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第172話 【従魔達・1】


 クレナの背中に乗り空の旅を十分楽しんだ頃、目的地の俺の領地へと着いた。


「と思うんだが……本当にここなのか?」


 クレナに指示を出し、上空で飛びながら地上を見てそう呟いた。


「そうだよ。エルダちゃんとトレントの2体が「ご主人様を驚かす」って言って、頑張ってたんだよ。でも、ご主人様余り驚いていないね」


 俺の呟きに対して、クレナからそう教えられた。

 いや、正直凄く驚いてはいる。

 出て行く時は、普通の森で木々も生い茂り道に迷いそうなほどの森だった。

 しかし今は、綺麗に果樹園の様に木は並んでいて、木の実や果実が沢山実っている木もここから見えた。

 あれは森の奥でとってた木の実とかだよな? 何で、俺の家近くにあんなに風に実っているんだ?


「クレナは、時々魔石渡しに来てたよな? この事、知ってたのか?」


「うん。でも、エルダちゃんから「ご主人様には秘密だよ」って言われてたから、言わなかった」


「そうか……いや、まあエルダも変な奴だがエルダートレントだしこんな事は普通に出来るのかな」


 アルフさんのせいで変な知識に偏ったエルダだが、元はエルダートレントと植物系魔物でもかなりのランクの魔物だ。

 こんな風に木を操るなんて、彼奴にとっては簡単なんだろうな……


「取りあえず、降りてみるか」


「はい」


 クレナに降りる指示を出すと、クレナはそれに返事を返して地上に降りた。

 降りた場所は、麓の木々が生い茂っている場所へゆっくりと降りて行った。


「おっ、おいクレナ。この下、木があるから別な所から降りなくて良いのか?」


「大丈夫、ですよ。ご主人様」


 俺はクレナの行動に戸惑いながら降りるのを待って居ると、下に生えている木々がクレナを避ける様にして枝を動かしていた。


「どうなってんだ、これ!?」


 そう俺が驚いていると無事に地上に降りたクレナの背中から地面に降り、辺りを見渡した。


「いや、地上も変わりすぎだろコレ……」


 出て行ったときは、普通の森の中に少し開けた場所を作って生活をしていた。

 しかし、今はある程度の広さがあり木造の家が数件と、寝床や居住スペースとして使っていた洞窟の入り口には、洞窟と一体化している豪華な家が建てられていた。

 他にも細かな所で井戸だったり、砂利が敷かれて道となっている場所などが作られていたる


「どうなってんだよここ……」


「あっ! ご主人様、お久しぶりで~す」


「あっ、おいエルダ。これ、どう、なってる、んだ?」


 後ろから聞こえたエルダの声に、この場所の変わりように聞こうと思い振り返った。

 すると、そこには俺が最後に会った時のエルダとは、姿が変わったエルダが居た。

 姿が変わったエルダをエルダと認識できたのは、従魔魔法のおかげだろう。


「お前、エルダだよな?」


「うん、そうだよ? ああ、そっかご主人様には言って無かったね。私、エルダ―トレントから進化出来て、今は森の精霊でもある【シルフ】に進化出来たんだよ~」


「……そういや、進化とかあったな魔物には」


 そう言えば、前に呼んだ本で魔物は一定の強さか特定の行動をすると進化すると書いてあった。


「まあ、いいや。エルダには会った時から驚かされていたからな……それで、エルダに任せていたトレン達は何処に居るんだ?」


「トレンちゃん達は、森の管理を任せてるんだよ。来た時、ビックリしたでしょ? 沢山、木の実を育ててるのトレンちゃん達なんだよ」


「そうなのか、それは凄いな後で褒めにでも行くか。ライ達の方はどうだ?」


「ライ君達は、最近会ってないよ。種族の中でちょっと問題が起きてて、帰って来てないの」


「問題?」


「ライ君もラルちゃんも種族の集団の中で一番強くなっちゃって、次の長はライ君達だって元長達に言われて、それの事で今スライム族とウルフ族の中で問題になってるみたい」


「そんな事が起きてたのか……まあ、でも数日後にはここを出て行かないと行けないから、その時はライ達も連れて行きたい。少し話でもしに行くか」


「は~い、なら案内しますよ~」


 そう言って、エルダは「退いて~」と言い木々を退かせながら、森の中を進んで行った。


「あいつ、また一段と変になったな……クレナは好きにしてていいぞ、直ぐにライ達を連れて帰って来るから」


「じゃあ、トレン達の所に行ってくる」


 クレナに自由にしてて良いと言うと、そう言って飛んで行った。

 その後、俺はエルダの後をついて行きながら森を進んで行った。

 後を追って歩く事数十分、前に来た時はセージとの戦いの後でボロボロだった場所が今では綺麗に木々が育って居て、所々に魔物が隠れているのを発見した。


「あの子達、他の場所で虐められていく当てが無かったからあそこで暮らさせてたんですけど、ご主人様今後も住まわせてあげても良いですか?」


「危害を加えないなら、良いけど今後ここも開発して人も住むことになるぞ」


「あの子達、人間を襲えるような力は無いですし、あの子達が居れば悪い虫はあの子達が食べてくれたりしますので、今は森の木や他の所で作っている作物を守ってくれています」


「そうか、なら良いけど。まあ、人が住むようになるまで何年も掛かるだろうし今はまだ深く考えなくても良いかな」


「そうですか~……っと、そろそろ着きます。最初は、ラルちゃんが居るウルフ族の場所です」


 そう言って、木々を退かせた先にはウルフが沢山居てその中に見覚えのあるウルフ、今回の問題の原因を作った元長のウルフを見つけた。

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