第112話 【王妃様に魔法を教える事に?!】
練習場に着いた俺達一行は、先に使っていた兵士達に「ちょっと場所貸してくれる?」と王妃様が言うとその場にいた兵士達が「はい!分かりました。それでは、私共は外回りに行ってきます」と数十人の兵士たちが綺麗に並んで練習場を出て行った。それを、見ていた俺に王妃様が「どう?ちゃんと教育された兵士たちは」と聞かれ素直に「凄かったです」と言った。それと、ここに来る前に父さんとレック兄さんとリック兄さんは用事を思い出したと言って帰った。何かあったかなと考えていると母さんが「来る前言ってたじゃない。一度鍛え直すって、リックもさっきのレイの言葉で自分がレイより弱いと自分でも思ってしまったからあの人に付いて行ったのよ」と言った。
「さてと、それじゃ始めるけどちょっと危ないから少し離れてて」
「分かりました」
そう言って、俺と母さんとシフォンと王様は少し離れた所まで行った。俺達が安全な場所まで移動したのを王妃様が確認すると「それじゃ、行くわね」と言った。
「ッ!!」
王妃様は行き成り自分の周りに無属性の魔力の輪?(俺が無属性で作っていたような輪っかとは何処か違う感じの物)を作り上げたと思ったら中から【火・水・風・光】の属性の弾が放たれ目標物の人形が粉々になった。
「…えっと、もしかしなくても王妃様って4属性持ちの人なんですか?」
「ええ、そうよ。まあ、今だったら大金やダンジョンを潜れば属性開放のスキル書なんかあるけど私のは純粋に生まれた時からの物よ」
そう言った王妃様に「す、凄い流石王妃様です」と母さんが驚きながらも王妃様を見てそう言った。
「まあ、でも私って結構飽き性だったせいで色んな属性が使えても全部の属性を上げる事をしなかったのよね。で、結果無属性で他の属性の的を絞る様にしてそこから他属性を打ち込むって魔法の使い方、ただの乱発打ちよ」
「それでも、あの量を一回で射出出来るのは凄いですよ。あれほどの魔法を撃てるって事は王妃様魔力も凄いんですか?」
「いや、私の場合魔石とかも使ってるからよ。ほらっ」
そう言って、王妃様はブレスレットと指輪を見せてくれた。そこには、綺麗に装飾された魔石が付けられていた。
「なるほどね魔石で魔力の代用をそれであの量の魔法を撃ってたんですか…」
確かに魔石を魔法に使う人は結構いるが使い方が王妃様は豪華だな、4属性(実際無属性も入っているので5属性)の魔法を一気に撃つとは他の人は多分出来ないようなものだな、まず5属性同時に魔法を展開する時点で凄い事だしそれを均等に放ってているのは魔法の腕が高いと言う事になるのだが…
「それだけ、出来るのに何で魔法は苦手って言ったんですか?」
「えっ?それは私がさっきの魔法しか使えないからよ。あれ以外使った事ない物」
「…なるほど、苦手って言うんじゃなくて、やらなかったんですね」
「まあ、そうね。だって、私小さい頃からそこの人と結婚する事が決まってて魔法より政治の事を勉強した方が良かったもの魔法何て兵士を訓練させて集団として使用した方が効率かつ効果的だもの」
そう言った王妃様に「まあ、数押しは良い手ですけど…」と少し渋った感じに俺は言ってしまった。それを聞いた王妃様は「それじゃ、レイ君私に魔法教えてみる?」と聞いてきた。
「えっ?」
「そうね。私も最近、大事な会議以外は暇してるから良いわレイ君私に魔法教えてくれる?」
「ま、まあ別に俺は構いませんが、王様とかの許可は…」
「いいぞ、ロイゼがやりたい事をやらせるのが儂の務めでもあるからの」
と王様が言ったので「それじゃ、決まりね。いつから教えれる?」と言ったので「俺も今後、自分の鍛錬もありますので週に1度くらいしか教えに来れませんがそれでもいいのでしたら」と言った。
「ええ、まずはレイ君を優先で良いわ。レイ君は、この国でも一番大切な人材だもの」
そう言った王妃様は、その後「これで、暇つぶしも出来るわ~」と言って背伸びをしていた。それを見ていた母さんは「良かったじゃないレイ、王妃様に目を付けて貰えるなんて王様だと国に仕えろと言われるだけだったけどあの王妃様なら心配もないからいつでも王妃様とお会いしてもいいわよ」と言った。
まあ、別に転生者同士だから余りそんな心配もしてないしなと思いつつも俺は今後のスケジュールがどんどんハードになっている気がして少し落ち着きたいなと思い始めた。
その後は、王様と王妃様とシフォンに挨拶をして俺と母さんは城を出て家に帰った。今日は、色々と疲れたので家で留守番していたクレナに構う事なく風呂に入り飯を食って直ぐに眠りについた。




