第148話 【なんか嫌な予感が…】
その後の大会も順調に進み、俺達のいつものメンバー全員は誰も負けることなく第2試合に通過することが出来た。第2試合が始まる前に30分の休憩タイムがあり、その時自分達の親の所へ挨拶に行くとディー達に聞き体育館に戻り親を探した。「レイ~こっちよ~」と俺が体育館に戻って来て両親を探していると母さんの方が俺を先に見つけ呼んでくれた。
母さんの方を見ると父さんとグランさんとリザーラさんが居た。俺とディーとマールは同じ所に両親が固まっていたので皆で行く事にした。
「レイ君、試合見てたけど凄かったね。また、魔法の腕上げたんじゃない?」
「そうですかね? まあ、練習はいつもしてますよ。それにしてもグランさんの会うの久しぶりですね」
「そうだね。こっちは色々と仕事があるから大変なんだよね。今の一番忙しい原因は魔物の生息域なんだけどね…」
グランさんは少し愚痴気味にそう言うとリザーラさんから「貴方、今日は楽しい日なんですから仕事は忘れても良いでしょう」と少し怒られグランさんはシュンッとなって落ち込んでいた。
「あれ? そう言えば兄さん達は来てないの?」
「レック達は3年だから今年が最後だから今も練習してるんだろう。それより、レイ邪竜の時よりも身体強化のレベル上がってるだろ?今度身体強化だけの試合やろうな」
「貴方? そんな事はしなくていいから、仕事がまだ終わってないでしょう。今日はレイ君達の大事な大会だから休みにしてるだけよ?」
「はい、リゼ…」
今度は父さんが母さんに咎められ落ち込んでいた。俺とディーはそれを見て「尻にだけは引かれたくないな」と小声で話していると母さん達から「「レイ君」「ディー」も父さんみたくならないようにね?」と言われた。俺とディーは母さん達に「あはは…はい」しか言えなかった。
「お~い、レイ君~」
「んっ? おお、シズク、ジンさんと会えたんだな」
「うん、御爺様体育館に居ないと思ったら会場の方で見てたみたいで探すのにちょっと時間かかちゃった」
「すまんの、近くで見たかったんじゃ。レイ君儂の教えた事は役に立てたみたいで良かったよ」
「はい、ジンさんのおかげで身体強化の効果も上がり上手く敵の攻撃を避けることが出来ました」
「それなら、良かったよ。しかし、あの目くらましの時は流石に油断しすぎじゃよ。相手が完全に気絶してるか確かめるのも優先するのじゃが、何事も気配を察知していればあの魔法を発動していることも分かるじゃろうし。今後は察知能力の強化じゃの」
とジンさんからの駄目だし+の今後の稽古内容を言い渡された俺は「はい、頑張ります」と言った。ジンさんはそれから俺の両親に挨拶をし両親とグランさん達はジンさんと色々と話したい様子だったので子供の俺達はその場から離れて行った。
「さてと、両親にも顔合わせしたし。これからどうする?」
「そうだね。クリスとシフォン様と合流してから考えようか」
ディーとそうやり取りした後、先にクリスを探すことにした。クリスは体育館二階の端の方で黒服を着た男性と話しをしていた。多分親だろうなと思いクリスの所へと近づいて行った。
「クリス、どうやら友達が向かうに来てくれたみたいだよ」
「あっ、レイ君もう両親とは話してきたの?」
「ああ、もう会って来たよ。えっと、クリスの父親でしょうか? 初めまして、レイディア・マグラットです」
俺がそう自己紹介した後シズクも自己紹介して、ディーとマールも自己紹介をした。
「皆良い子達の様だね。どうも、僕はクリスの父親のグリフ・ファノリスだよ。クリスと仲良くしてくれてありがとうね」
クリスの父親は、優しそうな雰囲気でそう俺達に自己紹介してくれた。クリスは「それじゃ、父さん俺もレイ達について行くから」と言って俺達の所へと来た。俺は「良かったのか?」と聞くと「いいって、家でいつも話してるし」と言った。さて、後はシフォンだけだな思い皆で探していると一か所だけ警備の人が数人居る所があるなと思ったら学園長と王様と王妃様とシフォンが居た。俺はそれを見て「近づかない方がいいかな」と思い、皆にシフォンが忙しそうだから離れて待っておこうと言って遠ざかろうと後ろを振り向きある事をすると肩を掴まれた。俺は後ろを振り向くと学園長がニッコリと笑って俺を持ち上げて皆に「レイディア君ちょっと借りるね」と言って王様達の所へ持って行かれた。




