第141話 【ド派手に決めた】
学園長に呼ばれた俺はディー達と別れた後直ぐに学園長室に向かった。行く途中シズク達と会い「何処に行ってるんですか?」と俺がグラウンドとは反対方向に行ってるのに疑問に思ったシズクが聞いてきたので俺は「ちょっと、学園長に呼ばれてるみたいだから後で合流しよう」と言って学園長室に向かった。学園長室に着いた俺はノックをし中から返事が返って来るのを待って中に入った。
「失礼します。学園長、何の用事で呼び出したんですか?」
「ええ、ちょっと困った事になったの今日の学園大会の開会式の途中で盛り上げる為に魔法使いの人に花火みたいなのを頼んでたのよ。でも、王都に来る前に魔物に襲われちゃって魔法使いの人が怪我しちゃって来れなくなっちゃったのよ。そこで、派手な魔法の人を考えたらレイ君を思いついたの」
「成程、いいですよ。丁度今日の朝に完成しためっちゃカッコイイ派手な魔法作ったのでそれをします」
「ほんと、ありがとうレイ君!それじゃ、レイ君悪いんだけど開会式の間だけ裏方の方に居てくれる?私がレイ君を呼んだら前に出て来て魔法を披露する感じで」
「分かりました」
俺と学園長はその後一緒に学園長室から出て行きグラウンドへと向かった。グラウンドには特設のステージの前に大勢の生徒が立ち並んでいた。俺は学園長と共に裏から特設ステージの裏方に入り、先に学園長がステージの方に出て行った。
「う~ん、学園長の頼みだったから直ぐ受けたけど実際あの魔法って迫力あり過ぎてヤバいんじゃないかな?」
俺はそんな事を思い出し、やっぱ受けるの止めとけばよかったなと思いつつも受けてしまったものはしょうがないと思いド派手に決めてやろうと決めた。
俺が決心した頃、ステージの方では学園長の開会の言葉が終わっていた。
「それでは、今日の学園大会を最初に盛り上げてくれるのは邪竜を倒し一躍英雄となったレイディア・マグラット君による魔法披露です!」
学園長がマイクの様な魔具で俺の名前を呼ぶと会場が少しザワザワとした感じになった。俺はそんな中裏からステージに出て行き一礼をした。
「それでは、レイディア君よろしくお願いします」
「はい」
俺は学園長からの合図が出たので魔力を練り始めた。まず最初に火の弾と水の弾を作り出し上空へと上げて行った。生徒、来賓の方々は俺が出した魔法の方を見て「何が起きるんだろうと」という顔をした。俺はそれを見て、次に光魔法を使い朝作ったように光り輝く紅い目と蒼い目をしたドラゴンへと変えた。
「うわぁ!」
「す、凄い」
会場は一気に慌ただしくなり一部は俺のドラゴンを見て驚き、一部は俺の魔法を見て綺麗だと思い眺めていた。
「レイディア君、流石にやり過ぎ…」
「えっ?学園長まだ終わってませんよ」
「えっ?」
俺は学園長にそう言うとドラゴンの口をガッと開け無魔法での周りへと圧を飛ばし学園上空に光の光線を飛ばした。光線が消えると俺はドラゴンを上空に飛ばせ無魔法で3つの属性を圧縮し軽い爆発(結果光の魔法が強く花火みたいな感じに出来た)を起こし俺の魔法は終わった。
「これで、終わりです」
「そ、そう。ありがとう、レイディア君でもね少しやり過ぎだよ。周りを見てみて」
学園長がそう言ったので俺は周りを見ると生徒は勿論の来賓の方々まで口をポカーンと開けていた。俺は内心「ああ、自重しようと思った日にまたやってしまったと」少し反省するといきなり会場からグワーと歓声が上がった。
「学園長どうやら成功みたいですよ」
「そうね。」
学園長はそう言うと「これで、開会式は終わりです。大会選手の人達は場所の移動がありますので指示に従ってください」と言って俺を連れて裏方へ行った。裏に行った俺は学園長から次はここに向かうのよと言われ、その場所へと向かった。行く途中ディー達と合流し「さっきの凄かったよ」と言われ、又ディーからは「大会前に魔力使いすぎだろ」と怒られたりして大会は始まりを迎えた。




