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第107話 【貴族へ・1】


 マール怒り事件から数日後、前世同様七日区切りのこの世界で学園が決めている休日日に俺は朝から家族5人である所へと向かっていた。


「はぁ…とうとう、息子に位まで追い抜かれちまうのか~残ったのは強さだけ…」


「父さん、言っちゃなんだけど父さんより強い自信はあるよ」


「それは、言うなよ~俺だって父親として頑張ってんだからさ…」


「レイ君、父さんをイジメちゃダメよ。グランさんからディー君の事で聞かされたと思うけど、メンタルが弱いのはマグラット家の男児全員なのよ」


 そう母さんは言いながら父さんに「大丈夫よ。父さんの武術ならレイ君にだって引けは取らないわ」と慰めていた。


「それにしても、まさか成人前の息子が俺達より位が上の貴族になんてな~、邪竜倒した時に悟ってはいたが」


「そうね。私達と離れている間に強く育ってくれて私達も嬉しいわ」


「それに魔法の教え方、母さんより上手かったしな!」


「…レック兄さん、それ言っちゃダメな言葉だよ」


 俺がそう言うと、レック兄さんは「あっ」と言い母さんの方を見た。母さんは「そう、そうよね。私の教え方が悪かったものね。よーし、なら今度から練習量増やしましょうか勉強のお時間も今より増やすわね。」と笑顔でレック兄さんに言った。


「父さん、そろそろ気を持ち直してよこれからレイの晴れ舞台なんだからさ、母さんもレック兄さんの件については家に帰ってからでいいでしょ」


「…そうね。リックの言うとおりだわ」


「ああ、そうだな、よしっレイ今度武道だけの試合をしよう。父と子どちらが強いか決着を付けよう」


 父さんは俺にそう言って立ち直った様子だったので「いいよ。でも、手加減はしないからね」と言った。それに対し父さんは燃えた様子で「レイの式典が終わったら修行に入る!」と宣言した。

 それから、馬車乗り場に着いた俺達は王宮から馬車が手配されていたのでそれに乗り城へと向かった。数分後城に着いた俺は城を見上げた。


「…何度来ても、この大きさには驚くな」


「そうだね。まあ、このお城自体がナロウディ王国のシンボルでもあるからね」


 リック兄さんがそう言った後、門番の人が門を開けて俺達が乗って居る馬車が入って行き城前まで送ってくれた。


「ありがとうございました」


「いえいえ、親子で邪竜討伐したご家族を乗せれて私の方が嬉しい限りです」


 そう言って、馬車を引いてくれた親父さんは馬車を動かし来た道を戻って行った。


「さてと…ここから先は、母さん達とは別行動だね」


「そうね。一応、私達はレイの家族って事で特別席を用意して貰ってるからそこで見てるわね」


「分かった。それじゃ、行ってきます」


 俺はそう言って、母さん達と別れ使者の人と共に城の中に入り廊下を歩いて行った。廊下の先にある一室の部屋に通された俺は、そこでいきなり風呂に入らせられ髪型から服装まで王宮のメイドから無理矢理準備させられた。途中抵抗しようとすると「これから出向く場所にふさわしい格好にしていますのでお待ちください」と言われ人生二度目のメイドから体を洗われた。


「なんで式典に出るだけでこんなことに…」


 俺は髪型をセットしているメイドたちに向けてそう呟くと部屋の扉が開き1人の女の子、シフォンが部屋の中に入って来た。


「よお、シフォン俺は今メイドの着せ替え人形ごっこしてるんだが一緒にどうだ?」


「いえ、私もその着せ替えごっこは何度もしてきましたので遠慮しておきますよ。それにしても、レイ君いつも学生服のレイ君しか見た事なかったけど貴族服も結構に合ってるね」


「そうか?」


 今シフォンが言った。【貴族服】と言うのは貴族が公の場、舞踏会や式典などで着る洋服の事で位順でドンドン厳しい貴族服になって行く物である。


「俺の貴族服よりシフォンのその王家の服も中々似合ってるぞ」


「そう?ありがとう」


 シフォンがそう言った後、メイドの1人が部屋に入って来て「シフォン様会場の方に入る時間です」と知らせに来たのでシフォンはメイドと共に部屋を出て行った。



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