第115話 【ジンさんとの鍛錬・2】
「それじゃ、まずは体操から始めるぞ」
「はい、お願いします」
ジンさんが始めた体操は良く夏休み中に集まってやっていたラジオ体操だった。
「レイ君、ちゃんと体操はやっておかないと怪我するからの~」
「はーい」
俺が少し気を緩めてやっていると、ジンさんからそう注意をされたのでちゃんと体操を始めた。体操が終わるとジンさんから「一回、体力測定もどきをやるからレイ君まずは走ってくれ」と言われ俺は練習場を端から端まで10往復した。
「ふむ、なるほどの次は腕立てを50回」
「はい」
その後、腕立てが終わると腹筋50回をし重たい石を渡され何個持てるかでジンさんが持って来ていた石全部10個を持ち、次はジャンプ力が見たいと言われ思いッきりジャンプすると異世界バランスがどうなってるか分からないが10m位飛んだ。
「なるほどのう、やはり転生者のレイ君は体力面・持久力面・筋力面で高い数値じゃの」
「そうなんですか?というか、俺さっき初めてこっちに来て全力でジャンプしたけどあそこまで人間って普通飛ぶんですか?」
「ん~、どうなんじゃろうな種族的問題もあるが10mを普通の力で飛べる人族は珍しいと思うぞ、まあ転生者でも強い弱いがあるからの転生時のポイントで決まる場合もあればこっちでの生活での運でも強さが決まるからの」
「そうですよね。やっぱり、ジンさんもこっちに転生する時ポイント高かったんですか?」
「まあ、そうじゃな高いと言えば高かったの、レイ君みたく保険付きでそこまでの強さは最初からは無かったがな」
ジンさんはそう行った後「休憩は、おしまいじゃ」と言って次の体力測定も終わり稽古へと入った。まず最初にしたのはジンさんが土魔法て作った2つの壁の間をよじ登ると言った稽古だった。
「えっと、これはただ普通に登ればいいんですか?」
「うむ、魔法は一切使うのは禁止で普通に登るだけで良いぞ…邪魔するがの」
俺がよじ登ろうとした時ボソッと最後の言葉が聞こえ「何があるんだ…」と思いながらも既に稽古は始まってるし逃げるわけにもいかないので登り始めた。
「ッ!うわッ」
いきなり、俺の左手を付いていた壁がドロッと溶け無くなりバランスを少し崩した。
「おお、中々の反射神経じゃのう…じゃあ、次はこれでどうじゃ」
「ちょッ!」
ジンさんは、笑いながら俺に向けて先が布で巻かれた棒を飛ばしてきた。俺はそれを壁に付けていた右足で蹴飛ばして叩き落した。
「ふむふむ、その場での最善の対処の仕方中々良いのう~さあ次が飛んでくるぞ~」
ジンさんはそう言うと何処から取り出してきたのか棒を十数本出してきて俺に目掛けて投げて来た。俺は、順番に投げられてきた棒を足で叩き落しながら、手を置いてある場所が急に崩れるのをなんとか持ち直しつつ登って行った。
「はぁ~、はぁ~、はぁ~…なんとか、登れた…」
「おお、凄いのレイ君この稽古を初見で一回も落ちずに登りきれたのは初めてじゃよ」
「そ、そうですか…あの、ちょっと休憩していいですか?流石に足と手がしびれて来て」
「うむ、そうじゃのう十分位休憩するかの」
た、助かった。流石にこのまま続けられると俺の体がもたなかった。マジでジンさん容赦ないよ俺初めてだってのに徐々に棒を投げてくるスピードも速くなってきてるし途中棒を蹴って叩き落してたら永遠に続くことに気が付いて蹴りの威力を強めて叩き折ってなかったら今も続いてんだろうなと考えただけで嫌になった俺はアイテムバッグからチョコクッキーを取り出し糖分補給をした。ジンさんからはチョコがある事に驚かれたが逆にジンさんが持って来ていたお茶に俺は逆に驚いた。なんとジンさんが作った国では色々と研究をして茶葉や豆類、芋や作物を他国に販売までにはいかないが自国で食べられるほどまでにしていた。
「す、凄いですね。ジンさん…」
「まあ、一応転生歴は長いからのジジイになった今では畑を耕すのが一個の趣味じゃったよ」
「あの、ホントに邪魔はしないんで今度ジンさんの国に行っても良いですか?」
「うむ、招待客なら儂の国は入れるからのレイ君とレイ君の友達を国に招待しよう」
「ホントですか?!ありがとうございます!」
俺はジンさんに「それじゃ、お邪魔した時色々と作物とか見せてください。俺、それでジンさんに美味しい日本料理作ります」というとジンさんは「おお、レイ君は料理上手じゃったの、うむ楽しみにしておくぞ」と言ってくれたので俺は今度の連休休みにエルダ達にはちょっと行くのが遅れてしまうがジンさんの国に行く事を決定した。
その後、別の稽古として泥沼に俺が入ってジンさんからの攻撃を避けるのをやり汗をガンガン掻いた俺とジンさんは「今日は、ここまでにしませんか?」と俺が行ってジンさんから「そうじゃのう、初日にここまでしたのは久しぶりじゃから儂もちと疲れたの」と言ったので「俺の家の風呂に入りませんか?」と言ってジンさんと俺は家の一緒に入る事にした。