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第16話 【加護】


 俺は、グランさんの家に帰ってきて3人で書斎の中に入った。この部屋に入る時遮音の魔法を掛けていたので外に話し声が漏れる心配はない

 俺は、中のソファに座りリッドと対面するように座って話を始めた。


「それで、さっき話してくれなかったが俺の親はどうして、俺が生きてる事を知ったんだ?」


「ああ、これから話すことは俺もリゼから聞いた事だから詳しくはわからないが知っている事だけ話すな、まずリゼ達はレイが黒竜に飲み込まれた後この街に逃げて来たんだ…」


☆★☆


 冒険者になる前、俺はこの街の工房ギルドで色んな魔具機を作っていたんだ、元々俺にはそっち系のスキルがあったらしく工房ギルドでCランクまで登っていたんだ、8年前のあの日、ギルドで品を卸していると俺に客が来てると伝えられギルドの入り口に行くと、リゼ達が居たんだ


「どうしたんだ、リゼお前からこっちに来るなんて」


 俺とリゼは昔っから喧嘩ばかりして、俺が成人したと同時に村を出てこの街に来て以来ずっと顔を合わしていなかったんだ、そんな俺の前にリゼが息子とレイの父親、ゼンを連れて訪れたんだ、最初見た時は驚いたよ。


「兄さん、ちょっとの間お世話になってもいいかな…」


 リゼは小さな声でそう言ってきたもんだから、俺は取りあえず話を聞くためにギルドの中に案内し個室を借り、その中に入って話を聞くことにしたんだ


「リゼ、どうしたんだ?7年も離れていたのに、急に」


「実は…」


 そこで聞いたのは、俺の故郷でありレイの生まれた場所でもある。クルリット村が黒竜に襲われたことを聞いた。俺の父親と母親は運よくこっちの街に遊びに来ていた時だったから被害はなかった。そして、2人の息子は連れてきたが、最近母親が「リゼが3人目を授かったのよ~」と言っていた筈なのに赤ん坊が居ないことに気が付いた。俺がその事をリゼに聞くと


「…黒い竜に、飲み込まれて…」


「…そうか、それ以上は言うな取りあえず俺の家に来い、今のその服も寒いだろ」


「ありがとう、兄さん」


 その後、俺は一旦この場を離れギルドに卸す予定だった品を受け渡しもう一度個室に行きリゼ達を呼んで、俺の家に呼んだ、一応あの時は工房ギルドでもうすぐBランクの腕が有ったのもあり家もそれなりに大きな家を買っておいたので部屋数は足りた。服も途中、服屋により全員分の服を買った。

 夜、リゼの息子たちはあった時から元気が無く夕飯を食べた後直ぐに部屋に行った。そりゃ、悲しくもなるだろう自分達の弟が目の前で黒竜に食べられたんだから…


「それで、リゼこれからどうするんだ?村の方の被害は、さっきギルドで既に情報が回ってきて人間が住めるような地域じゃなくなっていると聞いたが」


「…ごめん、兄さん今はなにも考えたくないわ…少し1人になるわ」


「ああ、分かった。」


 リゼは、そう言って別室に行くと扉の向こう側から泣く音が聞こえた。俺の両親は、孫達に付き添いたいと言って部屋に行っていたので、今この場に居るのは俺とゼンだけだ


「ゼン、これからどうするんだ?」


「ああ、取りあえずこっちで仕事を見つけないと、義兄さんも俺達が居ると大変だと思うから…」


「そうか…なあ、ゼン赤ん坊の事女神イアラ様にお祈りしてみたらどうだ、言い伝えであるだろう。イアラ様は子を愛し、子を守る神だともしかしたらイアラ様のご加護で赤ん坊が生きてる可能性もある」


「イアラ様…そうですね。望みが有るのであれば試してみることも大事ですね。明日リゼと共に行ってこようと思います」


「…お前達だけじゃ、心配だ俺も付いて行こう」


「ありがとうございます。義兄さん」


「取りあえず、今日は寝とけリゼにも後から声をかけておく、父親のお前が2人の息子の所に居てやれ」


「はい」


 その後、ゼンは部屋を出て息子達の所へ行った。リゼは十分程で部屋に帰ってきて、ゼンに話した事を伝えリゼは息子達が居る部屋へと入って行った。


「はあ、咄嗟に言ってしまったが、大丈夫かな…どうか、イアラ様あいつらの息子にご加護を…」


 俺は、家の外に出て教会の方を向きお辞儀をしながらそう言った。

 次の日、朝からリゼ達と共に教会に行った。中に入り、女神様の銅像の前でリゼ達家族と俺、そして俺の両親は皆女神像へと向かって目を閉じ祈りをささげた。


「どうか、私達の息子【レイディア】が無事でありますように。女神イアラ様どうか、お願いします。」


 俺達が、そう言った瞬間目の前に強い光を感じ、目を開くと女神像が強く光り輝いていた。


「貴方達の子には、私の加護を付けてあります。」


 その言葉が聞こえると、女神像の光は消え、いつもの像に戻った。俺達は、今起こった事に呆然と立ち尽くしていた。


「兄さん、これは…」


「…ほら、女神様がリゼ達の息子に加護を付けていると言っていただろ、と言う事は何処かで生きているかもしれない、と言う事だ」


 俺が、そう言うと目の前で立ち尽くしていた。リゼ達は、祈りを聞いてくれた女神像へと向かってもう一度お祈りをした。

 その後、一旦俺の家へと帰り今後の事を考えた。


「私、冒険者に成ろうと思うわ兄さん」


「そうか、それなら俺も力を貸そう。俺は、これでもこの街で成功している武器屋だ装備は俺がどうにかしてやろう」


「ありがとう、兄さん」


「でも、息子達はどうするんだ?まだ、4歳と6歳だろ?」


「…この子達は学園に通わせようと思う」


「金はどうするんだ?入学金だけで銀貨が取られるんだぞ?」


「貯金はしてある。この街のギルドに預けている金が丁度学園に通わせれる位はある。その後の金は冒険者になって稼ぐことにする」


 ゼンは、そう言って自分の冒険者カードを出した。そこには、たしかに2人分の学園費用は入っていた。

 その後、ゼンは息子達をつれ実家であるこの街の領主家に行って、玄関を入った瞬間親父さんに殴り飛ばされていたがその後、話をして息子達を預け、俺達は冒険者になった。

 それからは、色々とあった。まずは、探すには移動できる範囲を広げるためにランク上げをした。この街のランク上げは外に出ずに街の中にある【迷宮(ダンジョン)】に行き、素材を手に入れギルドに納品することでランクを上げ、資金も溜めて行き、マグラット領を中心にしてあちこちへと旅を始めた。

 俺は、この街に残り武器や防具の整備、もし息子がこの街に来た時の面倒係として残っていた。


☆★☆


「女神様が、加護を…」


「リッド、それ私初めて聞いたのだけれど?」


「ああ、グランに言うのは普通に忘れていただけ、あの時は色々と忙しかったからな」


「…まあ、良いよ。今、こうして探していたレイ君が居るんだからね」


「ああ、そうだな…それで、レイ俺も質問したいことがあるんだが良いか?」


「なんだ、リッド?」


「レイはどうやって、この8年間生きて来たんだ?」


(これまた、直球な質問ですな…まあ、もういいかな加護が付いてるって女神様が言ってるならそれを使って良い言い訳を考えれば納得してもらえるだろう)


 俺を見てくるリッドとその話を一番聞きたがっていたグランさんが俺の方をジッと見てきた。

名付けのセンスが全くない作者…

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