第132話 【破壊前の神】
「あの、1つ聞いても良いですか?」
「な~に?」
「何で地下室のあんな閉ざされた部屋に銅像が置かれていたんですか?前の住人の人が残して行ったんですか?」
俺は何故あの家のあんな〝神の使徒しか入れない〟部屋の中に銅像を置いてあったのか疑問に思っていたのでシブセル様にそう聞いた。シブセル様は俺の問いに「う~」と少し唸る感じに考え出した。
「それが、僕もイマイチ分かっていないんだよね。僕ってさ結構昔の神様なんだけどさ魔法が浸透するにつれ僕みたいな武神だけど名が通っていない神は人々から忘れ去られていくんだけど偶々転生して来たばかりの子が僕と相性が良くて使徒契約を結んだんだけどある時から下界と連絡取れなくなってたんだよ」
「えっと、シブセル様ってその転生者以外に信仰していた方って居なかったんですか?」
「ま、まあそうだね。だから、転生者のあの子には結構感謝してるんだけど、逆に僕ってどんな感じに置かれていたんだい?」
「使徒の魔力で鍵先が現れる鍵で開けないと開かない部屋の奥にありましたよ」
「うっ、それってまさか結界が張ってあったんじゃないかな」
あ~、そうかも知れない。あの部屋の一角だけ少し魔力が感じたから結界であの部屋が守られていたのかも知れないな…
「でも、僕をそんな結界を張って何から守ろうとしたんだろうなあの子は…う~ん良く分からないな」
「あの、もしかしたらイアラ様とかだったら何か知ってるかもしれないので聞いてみます?」
「そうだね。イアラなら何か知ってるかも、それじゃ一旦レイディア君に私の魔力を乗せるからレイディア君は現実に戻ったらイアラの所に行ってくれたら僕も付いて行けるからよろしく」
「はい、分かりました」
シブセル様は俺に少し魔力を与えると部屋からおれを出した。俺は直ぐにいつもアイテムバッグの中に入れてある小型のイアラ様の像を取り出し部屋の中に置いてあるテーブルの上に置き像へ祈りイアラ様の部屋へと向かった。
「あら?どうしたの、レイ君」
「すみません、急にきてしまいちょっとお聞きしたい事がありまして…」
俺がそう言うと俺の横に魔力が集まって行くとそこにシブセル様が現れた。急に現れたシブセル様にイアラ様は驚き何故か涙を流した。
「シ、シブセル、貴女昔の…」
「えっ、えっ?ちょ、ちょっとどうしたのイアラ?!」
イアラ様の突然の号泣に対しシブセル様は初めてイアラ様が泣いてる姿を見たのか戸惑い焦っていた。現に俺自身こんなイアラ様を見るのは初めてで戸惑っていた。
イアラ様は少しの間泣いていると少し落ち着きを取り戻したのかハンカチを取り出し顔を拭いた。
「ご、ごめんね。ちょっと嬉しかったらつい号泣してしまったわ」
「そんなに僕と会いたかったのイアラは」
「…シブセル、貴女もしかして気付いていないの?」
「えっ?何が?」
イアラ様は驚いた顔でシブセル様を見てシブセルは「えっえっ何々?」と戸惑っていた。
「…シブセル、説明するよりこれを見た方が早いわ」
イアラ様はそう言うと前に俺にも見せた今の王都の風景をシブセル様に見せた。
「イアラ~、この街何処なの?」
「シブセル、ここは今の王都よ。やっぱり、貴女あの時の事件を知らないのね」
「ど、どういう事?!」
シブセル様は何と転生神様が暴れる前の世界の神様だったらしい。イアラ様は何も知らないシブセル様に対し転生神様が起こした事件の事を初めから終わりまで全部シブセル様に話をした。シブセル様はそれを聞くと「アルちゃんがそんな事を…」と落ち込んでいた。
「あの、女神様1つ良いですか?俺があの部屋の鍵を貰う時王妃様は前の住人は数年前の人と言ってたのですが、あの事件があったのは昔の話なんですよね?」
「そうね…ちょっとその事については私の方で調べておくわ、でも良かったわシブセルが昔のままで」
「う、うん僕からしたら何も変わってないから良く分からないけどイアラが喜んでくれるなら良かったよ」




