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第109話 【あいつは今、王に呼ばれた・1】


「そう言えば、今日って大体の貴族が集まってるんだよな?」


 俺はそう、サンドイッチを食べていたディーに聞いた。ディーは、口に入っているサンドイッチを飲み込んでから「うん、そうだね。防衛の仕事をしている人とかは流石に来てないけどそれ以外の人は来てると思うよ」とディーは言った。


「そうだよな~…やっぱ、俺の式典だから来てないのかな?」


「誰の事言ってるの?」


「ああ、いやさ前にマグラットのギルドで喧嘩した貴族の年齢的には俺達の余り変わらない奴がいたんだが今日見当たらないんだよ」


 俺がそう言うと、ディーは少し考えて思い出したかのように気まずい雰囲気を出した。


「どうしたんだ、ディー?」


 ディーは、「ちょっとこっちに来て」と言って俺を壁際に連れて来た。そして、そこで小さな声で話しだした。


「ああ、いやね。レイが言っている貴族の子供ってブータリッヒ公爵様のタブ様でしょ?」


「そうそう。見た目からして豚男の」


「うん、それで合ってるね。僕も数日前に聞いた話なんだけど、タブ様今迄色々な所で問題を起こしてたらしくマグラットに来る前、レイと喧嘩する前に「次問題行動を起こしたら家を手て行け」と言われてたらいんだよ」


「…マジか、なら今いないって事は」


「そうだね。多分本当の事だったんだろうね。ああ、でもタブ様の事は気にしなくても大丈夫だよ。あの人の側にはいつも執事服を着たおじさんが立って居たでしょ?」


 おじさん?ああ、そう言えば確か豚男が「バズ」と呼んでいた執事をいたな…


「ああ、確かに」


「その人も一緒に公爵家から出て行ったって事はタブ様と一緒に行ったと噂されているから皆安心しているんだよ」


「?何で、その執事が居るだけでそんな安心するんだ?」


「えっ、レイ知らないの?」


「何が?」


 俺がそう聞くとディーは「ああ、そっかレイは山暮らししていたから知らないのか」と言って執事の事について話し出した。


「タブ様の横に居た執事は昔今は戦争で負けて国自体が無くなった「フルック帝国」の兵士だったんだよ。ナロウディ国や他の国々の戦った国からは【不死身の鬼】って言われてて1人で1000もの兵士を相手に得意の双剣と魔法で相手取っていたらしいんだよ。でも、最後は聖国の魔法師達が作り上げた特大魔法を受け死亡したと思われたんだけどたった一本の腕だけで受け止めていたんだよ。その後は、敗戦国の兵士って事で奴隷になったんだけど余りにも酷い怪我で奴隷としても値段が高く治療費も取られるって事で誰も買わなかったんだよ。そんな時にタブ様が奴隷購入のために渡された金を全てバズさんの奴隷費と治療費に与えたんだよ。バズさん1人に数十人の奴隷費をね」


「へえ~、そんな凄い人だったんだなあのおじさん」


「そうだよ。今じゃもう歳で昔見たく鬼とまでは言われないだろうけどそれなりの強さは持ってるから皆安心しているんだよ。タブ様色々と問題は起こしてたけど根はやさしい人だったからね」


「そうなのか?俺なんてあった時、エルダを寄こせって言われたぞ?」


 俺がそう言うとディーは「根はやさしいんだけど女の子の件になると悪代官並みに悪くなるからみんな好きになれなかったんだよ」と言った。


「まあ、いつかどっかで会ったら挨拶位はするか」


「そうだね。それにレイも双剣を得意武器にするならバズさんに教えて貰うのも良いと思うよ」


 そう言ったディーに「そうだな、鬼と言われるほど強かったんなら色々と教えて貰えそうだな」と言って俺達は壁際からサンドイッチや飲み物が置いてあるところに行って食事を再開した。

 その後、父さん達と合流して貴族のあいさつ回りも諸々の用事も終わったので帰ろうとしていたところ別室からシフォンが来て「お父様が呼んでるから来てくれない?」と言わた。

 父さんが怪訝そうな顔つきになり俺もギルド長がいないしなと考えていると丁度良く後ろから俺の式典に来てくれていたギルド長が話しかけて来てくれて今から王の所に行くから一緒に来てくれませんか?とギルド長に言うと「いいぞ」と言ってくれ俺達はギルド長と一緒に王の所へと向かった。


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