第143話 【注目の兄妹】
学園大会は初戦から結構盛り上がりを見せ、次の魔法科2年では2つの属性の同時展開をした生徒が十数人1人で倒したりと盛り上がっていた。そんな中2年魔法科第5試合が始まった時、1人の生徒4つの属性を使いこなし他生徒を一瞬に蹴散らし誰よりも目立っていた。
使っている魔法からして【火・風・水・無】と言った感じで遠距離を火と水で中距離を風で近距離を無属性と使い分けて他生徒を倒して行っていた。普通、4つの属性を同時に使うのでさえ難しいと言われているのだがこの生徒は上手く使い分けていた。そして、ここが一番驚きを見せたのが何とこの生徒一番クラスとして下から2番目のCクラスの生徒だった。
「なあ、ディーああいう生徒って結構いるのか?」
「居たらあんなにあの生徒に倒されてるわけないだろ。あの生徒が特別なんだよ。というかあんなに魔法が得意なのに何故Cクラスなのかが僕は疑問に思うよ」
確かに俺もそこは「何故Cクラスなんだ?」と疑問に思った。一応この生徒の名前は確かさっき司会の人が『ランス・リンダスト』と言っていたな、俺はこの名前を覚えておくことにした。そして、2年魔法科の試合が終わり剣士科に映った時、また凄い生徒が現れた。
「何だあの動き」
「す、凄いね。あんな剣の使い方で倒せるんだ」
「あの子、女の子なのに誰も近づけて無いよ」
2年剣士科第7試合目が始まり生徒同士が戦闘を始めた時だった。1人の女の子が普通の片手剣より少し細い剣を使い、生徒同士戦闘してる中に入り2人同時に一瞬に倒していた。見た感じ魔法は強化魔法と剣に無属性の魔力を纏わせていた。纏わせている魔力で中距離から斬撃を飛ばしたりとしていた。
「凄い、凄いです。剣士科Bクラス、ルシル・リンダスト選手一気に5人も生徒を倒しました。それと名前で気づいた方も居るでしょうがこの子は先程の魔法科で一番目立って居ましたランス・リンダスト選手の双子の妹です。兄妹揃って凄いです!」
司会の人も結構熱くなってきてるみたいだ。しかし、さっきの生徒の双子とは、まあ言われてみれば顔付きが似てるなと思った。ふむ、これは兄妹で覚えておこうと俺は思いなおした。
「しかし、まあ王都には子供でも凄い奴は居るんだなマグラットに居た時は冒険者に子供は余り見かけなかったから正直驚いてるよ」
「まあ、まずマグラット領に居る子供は殆どが家業の手伝いをしてたりするからね。それに子供で冒険者をしてるのは身寄りのない子か稀に自分の腕を試してみたい子供くらいだよ」
「そういや、シズクも何だかんだ言って家出してきたから冒険者やってたみたいなもんだもんな」
「レ、レイ君!それは言わないでよ。それにあの後家に帰った後両親と話して御爺様と一緒なら冒険者続けても良いって事になってるんだから」
シズクはまさか話題が振られるとは思わず驚きながらそう答えた。まあ、確かに両親と和解できたのは良い事だなと思いつつ早くシズクの国に行ってみたいなと思った。まあ、その前に従魔達と一回会いに行かないと行けないな、それに魔王の件や邪神の件もどうにかしない行けないなと考え込んでいるとディー達から「どうしたんだ?」と心配されたので俺は「いや、ちょっと考え事だよ」と言って試合の観戦に戻った。
試合は進み、次の試合がマールの試合となった時俺達は体育館から移動して試合会場の観客席の所へと移っていた。ここの会場にも体育館にあった白い玉で見えるようにもなっていたが俺のは視力を強化して肉眼で見ることにした。マールは俺達の魔力に気づき俺達の方へ手を振っていたので俺達も手を振り返した。そして、手を振り終わった後司会の人の声が響き「試合初め!」となった瞬間色んな所で魔法が展開され始めた。




