第139話 【楽しみ過ぎて】
そして次の日、俺はいつもより早く起きてしまった。昨日も楽しみ過ぎて眠るのが少し遅かったのにこんな早く起きるとは、前の世界でもよく遠足前とかこうだったなと思い出したりした。俺は起き上がりベットから出ると寝間着から学生服に着替えた。今日の学園大会では制服のまま戦うのではなく学校から大会出場者に支給される服があるのだがそれは大会が始まって更衣室で着替えるみたいだ。
「さてと、今日の朝食はラニアに昨日任せると言ったし、何してようかな…うん、やっぱり最後にちょっとだけ魔法の練習をしておこう」
俺は部屋を出て階段を降り地下に向かおうとした所でふと思ったのが「そう言えば、見た目重視の魔法今回は事前に作っておこう」と思いつき俺は地下に行くのを止め玄関から外に出て裏庭でやろうとも思ったが流石に皆がまだ寝てるから王都の外でやろうと決め1人で王都の外に行った。
「ふう、さてとまず何をどうするかから決めようかまず俺が使える属性が【火・水・光・無】の4つ、この中で派手と言えば火か光だよな…」
俺は自分の属性でどんなのを作ろう悩みながら取りあえず火を出してみた。
「う~ん、ってそう言えば俺前に魔法合成のスキル取ってたじゃん。それで何か作ってみようか、まあ最初は無難に【火+火】の魔法を合成してみよう」
火と火、まあこれで何かできたらいいなと思いやってみた結果、何もできなかった。まあ、失敗と思いやったからなと俺は次に【火+光】を試してみる事にした。すると合成した瞬間俺の手には光り輝く火が出た。
「えっと、何か出来たな見た感じ火に光属性の回復魔法が加わっている感じになってるな、名前を付けるなら【癒しの業火】とでも名付けてみよう。まあ、これを使うんなら普通に回復魔法を使った方が良いんだよな」
今の俺では属性が足りないと思い合成魔法を止めた。まあ、今後暇な時に組み合わせて何か出来たら試してみよう。
「さてと、んじゃまあ取りあえず火と水の球を作って…よし、大きなはこんな感じか、そしてその後から光属性で…」
俺は合成魔法を止めた後3つの属性で作り上げる合体魔法を作成し始めた。まあ、今回の魔法はただたんに目立つための物だから自分の持てる魔力でコーティングをきっちりとしより良い作品へと仕上げて行った。
「ガギャッ!」
「おっ、魔物も目覚める時間帯になって来たか、んじゃこいつの試し打ちさせてもらうぜ」
俺は出来上がった3つの属性の合体魔法を草叢から出て来たゴブリン5体に向け放った。魔法は俺が自在に操れるのを良い事に本物と同じ様に動かしながらゴブリンへと攻撃した。
「ガギャッ」
「ガャッ」
他のゴブリンより先に逃げようとした2体のゴブリンの叫び声以外は何も聞こえなかった。俺は余りにも良い出来栄えに少し自分を褒め、そろそろ帰宅しようと思いゴブリンの死骸をちゃんと回収して自宅へと戻った。
戻ってきた俺は既に台所で朝食を作っていたラニアに「ただいま」と言い、ここで料理を待つのもなと思いリビングに移動した。すると、既に起きて来ていたクレナとクリティと母さんがお茶を飲んでいた。
「あら、レイ君何処か行ってたの?」
「ちょっと早く起きたから魔法の練習に母さん達も結構早起きだね」
「大会に出るのは子供達って分かってるんだけど、こう自分までソワソワしちゃってね。レイ君も飲む?ラニアが淹れてくれたお茶」
「うん、飲むよ」
その後、俺は母さんからラニアが淹れてくれたお茶を飲みながら朝食が出来るのを母さん達と一緒に待つことにした。




