第147話 【通過】
もう少しで3人チームの奴等が俺の所に着くみたいだな、感知魔法で調べると1人が残り2人に強化魔法を使い先に行かせている様子だな、そして先行している2人が魔法を展開し放つ準備は出来てる様子だった。
「まあ、そっちが準備万端な様にこっちも準備は出来てるんから早く来てくれよ」
俺はさっきの様に目への強化魔法は止め探知魔法を使う事にしている。これで目への攻撃を食らっても人並みで済むだろう。そして俺は予め魔法が来るのを知っているので無属性で俺の正面に分厚い無属性の壁を作っておいた。
「さて、御三方が着いたようだな…」
「【ファイアランス】」
「【ブラスト】」
着いた瞬間1人の生徒がファイアランスを放つともう1人の生徒が風魔法でファイアランスの威力を上げ俺へと攻撃して来た。しかし結果は俺の魔障壁で完全に防がれた。
防がれたことに驚いた2人だったが想定していたのかすぐさま後方に戻りチームと固まった。
「う~ん、連携的には上手いなもしかして偶然元々のチームが一緒になったのか?それならちょっと厳しいかもな」
そう言っている内にもチームは少し離れた所でもう一度魔法を完成させ次は左に2人右に1人と別れた。俺は両方に警戒しようとしたが1人の方を先に潰そうと考えその場から上空へと高く飛び右方向に走っていた1人の生徒目掛けて急降下し頭上から相手へと無属性で作ったボール放った。
「うわッ!」
「…1人撃沈、残り2人ッと」
俺の攻撃をゼロ距離で当たった生徒はそのまま気絶した。ここで魔石を取るのは油断にも程があると思いすぐ残り2人を探知魔法で探ろうとすると、2人は既に俺の真後ろに居り二人共がファイアランスを俺目掛け飛ばした。
「ッ!」
俺は強化魔法を全身できなく足だけに集中させ一瞬にして魔法から逃げた。ある程度距離が取れた俺は双剣に魔力を纏わせ強化魔法を全身に戻し2人の所へと走り、魔法を完成させる前に双剣で2人を気絶させた。
「ふぅ~、流石に3人同時は油断できなかったな、それに3人共が連携上手いし詠唱無しで魔法バンバン打って来るもんな学園生徒は詠唱破棄が当たり前なのかな?」
俺は気絶した3人の服に付いている魔石を取った所で司会の人の声が会場に流れた。
「え~、現時点で高等部1年魔法科1グループの試合が終了しました。1位通過者Sクラス、レイディア・マグラット君、2位通過者Aクラス、サナ・ラウントリーさん3位通過者Aクラス、ラリル・ポッド君です。皆さまお疲れ様です。」
司会の人の声が聞こえ終わると転移魔法が発動しゲート前に戻された。そこには、俺以外に男女が1人ずつ俺と同じように転移させられていた。この2人が通過者だろうなと思いながら係の人が「それでは、終わった選手の方は体育館か観客席の方へ移動してください」と言われたので俺はマールとラナティちゃんが居る所へと戻った。
「レイ君、お疲れ様~」
「レイディア先輩、お疲れ様です」
「おう、2人ともありがとう。どうだった、俺の戦い?」
俺がそう聞くと2人の意見はちょっと異なっていた。ラナティちゃんは俺の戦いを見て「魔法の使い方や体の動かし方、全てが凄かったです」と言ってくれたのだが、マールは「レイ君無双し過ぎ、他の生徒が可哀そうだった」と言われた。
あれでも、本気は出してないのだけどと言い訳しようとしたら「邪竜殺せるレイ君からしたら手加減したつもりでも、他の生徒からしたらレイ怖かったと思うよ。というか、結局全員剣で気絶させてたし」と言われ、自分には力加減も駄目なのかなと少し落ち込んだ。
「でも、もういいや。第2第3試合は手加減するつもりも無いし」
「えっ?そうなの、レイ君が手加減しなかったら学園崩壊するんじゃない?」
「マールちゃん、流石にそこまでしないよ?」
そんな事を言っている内に2グループ目の試合が始まったので試合を見ることにした。