第144話 【マールの友達】
マールの試合も色々と凄かった。初等部の最高学年と言う事もあり今迄の初等部とは一風変わり魔法の凄さが分かっていた。その中でも、以前まで魔法が得意ではなかったマールも俺が教えた光線を独自に進化させ威力を増し複数の光線を一斉射出していた。
「俺が教えた魔法あんなに使ってくれるのは結構嬉しいな」
「そうだね。レイが教えてくれたおかげでマールは毎日欠かさず魔法練習を続けていたからね」
「そうなのか、それは嬉しいな。ディーにも魔法何か教えようか?」
「うん、僕も何か今度教えて欲しいな。それより今はマールの試合を見ようか」
ディーに言われ俺は「そうだな」と言って話を切り試合を見ることにした。丁度マールが5人目の生徒を倒したところで他生徒が3人手を組んでマールのもとへと来た。
「なあ、アレって良いのか?」
「別にルールには悪いとは書かれて無いよ。それに、Sクラスの生徒とDクラスの生徒やCクラスの生徒からだと1対1では勝ち目ないからね。一応チームの人数制限は、勝ち上がる時の人数の3人までなら良いんだよ」
「成程ね。まあ、マールなら大丈夫か」
俺がそう言ったようにマールは3人の生徒に囲まれたが光線を三本に分け一瞬にして生徒を気絶させた。ちゃんと威力の調整も出来ている様で教えた俺より上手く使いこなせている。教えた側としては何よりも嬉しい事だなと感動しているといつの間にか試合が終わっていた。トップはSクラスの男子で次にマール3位はAクラスの女の子だった。
「ふぅ~、やっぱ試合は直で見た方が迫力あって面白かったな」
「うん、レイしか肉眼で見て無かったよ。僕達は上の玉で見てたからね」
ディーからそう言われ「あれ、そうなの?」と皆に聞くと「レイ君みたいなに魔力を使いたい放題でやってたら試合に響くし」と言われ、成程と納得し俺達はどうせ自分達の試合ももう直ぐなのでこのままここで見ることにした。俺達が次の試合の観戦していると後ろからマールが友達と一緒に見に来た。
「マール凄かったな。俺よりあの魔法上手く使いこなせてたよ」
「えへへ、だって私ずっと練習してたんだよ。初めての魔法だしね。あっ、皆に紹介するよ私と同じクラスの友達のラナティちゃんだよ」
「初めまして、ラナティ・メルノーです。先輩方よろしくお願いします」
マールが紹介した友達から礼儀正しくそう挨拶されたので俺達も挨拶を返した。1人1人自己紹介をして最後に俺が自己紹介する事になった。ラナティちゃんとマールは俺達の席の前に座り、次の試合が始まった。
「そう言えば、ラナティちゃんの方は試合には出て無かったようだけど良かったの?」
「はい、私一応クラスはSなのですが魔力量が皆より少し低く戦闘向きではないんです」
「そうなのか…ちょっと、見せて貰っても良い?」
「えっ?見せてとはどういうことですか?」
俺が突然見せてと言い、何を見せるのか困惑したラナティちゃんに俺は「鑑定でラナティちゃんの魔力量を見てもいいかな?」と質問の言葉を変え伝えると「鑑定魔法も使えるんですね。はい、良いですよ」と許可が下りたので俺はラナティちゃんの魔力量を見ることにした。
✤
魔力:1447
魔力操作:3
✤
「あれ?そんな魔力が低いってわけじゃないぞ?操作レベルも3だし、普通の魔法使いより少し良い結果だぞ?」
「そうなのですか?ですが、私魔法を数発使うだけで魔力切れになってしまうんです」
「う~ん、あっラナティちゃんの得意な魔法って何かある?」
「得意ですか?いつもは水の魔法を使っています」
「水ね。あっ、属性の鑑定もいいかな?」
「はい」
俺は次に属性の鑑定をした。結果は【火・水・無】と出ていて、確かに水は使える素質はあるのだなと明確にしここから更に鑑定を使い得意属性不得意属性を割り出した。結果「火」が一番相性が良く水が一番相性が悪かった。
「成程ね。ラナティちゃん今後使う魔法は水じゃなくて火に変えるといいよ。今までより少し打てる数が増えると思うから、それに慣れて魔力を増やした後水魔法を使う様にしてみるといいよ」
「あの、私が得意と思ってた水魔法が一番相性が悪かったんですか?私の今迄の事って無駄だったんですか…」
「そう言う言い方もできるけど、今迄その相性が悪かったのを使ったおかげで魔力もここまで上がって来たんだと思うよ。多分今まで何回も魔力切れになった事あるだろ?」
「はい、直ぐに魔力切れになって両親に心配かけてきました」
「その魔力切れのおかげで魔力量が上がって来たんだと思えば今迄の努力は無駄にならないよ」
俺がそう言い切ると「ありがとうございます。レイディア先輩、今後火魔法を使い来年の学園大会に出場してみます」とラナティちゃんが言うと横で聞いていたマールが「来年、相手になった時は全力で行くよ」と張り切っていた。又俺の隣で聞いていたディーは「後で、僕の得意属性も教えてくれないか」と言ってきたがディーには悪いが初めて会った山の時グランさん以外(グランさんにも掛けたのだが強力なな偽装で跳ね返された)鑑定した時に調べ上げていた。なので俺はディーに「安心して、ディーの得意な魔法は水だよ」と教えるとディーは少し喜んでいた。