表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
134/211

第134話 【勇者】


 シブセル様をイアラ様の部屋に連れて行った後、俺は直ぐにイアラ様の部屋から出て来て現実世界に戻って来た。そして、使っていた結界の有った部屋の鍵と練習場と地下室への鍵を閉めて家の1階に戻った俺は急いで実家の方に戻った。本当は今日、少し結界の有った部屋の中を覗いたらすぐに帰りジンさんとの稽古の時間を入れていたのだが、まさかあんな所で神様と会うとは思わなかったので約束の時間を過ぎようとしていたので俺は全力で戸締りを確認し実家に走って戻った。

 帰ってきた俺はリビングに行き母さんに「ただいま母さん、ジンさんまだ来てない?」と尋ねると「おかえりなさいレイ君、ええまだジンさんは来てないわよ」と帰って来たので俺は一安心し部屋の中に入り母さんと少し雑談する事にした。


「レイディア様、ジン様がお見えになりましたよ」


「あっ、分かった。ありがとうユニア」


 ジンさんの到着を教えてくれたユニアにそうお礼を言って玄関に向かい、玄関の外で待って居たジンさんに「どうぞ、入ってください」と言って中に入れ練習場の方へと向かった。

 練習場に入った俺とジンさんはまず軽く体を動かすために拳だけの模擬戦を行った。


「うん?レイ君少し動きが良くなったおるな」


「えっホントですか?って、もしかしたらそれって俺が加護を貰ったからかもしれません」


「加護?なんじゃ、レイ君新しい神様に会って加護を貰ったのか?」


「ええ、まあ話せば長くなる話なんですが少し前に【武神】の神様に会いまして加護を授けて貰ったんです」


 俺がそう言うとジンさんは少し驚き「レイ君は良く神様に会うのう」と加護を貰った事に驚いたんではなく俺が神様に出会う確率に驚いた様子だった。


「た、確かに言われてみれば俺って4人の神様に会って来てその人達全員の加護を授けて貰ってる今の現状って結構可笑しいですかね」


「う~ん、確かに4人の神様に会う時点で異質なんじゃろうがその上加護を授けて貰い使徒契約もしてるんじゃろ?儂これまで生きてきたがそんな人はあった事も見たことも無いぞ?」


「やっぱり、そうですかこの事は余り大っぴらに話さない方が良いですね」


「そうじゃの…あっ!じゃが、確か儂が知ってる勇者は3人の女神の加護を持っていると聞いた事が有るぞ」


 ゆう、しゃ?ああ、そう言えば転生する時にこの世界には勇者が居るってイアラ様が言ってたような…


「勇者って本当にいたんですね。というか、今まで勇者の存在忘れていたんですがその勇者って何処に居るんですか?」


「儂も勇者の事には余り詳しくないんじゃが、確か今は各地の温泉巡りをしてるらしいぞ」


「…仮にも勇者なのにしてる事が温泉巡りって、その勇者爺さんなんですか?」


「いや、歳はレイ君と一緒だった筈じゃ。生まれは別の大陸なんじゃがそっちに儂の知り合いが居ての時々こっちにそいつが来る時に勇者の事を聞いていたんじゃよ」


「あれ?勇者って俺と同い年なんですか、転生する時既に居たような…」


「勇者に関しては良く分からんの儂の知ってる限りじゃ5人は居るからのう」


「そんなに居るんですか?!」


 俺は勇者が複数人居る事に驚きジンさんとの模擬戦の手を止めてしまった。そんな俺の腹にジンさんの拳が入り俺は少し吹っ飛ぶことになった。


「だ、大丈夫かレイ君!」


「は、はい、すみませんちょっと驚き過ぎまして…それにしても勇者ってそんなに居るんですね」


「うむ、まあ儂が会った奴らは全員が何かしらの特別な能力という物は無かったが何となく輝くものがあったのう、それと勇者だからと言って転生者ではないからの」


「そうなんですか、う~ん俺も一度は会ってみたいですね勇者に」


 俺はそんな事を思いながらジンさんに「もう一度お願いします」と言って2度目の模擬戦を始めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ