第169話 【打ち明ける】
家族が待って居る部屋へと、メイドさんに案内して貰った俺は、メイドさんに礼を言って、扉をノックし、扉を開けて中に入った。部屋の中には、父、母、レック兄さん、リック兄さんがソファに座って待って居た。
「レイ、どうだった?」
「うん、大丈夫だったよ。それより、今からちょっと重大な事を話すから、落ち着いて聞いてね」
そう言って、俺は話を切り出した。自分が、この世界とは違う世界の住人であった事、この世界の神様からこの世界に転生させてもらった事、そして、今ここにいる自分は違う世界の記憶を持って居る事を、全て順に追って全て説明した。
「……成程な、これで合点が行ったよ。だって、生後1日の赤ん坊が神様の加護で助かっていたとしても、どうやって気を狂わず1人で生きて来られたのか、そして邪竜との戦闘の時の凄まじい魔力、やっぱり、レイは特別な存在だったんだな」
「まあ、でも今じゃあの時の様な戦闘は出来ないけどね。俺に付いていた。加護の様な物が1つ、学園で戦った邪信教の敵に壊されて、魔力も普通の人と同じ様に回復するまで時間かかるし、もし次に邪竜に飲み込まれたら死ぬ体に成っちまったけどね」
「そうか……なあ、レイ。レイは、俺達の事をどう思ってるんだ?」
父さんから、そう質問された時、母さんや兄達も俺の事をジッと見つめていた。
「……そりゃ、俺は父さんや母さん、兄さん達の事は大事な家族だと思ってるよ。まあ、父さん達が、こんな前世の記憶を持っている俺を子供として認めてくれるならの話だけど」
「レイ。俺達は、レイが前世の記憶とやらを持っていたとしても、大事な家族だと思ってるよ。……それにな、レイが転生者ってのは勘づいていたんだよ。だって、ほらレイを見つける為に旅をしている時に聖国の聖竜様直々に救出されたと聞いて、もしかしてとは思っていたんだよ」
俺は、最初の言葉を聞いた時、既に嬉し涙を流し、最後の言葉を言いきった父さんに俺は強く抱き詰められた。その後に続くように、母さん、そして兄さん達も抱き着き、暫くの間その光景は続いた。
そして、一段落して部屋の中に置かれているソファに座った俺達は、これからの事を話し始めた。
「父さん達には、また離ればなれで悪いんだけど、俺少しの間、修行の旅に出かけようと思うんだ」
「それは、俺達は付いて行っちゃダメなのか?」
「着いてこない方がいいと思う。というより、父さん達は王都に居て欲しいんだ。邪信教の奴等は俺の様な転生者を狙って行動してるから、俺とは別々に居て欲しいんだ。でも、俺の家族と言う事でもしかしたら狙われ事があるかも知れないから、まだ比較的安全な王都に居て欲しいんだ」
「レイ君。レイ君は、また危険な所にいってしまうの?」
俺の言葉の後に、母さんが泣きそうな顔をしてそう言った。
「危険、では無いと思う。一応、修行の旅と言っても自分の領地に一度戻って、エルダ達と合流した後、シズクの故郷の方に行く予定なんだ」
「そう言えば、エルダちゃん達、最近見ないと思ってたら領地の方に行ってたのね」
「うん、あいつらも今後の事を考えて自分達で能力を上げてくれと頼んでいたんだ。……って、そう言えば、起きてからずっと思ってたんだけどクレナは何処に居るの?」
先程から、誰かが足りないなと思っていて、従魔の話をしだしてクレナの存在を思い出した。
「そう言えば、クレナちゃん数日前に白い服を着たお婆さんと、レイ君が前お客さんとして連れて来たアルフさんって言う人と何処かに行ったっきり戻ってこないのよ」
「白い服のお婆さん……って、聖竜様だよ。それ! って事は、クレナは聖竜様達と一緒に居るのかな? まあ、それなら、後で聞きに行くか」
まさかの、聖竜様と行動してる事を知った俺は、軽く驚いた。その後、少し雑談をし、クレナの事が気になった俺は、父さん達に「それじゃ、話の続きは家に帰ってから」と言って、クレナの魔力を探知魔法で探し、ヒットした場所へと向かった。
「……ってか、何でクレナ。俺の家に居るんだ?」
クレナの魔力は、何故か俺の与えられた家の場所にあった。
まだ、本調子ではありませんが、流石に長く休止していると、話の続きが書けなくなると思い。文字数少なめですが投稿します。