第149話 【神の結界】
王様達の所に連れて来られた俺は王様達の目の前に降ろされた。学園長に俺の脇を持って持ってこられたので少し脇が痛かった。
「あの、俺なんで連れて来られたんですか?」
「私が呼んだのよ。ちょっと、こっちに来てちょうだい。学園長もこっちに来て頂戴」
王妃様から俺と学園長が近くに来いと言われたので近づくと王妃様が「それじゃ、学園長移動お願い」と言うと一瞬で背景が変わり学園長室に移動した。学園長室にはアルフさんがソファに座っていた。
「やあ、レイ君連れて来られたんだね」
「アルフさんもですか? あの、王妃様何で俺達連れて来られたんですか?」
「その理由、話すのはちょっと待ってね。次の場所に移動するから」
王妃様は俺達にそう言うと、又背景が変わり今度は前に王妃様に連れて来られた部屋に移動した。
「ふう、ここなら誰からも聞かれずに話ができるわ」
「話ですか、何かあったんですか?」
「…ああ、それ俺から話そう。レイ君、レイ君は俺が何処から来てるか知ってるよね?」
「アルフさんは確か聖国ですよね? それも聖竜の遊び相手と結構重要なのか分からない役職の」
「うん、あってるよ。でも1つだけ言わせて俺の役職大事な物だからね!」
アルフさんの役職を少し笑いながら言うとアルフさんから指摘された。その後アルフさんから聞いた話に俺は驚いてしまった。
「聖国に邪竜が攻めに…聖国は大丈夫だったんですか?」
「うん、こっちに聖職者の人の集まりだからね邪竜にとっては天敵の集団だから被害はほぼ無かったんだけど流石に邪竜が成体3体に幼体2体も来たから知らせに来たんだ」
「そうだったんですか、でもおかしいですね。邪神慣例の事が近くで起きたら女神様が教えてくれるって言ったはずなんですが…」
「そうなのか? レイ君、もしかしたら女神様達に何かあったかもしれない」
俺はアルフさんからそう言われ王妃様達に「すみません、ちょっと女神様の所に行ってきます」と言ってイアラ様から緊急時にこちらに来れるようにしておきましょうと教えて貰った祈りの言葉をイアラ様の持ち運び用の像を出して祈り俺は王妃様の部屋から意識が消え女神様の部屋へと移動した。
「イアラ様!」
「レイ君? どうしたの、そんなに焦った様子で」
イアラ様の部屋に意識が着いた俺は直ぐにイアラ様と呼び花に水やりをしていたイアラ様はこちらを見て驚いていた。
「緊急用の祈りで来たみたいだけど、何かあったの?」
「あのイアラ様、邪神関係の事があったら直ぐに報告すると言ってたの覚えてますか?」
「ええ、邪神側が動いたらすぐにレイ君に知らせるって約束でしょ。覚えてるわよ?」
「今回、聖国に邪竜が5体現れたみたいなのですがイアラ様からその報告が無かったので心配になり緊急用で来たんです」
「聖国に邪竜が?!」
イアラ様は俺の報告を聞いて驚き持っていた水が入ったジョウロを落としてしまった。
「…おかしいわ、あそこにはハクちゃんも居るからレイ君の場所とハクちゃんの場所は常に警戒してたはず…」
イアラ様は直ぐに落としたジョウロを空間にしまうと何かに集中し始めた。すると、イアラ様は「やられた。私の結界、偽装させられていたわ」と怒りを出しそう言ったイアラ様は魔力を使い何かをした。
「ごめんね。レイ君、私の結界邪神側から偽装工作させられていたみたいだわ、まさか神の私の力を偽装してくるなんてとんでもない力を持ってる子をあの子が作ったみたいだわ」
「そうだったんですか、ですが今回の報告早めに出来て良かったです。気付くのが遅かったら大変な事になってました」
「そうね。ありがとう、レイ君これからはもう少し結界の強化してくるからレイ君はもう戻りなさい。後の事はこっちでやっとくから」
「はい、お願いします。イアラ様」
俺が言い終わると意識が遠のき王妃様の部屋に戻って来た。
「どうだった?」
「はい、どうやら女神様の結界に偽装してた人が居た見たいですか」
「神の結界に? それまたとんでもないのが現れたね」
「そうですね。一応、結界の強化をイアラ様が今してくれているので次の襲撃の時は直ぐに分かると思います」
でもまさかイアラ様の結界に偽装してくるのが居たとは、確か前にイアラ様から聞いた話で破壊神は破壊する事は出来ても作る事は出来ないと言ってたから、今回の偽装は邪信教の教徒の仕業だろう。
「まあ、報告会はこれで終わりにしましょうか」
「そう言えば、何でこのメンバーが集められたんですか?」
「まあ、一応は知り合いの転生者を集めたって感じかしら? 後はヤマトも誘いたかったけどあの人はレイ君達の両親に捕まってたから後で報告しとくわ」
そう言って王妃様はスキルを解除し元の学園長室に戻り、次にアルフさん以外の王妃様、学園長、俺は学園長の転移で体育館に戻って来た。というか、もう学園長のスキル見てて俺も転移魔法覚えようかなと思い今度イアラ様の所に行った時自分のステータス確認しようと考えた。
戻ってきた俺は王妃様から解放されディー達の所に戻ろうとシフォンも誘い合流する事にした。