第136話 【リック兄さんの手伝い】
台所では先に夕飯の準備をしていたラニアから「レイ様、先に準備終わらせてますよ」と言われたので俺は台の上に乗っていたのはハンバーグの材料だった。俺はそれを見て「ありがとう、ラニア」と言って材料を切り出し作り始めた。
この世界に来てから料理も大分して来て料理スキルもある事で直ぐにハンバーグを作り終えることが出来た。この世界の調味料も大体分かって来て何が無いのかも把握して来た。まあ、無いと言っても代用できる用に料理スキルを取ったんだけどな、まだ行った事のない地域だったらもしかすると醤油もありそうな予感がする。俺はそんな事を考えながら出来上がったハンバーグとご飯、それとラニアが俺が来る前に作っていたスープを皿に人数分移し、それら全てを台に乗せた後俺はラニアに任せエプロンを外し先にリビングへと向かった。
「レイ、ちょっと来てくれないか?」
「んっ?どうしたの、リック兄さん」
俺がリビングに着くとテーブルに紙の束を乗せて難しい顔をしたリック兄さんが俺を呼んだ。俺はリック兄さんの所によると「隣に座ってちょっとこの紙見てくれ」と言われたので俺はその紙の内容を見た。
紙の内容は、ざっくりと説明すると新しい物を作る見たいな感じの事が書かれていた。
「これって、学園の?」
「うん、この間のアンケートで議題が上がったのが【新しい何かを始めよう】ってなってさ僕も結構知識は持ってる方だと思って色々と考えたんだけどいい案が思いつかなくてさ、レイだったらいつも何かしらやってるから面白い何か出しくれないかなって思って」
「面白い物と言っても、入学して教室と食堂と練習場に校長室にしか出入りしてないから余り学園の事に詳しくないよ?」
俺はこれまで入学して行ってきた場所をリック兄さんに言った。こう思えば俺って余り学園の中探索してないな、初等部の方には行く意味はないけどせめて高等部の方は何処に何があるか位把握しておかないとな…
「うん、最後のは可笑しいと思ったけどレイだったらこう何かしたい事って無いかな?」
「したいと言われても俺大抵の事は自分でやれるからな…」
「そうだよね。…う~ん、じゃあ設備的な何かで欲しい物とかある?」
「設備か…シャワー室って学園にあるの?」
「一応、寮の方に狭いペースだけどシャワー室があるけど寮生は自分の部屋にある風呂を使ってるし学園の生徒もそこまで寮に行かないから使われて無いな」
「それならな、場所自体が余っていたらの話なんだけどダンジョンの入口の近くにシャワー室が欲しいかな、風呂ってなると大人数入らせる為に大きな魔石が必要になるけどシャワー室なら小さな魔石でも使えるでしょ。それだけだったら学生だけが得になるからシャワー室用の魔石を売店で販売する事にすれば学園側もお金というよりポイントで支払うからポイントが溜まって良いと思うよ」
「おお!流石レイ、いいアイディアだよ。早速今度の会議で話し合ってみるよ」
「良かった。兄さんの力に慣れて、っともう直ぐ料理が来るからテーブル片付けないとラニアが困るよ」
「うん、分かったよ。ありがとん、レイ」
リック兄さんはそう言うとテーブルの上にあった紙の束を自分の学生バッグの中に入れそれと同時にラニアが入って来たので俺は皿を並べるのを手伝った。
その後、レック兄さんと父さんがまだ来てなかったので探しに行くとレック兄さんは地下室で素振りをしていて父さんはまだ風呂に入っていたので「ご飯できてるよ」と言って2人を連れてリビングに戻り家族全員揃ってから「いただきます」と言い食べ始めた。