第184話 【彼の為】
文字数少なめ、腰の痛みが酷いので小話程度のお話です。
道塚浩太は、イアラ達が去った後の扉を一人見つめていた。
「気づいて居たんでしょ? 話さなくて良かったの?」
意識が扉に向いているのをセラに見破られた浩太は、魔力を解いて地面に降りた。
そして、自分の事を見下ろしているセラに目を合わせた。
「別に話す事も無いですからね。それに自分自身と話すって、なんだか気持ち悪いですし」
「そうか? しかし、そう言って居るが心では話したいと思って居る様じゃな」
「……心の中見るなよ」
「仕方なかろう。ここは儂の部屋じゃ、心の中を見えてしまうんじゃよ。そう作って居るからの」
浩太の言葉に、悪びれも無くセラはそう言った。
そして、浩太の横に椅子を出現させて、椅子に座った。
「あっちのお主は、色々と悩んでいたようじゃぞ?」
「そりゃそうですよ。当事者ですからね。俺と彼は、一緒にであって体験してる事は一緒にじゃないですから」
浩太は、セラの言葉にそう返した。
「俺だって、自分を殺しに来る相手が居る中でどうやって強くなれば良いのか問われたら、悩みまくりますよ。相手は自分より格上の上、組織自体が強敵ですからね」
「そうじゃな、邪信教はあの世界じゃと危険度MAXの敵じゃな」
「でしょう? そんな相手と戦う事を想定しての訓練何て、直ぐに心構えができませんよ。沢山悩んで悩んで、悩みながら訓練して答えが出るか出ないかその時次第ですよ。なので、俺はそんな彼の為に少しでも力を渡せるように我武者羅に頑張るだけです」
浩太がそう言い切ると、セラは「そうか」と頷きながらそう言った。
「ならば、もっと訓練を強くした方が良いのう。魂のレベルを上げるのに加えて、お主には力も身につけて貰おう」
「えっ? まあ、それは良いんですけど今の訓練より厳しいですか?」
「当たり前じゃ、魂のレベルを上げながらの訓練じゃからの、お主には時間が無いから別々に何て無理じゃよ」
「確かにそうですけど……」
セラの言葉に、浩太はビビりながらそう返した。
そんな浩太に対して、セラは「そうピグビクせんでもよい」と笑顔を向ける。
その後、浩太はセラから更に地獄の訓練を付けられる事になった。
もしかしたら、次の話は数日開くかもしれません。