表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
190/211

第190話 【戦士達・1】


 修行を終え、魂の融合に成功した俺はジンさんと共に王都へと戻って来た。

 里に来る際はクレナに乗って来たが、今の俺には時空間魔法がある。

 彼が残してくれた力の一つで、転移魔法が使えるようになった俺はその力で一瞬で王都に戻って来た。


「大分、復旧は進んでるみたいですね」


 旅立つ際は、邪信教の襲撃で王都はかなりの被害を受けていた。

 しかし、この一ヵ月間の間でかなり復旧が進んでおり壊されていた王都を囲む壁等も修復されている。


「竜の助けもあるからの、物資の移動も早いんじゃろうな」


 ジンさんは空を飛び回っている竜を見上げながら、そう言い俺もまた空を飛び回る竜に目線をやった。

 あの竜は、覇竜様が連れて来た竜人なんだろうな。

 こんなに離れているのに、個々の戦闘力の高さを感じる。


「さてと、戻って来て早々じゃが会議に向かうとするかの」


「そうですね。家族に挨拶もしたいですけど、先に会議がありますからね」


 そう言って俺達は、城へと復旧途中の街中を見ながら向かった。

 10分程で城に辿り着いた俺達は、門番の兵士さんに顔を覚えられていたので顔パスで城の中へと入った。

 そしてその足で会議室へ移動して、部屋に着いた俺達はノックをしてから扉を開けて中に入った。


「あら、意外と早い到着ね。レイディア君、ジンさん」


 部屋の中には既に、王妃様に王様そしてアルフさんが揃っていた。

 あれ、あの人は見た事が無い人だな? いやでも、あの風貌からして……


「ほう。その者がレイディアか! 中々に強いオーラを感じるぞ! 我は、覇竜。ドラヴェルフ・ドラコーンだ。よろしくな!」


 やっぱり覇竜様か……


「よ、よろしくお願いします。レイディア・マグラットです」


 流石にこんな相手に恐縮しない訳はなく、俺はガチガチに緊張した状態でそう挨拶を交わした。

 それから暫く部屋の中で覇竜様と話をしていると、他の会議メンバーも部屋に集まって来た。


「……んっ?」


「……」


 そんな部屋に入って来るメンバーの一組に、何処かで見た事のある人物と目が合った。

 体格は細身だが、服の上からでも分かるくらいに鍛えられた体をしていて、顔面偏差値も中々に高い方で目つきが鋭い人だ。

 その人物は、一緒に入って来たスケルトンと執事に声を掛け、一人で俺の方に近寄って来た。


「久しぶりだな、レイディア・マグラット」


「えっ? 俺、何処かで会った事有ります?」


 見た事のある人だなという感覚はあるけど、こんな人見た事無いぞ?


「まあ、あの時の姿から大分変ったからな。分からないのも当然か……ブータリッヒ公爵家の元長子だったタブだ」


「……えッ!?」


 タブ・ブータリッヒってあの、でっぷりと太ってた豚男!?

 俺がそう驚き、言葉を失うと目の前の男は俺に向かって頭を下げた。


「あの時は、すまなかった。家の力を自らの力と過信して、迷惑を掛けてしまった」


「あっ、いや。まあ別にあの時は、エルダを連れて行かれそうになっただけだったし、特にそれから何かあった訳じゃないから、そんなに謝らなくても」


 同年代である相手に、頭を下げられ謝罪された経験何て殆ど無く、俺は困惑しながらそう頭を上げるように言った。

 

「ってか、これ言わない方がおかしいと思うし聞くけど、変わりすぎじゃない?」


「そうだな。まあ、レイディアは知ってると思うがあれから家を追い出されてな、武者修行と言ったらいいのか色んな迷宮に挑戦してる間に無駄な肉が落ちて行ったんだ」


「迷宮に挑戦か……ってか、あそこにいるのってタブの従魔なのか?」


「ああ、そうだよ。ちょっと待っててくれ……従魔のスケルトンと俺の奴隷で一番の家臣であるバズだ」


 俺の質問にタブは答えると、壁際に待っていた仲間達を呼びよせて俺に紹介してくれた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ