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第116話 【猫耳娘との出会い】


 ジンさんと風呂入った後、既に夕日を落ち暗くなってきていてジンさんは「日も落ちて来たし儂は帰るよ。また、明日稽古しに来るからの~」と言って帰って行った。


「ん~、疲れた。久しぶりにあんなに動いたな~」


「レイ様、ちょっとよろしいですか?」


「んっ?どうしたんだ、ラニア」


 俺がジンさんを見送って家に戻ってくると玄関を入ったところにラニアが待って居た。


「いえ、ちょっと大事な事なのでここでは、ちょっと…」


「そうか、なら俺の部屋に来るか」


「はい」


 俺達は玄関から俺の部屋に移動した。部屋に入って来た俺とラニアは部屋に置いてあるソファに座ってラニアの話を聞くことにした。


「それで、大事な話って何だ?」


「はい…実は今朝の事なのですが…」


★☆★


 私がいつも通りレイ様達の朝食を作っている時の事です。裏庭の方から何やら物音がするなと思い、玄関から回って裏庭に向かったのです。


「誰かいるのですか?」


「ッ!」


 私が裏庭に行き声をかけるとその者はビックリして「バタッ」と音を立てて転んだのです。私は、そこに居た者がなんなのか警戒しつつ近づくと…


「…えっと、貴女は誰ですか?」


 そこに居た者は、歳はレイ様達より少し上位の成人前の子供だったのです。


「す、すみませんッ!お、美味しい匂いがして…」


 女の子はそう行った後、腹を『ぐ~』と鳴らし顔を赤くしました。


「ふむ…ちょっとそこで待って居てください」


 私はその女の子を見ると着ている服は明らかにボロボロで人族とは異なる耳が頭に生えていて、首に奴隷用の首輪が無い事が分かり獣人のスラムの子だと分かったのです。

 この家はスラム街からは少し離れてはいますが、偶に目撃はされていましたので驚きはしませんでした。流石に弱っている女の子を見て何もしてあげれないのは、昔自分も味わった経験が有り、見過ごすことが出来ませんでしたので、料理に使わない物で温かいスープを作って持って行ったのです。


「ゆっくり、飲むんですよ。急に飲むと火傷しますから」


「は、はい。ありがとうございます」


 女の子は、スープを飲む前にお礼を言ってスープをちょびちょぴと味わいながら飲んでくれました。私はね落ち着いた女の子に何故ここに居るのかと聞いたのです。


「えっと、スラム街で争いがありまして巻き込まれないように逃げてたらここに…」


「なるほど、確かにこの間騒動がありましたね。」


 私は数日前に市場で食材の買い出しをしている時にお店のおばさん達から情報を聞いていたので「なるほど、それでここに逃げて来たのか」と合点が行きました。


「ふむ、それではスープを食べ終わったら送りますよ。1人では、ここから出て行く時少しキツイ目がありますので」


「あ、ありがとうございます」


 そして、私は女の子がスープを飲んだ後に私は女の子が住んで居るスラムまで送ったのですが、そこで1つ問題が起こっていたんです。


「ッ!」


「どうしました?」


「わ、私の家が…潰されてる」


 女の子がそう指を指して言ったので私はその方向を見ると板で作られていた家のような物が焼かれ炭になっていた。多分これは、数日前の騒動の時に流れ弾の魔法で焼かれたんだろうと私は直ぐに察しました。


「ど、どうしよう…」


★☆★


 ラニアがそこまで話し終わったところで俺は大体の事が分かった。


「うん、ラニア話は大体分かった。って事は、今日俺がずっと帰ってきて感じてた知らない魔力はその子の気配だったって事だろ」


「うッ、さ、流石レイ様です。家も家族も無い女の子を見なかったことに出来なかったので…」


「はぁ…取りあえず、その子はラニアの部屋に居るんだろ?まずは、その子とも話をしよう」


「ありがとうございます」


 俺達は1階にある俺の部屋から2階にあるラニアの個室に向かった。中に入るとそこには、ラニアが言っていたように頭か耳を生やした女の子が綺麗な服を着て待って居た。


「…猫耳ッ!」


「ひッ!」


 俺はその女の子に生えてある耳が猫耳だったことに驚きそう叫んだ。何故俺が叫んだかというと前世からの一個の俺の趣味がアニメ視聴でその中で特に気に行ってたのが異世界系アニメや人外系のアニメに出てくる猫耳の女の子だ。

 俺がいきなり叫んだせいで女の子はラニアの部屋にあるテーブルの下に隠れてしまった。

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