第152話 【第2部試合へ】
会場に着き俺達は試合が見えやすい位置に陣取り俺以外の皆は玉で試合を見て、俺は肉眼で見ていた。第2部の試合内容は2グループの生徒を1対1で戦わせ第3部へと移る生徒を決める。そして最後の5試合目が終わると第3部へ行く生徒16人中15人が決まり最後の1枠を負けた生徒15人で1試合目にやった感じの試合をし全16名を決める。
「いや、何でそんな面倒なやり方なんだよ。最初から4の倍数になる様に調整しておけよ…」
俺はこの試合のやり方を聞き小声で呟いた。この試合形式を考えた奴は考えずに大会を作ったとかなんだろうな…俺はそんな事を思いながら試合を見ていた。
第2部の試合1年生が全試合終わるとマールは控室の方へと移動した。マールが移動した後、2試合ありマールが出る3試合目が始まった。
「それでは、次の試合は2年魔法科5.6グループの生徒の試合です。試合する生徒は先にこちら側で選ばれていますので上空の玉に試合する順番と名前が書いてありますのでそちらを確認の上試合を観戦してください。5.6グループ1試合目はマール・マグラット選手対リブロ・ブレース選手の試合になります」
「おお、1試合目からマールの試合だな」
「そうだね。でも、相手の子さっきの第1部の時結構動きも良かったからマール大丈夫かな…」
ディーの心配は試合が始まって直ぐに当たってしまう。リブロと言う選手は魔法使いなのだが俺みたいに剣も使うタイプ、簡単に言えば『魔法剣士』タイプでマールの様に完全魔法使いタイプにとってやり辛い相手であった。
「リブロ選手、得意の敏捷強化魔法でマール選手の魔法を避けています。対するマール選手はリブロ選手の動きについていけてない様です」
司会の実況通りマールは相手選手の動きに翻弄され魔法が当てれていない。相手選手は逆にマールに魔法を撃ってこないのを見るとマールの魔力切れを狙っている様だ。
「う~ん、これはマールも嫌な相手と当たったね。タイプ的にも相性が悪いし」
「そうですかね?マールちゃん、何か考えているみたいですよ?」
ディーの言葉にシフォンがそう返すと俺達はマールの方を観察するとマールは何か口元で何か言ってるみたいだった。
「こっからだと、何言ってるのか分からないな。ディー兄妹なんだから何か分からないか?」
「いや、レイ兄弟だからって何でも分かるんじゃないよ? でも、あの顔のマールは多分相当イライラしてるんだと思うよ。偶にしか怒らないマールでもキレるとちょっと怖いからあまり見た事ないけどレイもこの間見たでしょ?」
「ああ…う~ん、何考えてんだろうな」
そう俺達がマールの行動を見ていると突然マールがリブロに向けて構えていた杖を地面に突き刺すとマールは何かの魔法の詠唱を始めた。リブロの方は何かヤバいと感じマールへと接近するが先にマールの詠唱が完了した様でマールは手と手をバンッと叩き合わせると四方八方に光線が飛び散った。マールは魔力を少し残しその魔法を使った結果リブロは気絶して地面に倒れていた。
「…うわ、やっぱり相当イラついてたみたい」
「そうだな、魔力切れになる前に持っている魔力を0になるギリギリまで放出したみたいだ」
「マールちゃんの怒ってる姿初めて見ました…」
とディー、俺、ラティナちゃんの順にそう言った。視界の人もまさかマールがあんな魔法を使うとは思っていなかったようで数秒間司会の声が途切れた。その間、係の人がリブロ選手を担架に乗せ転移しマールも又自力で転移をして会場には誰も居なくなった。
「え、えっとリブロ選手気絶によりマール選手の勝利です。お疲れさまでした。それでは2試合目の選手の方達は入場してください」
司会の人は少し驚きながら次の試合のアナウンスをしていた。俺達はマールが帰ってきたらお祝いの言葉+イライラを落ち着かせるためにどうしようかと考え始めた。
すみません、レイ君の言う通り後先考えずに大会を考えた結果です。ごちゃごちゃとした感じになりましたが何とか大会編は終わらせてみます。