかよ……昔の悪役貴族の面影が全く無いじゃないか……」


「……当時の事を忘れてくれ、これでも今じゃ過去は消しても消せない恥の人生だった。レイディア以外に迷惑を掛けた者には、今更会う事は出来ないが心の底から謝罪をしている」


 本当に悔いているのか、タブは顔を下に向けてそう言葉を漏らした。


「まあ、でも今のタブを見れば当時の人達は分かってくれるんじゃないか? まあ、本人じゃないって言われるかもしれないがな」


「それはあるな。父でさえ、私の姿を見て隣に居たバズに私が何処に行ったのか聞いた位だしな」


「あの時は旦那様。相当驚いていましたね。息子の姿がこれ程変わるとは、旦那様も思っていなかったのでしょう。それも一年も経たずにですから」


 タブの後ろに控えていたバズがそうタブの言葉に続けて言うと、タブは笑みを浮かべながら「父のあんな顔を見たのは初めてだったな」と言った。

 その後、俺も室内の隅っこに待たせていたクレナ達を呼びタブに改めて紹介をした。


「……魔王の従魔を手に入れてなかったら、また私はレイディアに迷惑を掛けている所だったな。エルダ―トレントのエルダでさえ欲した私だが、ワイバーンの従魔だなんてレイディア。羨ましいぞ……」


 ラル、ライ、クレナの順に紹介をするとクレナを紹介した途端、タブから肩を掴まれそう言われた。


「ほ、ほらタブだって特別な使役スキルを持ってるんならワイバーンを仲間に出来るだろ? ギルドに聞けば、ワイバーンの生息地だって教えて貰えるかも知れないし」


「……会議が終わった後、ギルドに行くぞバズ」


「はい、タブ様」


 タブは俺の言葉を聞くとそう言い、会議が始まるまで雑談をして時間を潰す事にした。

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