第170話 【旅立ち・1】
170話から179話まで一度消しました。
基本的に内容は変わっていませんが、2年の年月で書き方や物語の最終目標が変わったりしています。
もしかしたら、この作品を良い所まで書ききったらリメイクするかもしれませんが、取り敢えず切りの良い所まで更新頑張ります。
クレナの魔力を家で感知した俺は、何故そこに? と疑問に思いながら家に帰宅した。
帰宅した俺は、家の中に入ると先程まで一緒に会議をしていたアルフさんが家の中に居て、優雅にお茶を飲みながら寛いでいた。
「意外と早かったね~、レイ君」
「いやいや! 何で、アルフさんが俺の家居るんですか!?」
「いやさ、ハクちゃんがクレナちゃんに教えたい事があるって言って、手頃な場所は無いか王妃様に聞いたら、クレナはレイ君の従魔だし家を使えば良いじゃないって合い鍵を渡してくれたんだよ。それで、先に家に戻って来て僕はここでお茶をしてたんだ。ちゃんと、ご両親と陛下達には許可貰ってるから、不法侵入じゃないよ?」
アルフさんは、お茶の入ったコップを置き俺にこれまでの経緯を説明してくれた。
許可を取る相手が、親と国王と王妃って……
「なんですか、その許可を取る相手は……俺の両親だけなら分かりますけど、この国のトップに一貴族の家に入る許可を貰ってるんですか……まあ、変な事はしてませんよね?」
「うん、ちょっと練習場を使わせてもらってるだけだから、後はまあ軽食と部屋を使わせてもらってるよ」
「はぁ……もう、過ぎた話ですし良いですよ。取りあえず、クレナは何処に居るんですか?」
「クレナちゃんなら、地下で最後の修行中だよ」
「修行?」
俺がそう聞くと、「見たらわかるさ」とアルフさんが言い。
アルフさんと一緒に、地下にある練習場へと向かった。
練習場の前に着き、扉を開けると中には聖竜様とグッタリと倒れているクレナが居た。
「おや、もう来たのかい?」
「聖竜様……クレナを鍛えているんなら城で話している時に教えてくださいよ」
「すまんの、忘れておったんじゃよ。それより、クレナ。主人に新しい力を見せてやりなさい」
「はい」
クレナは聖竜様に言われると、起き上がり体内に魔力を集中させ始めた。
力を込めているクレナの周りからは、赤い蒸気が出始めクレナに変化が生じた。
クレナの背中から、紅い翼と紅い尻尾が出現した。
「【半竜化】これは、竜化せずに人化のまま竜の力を使用する姿じゃ、竜化より移動スピードや飛行能力は多少落ちるが、その分戦闘での動きは竜化より軽やかになるんじゃ、」
クレナの変わった姿に聖竜様が説明してくれた。
その説明を聞きながら、俺は変化したクレナの姿に目が釘付けになった。
竜と人の良い所だけ取ったこの姿、めっちゃカッコいいし、綺麗だな……
「どう? ご主人様?」
「凄いな、クレナ。よく、頑張ったよ」
「うん、ご主人様の役に立ちたかったから頑張った。今度は、私も頑張る」
クレナは力強く、メラメラと気持ちを燃やしながら言った。
多分、俺が一人で邪信教、セージと戦い自分だけ何もできなかったのが悔しかったのだろう。
そう思った俺は、クレナの頭を撫でながら「ああ、よろしくな」と言った。
「さて、クレナの修行も無事に終わった。レイはこのまま、王都を出て行くのか?」
「そうですね……王都を出て行くのは、明日で今日は皆に挨拶と食料の買いこみをしようかなと思ってます」
「そうか、なら明日の見送りには儂とアルフも来るよ」
その後、俺達は訓練室から出て行き、聖竜様は城へと行き、俺も実家に戻る事にした。
家に帰宅すると、両親と兄達、そしてシフォン、、シズク、ディー、マール、クリスがリビングで待って居た。
「えっ? 皆、何で家に居るの?」
「何でって、王宮の騎士からレイが起きたって知らせが来たからだよ。全く、一人で邪信教と戦うとか何考えてるんだよ!」
帰って来た俺に対し、ディーは俺に迫り怒った。
他のメンバーも同じように皆、俺に対し怒って来た。
「ご、ごめんって次からは、皆も頼るから……」
そう言うと、皆は取りあえず落ち着いてくれた。
しかし、その後の両親の「それで、いつ王都から出て行くんだい?」という一言で皆がまた騒がしくなった。
なんとか、事情を話して理解してもらったが、いつ帰って来るんだ? という質問に対して「分からない」と答えるとまた、色々と言われてしまって。
そんないざこざはあったが食料の買い込みには、皆着いて来てくれた。
そして出発の日、聖竜様達と一緒にディー達も見送りに来てくれた。
「それじゃ、皆またな!」
「絶対に帰って来いよ! 待ってるからな、レイ!」
「レイ君、私達もレイ君の助けになれるような頑張るか、レイ君も頑張って!」
「レイ君に教えて貰った魔法、頑張って練習するね!」
「また、一緒にクエスト行こうね!」
皆に見送りをされながら、俺はクレナに竜化してもらいその背中に乗り王都から去って行った。




