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第189話 【一つに・2】


 それから俺達に対して、イアラ様は融合について一から話をしてくれた。

 まずやり方としては、向かい合った状態で心を共鳴させて一緒になったタイミングでイアラ様とセラ様の力を使い魂を一つにすると言われた。


「そういったやり方なんですね。てっきり、俺達だけで出来るのかと思ってました」


「まあ、保険があった場合だったら同じ肉体の中に存在してたから、私達の力を使わなくても自然と融合されたんだけど、こうして二つの魂が存在してる状態になってしまったから、レイ君達の力だけじゃ融合は出来ないのよね」


「魂に関しては神にしか扱う事が出来ないからの、レイ達だけでやろうとしてもまず無理じゃな」


 イアラ様、セラ様にそう言われた俺は「そうなんですね」と言葉を返した。

 それから魂を融合する為に、特別に作ったと伝えられた部屋に移動した。

 その部屋の中央には、キングサイズのベッドがありそこに俺達に横になるように言われた。


「男同士、それも前世と今生の姿で寝るって不思議な体験だな……」


 そう俺が言うと、前世の姿の俺もまた「男同士で横になるのか……」と少し悲しい表情をしていた。

 彼にとってこれが最後の記憶、それが男と一緒にベッドに横になるというのは何とも悲しい者だろうか。


「今生では絶対に彼女作ってくれよ……」


 その思いに俺は「ああ、分かったよ」と力強く返事をした。

 そうして俺達はベッドに横になり、イアラ様達の指示通りに目を閉じて心をリラックス状態にした。


「それじゃ、行くわよ。セラ準備は良い?」


「いつでも良いぞ」


 神様達のその会話を最後に、リラックス状態だった俺の意識は更に薄まって行った。

 意識が薄くなる中、俺の中に何かが入って来る感覚がした。

 記憶、感情、力。

 もう一人の俺が持っていたそれらが、俺の中に入って来ていると俺は感じた。

 そしてその中には、もう一人の俺の想いも入って来た。


 負けんじゃねぇぞ、必ず勝てよ!


 邪信教、セージ、邪神。

 彼奴らに負けるなと彼の強い思いを感じた。


「……イ君。レイ君!」


「ッ!」


 意識が薄れ、そのまま意識が飛んでいた俺はイアラ様の声に反応して目を覚ました。

 そして、意識の主導権が〝俺〟である事に安心感と共に、ふと彼が居た所を見ると彼の姿はなくなっていて悲しい気持ちにもなった。


「無事に融合が出来たんですね……」


「ええ、無事に成功したわよ。これでレイ君の魂は完全になったわ」


「成功するじゃろうと思って居ったが、中々に苦労したわい。互いに強い魂じゃったから、疲労感が半端ないの」


 セラ様の言葉に俺は、神様達の顔を確認した。

 すると二人の神様は、額に汗を流し俺でも分かるくらいに疲労感が出ていた。


「俺の為に神様に無理をさせてしまって、すみません……」


「ううん、良いのよ。レイ君が謝る事じゃないよ、元を辿れば私達の問題にレイ君達を巻き込んで居る様なものだもの」


「うむ、そうじゃレイが謝る事じゃない。それに、久しぶりに疲労というのを味わって気持ちも良いからの」


 イアラ様達に謝罪をすると、そう返された。

 無事に融合を終え、二つの魂が一つになった俺は彼が託してくれた力を見る為、ステータスを確認した。


名前:レイディア・マグラット

年齢:8

性別:男

種族:人族【ナロウディ王国・伯爵】

属性:火・水・光・無・時空

加護:イアラの加護  セーラの加護 リュアンの加護

   シブセルの加護 セラの加護 


レベル:401

SP:

筋力:18950(+10000)

体力:18900(+10000)

魔力:26200(+17500)

敏捷:18750(+10000)


【魔法系統】火魔法≪MAX≫ 水魔法≪MAX≫ 光魔法≪MAX≫

      無魔法≪MAX≫ 時空間魔法≪MAX≫

【術系統】 剣術≪5≫ 弓術≪2≫ 体術≪MAX≫ 槍術≪2≫ 

【向上系統】完全耐性≪MAX≫ 夜目≪MAX≫ 身体能力強化≪MAX≫

      魔力強化≪MAX≫ 

【便利系統】鑑定・全≪MAX≫ 経験値補正≪MAX≫ 信仰心≪MAX≫

      使役≪4≫   大工≪4≫      威圧≪MAX≫

      調理≪MAX≫ 偽装≪MAX≫    探知≪MAX≫

      指示≪1≫   瞑想≪MAX≫    並列思考≪MAX≫

      異世界言語≪ー≫   魔法合成≪ー≫ アイテムボックス≪ー≫ 


「ふぁッ!?」


 ステータスを見た俺は、イアラ達が居る前でそんな変な声を上げてしまった。

 いやいやいや、なんじゃこのステータスは!?


「どうしたのレイ君?」


 俺があたふたとしていると、イアラ様がそう声を掛けて来た。


「あっ、いえ俺の能力値があまりにも上がっていて驚いたんです」


「レイ君が驚く程、上がってたの? 私も見ていいかしら?」


 イアラ様のその言葉に俺は「良いですよ」と返事をすると、イアラ様は俺のステータスを見た。

 そして俺の時の様に声は出さなかったが、驚いた顔をして言葉を失った。

 そんなイアラ様にセラ様も気づき、セラ様もステータスを見ると「これは、凄いの……」と呟き驚いていた。


「まさか、ここまで能力値が上がるなんて私も思ってなかったわ……」


「俺もですよ。でも、これって殆ど彼のおかげですよね? 俺はこの修業期間、ずっと瞑想しかしてなかったですし……」


「多少は転生時にもう一つの魂に付与してた能力値も入ってると思うけど、こんなにじゃなかったわ。セラ、貴方一体どんな修行をしてたの?」


 イアラ様は、セラ様にそう尋ねた。

 聞かれたセラ様は「もう一人のレイが頑張っただけじゃ」と真顔で言った。


「敵の情報は奴も知って居るからの、多少無理しないと勝てないんじゃないかと心配してたんじやょ。じゃから、儂が授けた力も直ぐに習得して更にレイが持っておるスキルも並行して修行しておったんじゃよ」


「そんなに無理を……」


 彼の努力の結晶は、ステータスに刻まれている。

 俺は彼の想い、彼の努力を生涯忘れないと心に誓った。

 その後、神様達と別れて現世に戻って来た俺はジンさんに無事に成功したと報告をして、成長した自分の力を試す為にジンさんに模擬戦をしてもらう事にした。



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