第104話 【皆でダンジョンへ・4】
俺達は急いで学生達の所へと走って行った。学生達へブラッドゴブリンリーダーが襲い掛かって倒れていない二人の女子学生の内、剣を持っていた方の学生が倒れもう1人の女子生徒だけになった。
「そこの、女子生徒援護は居るか!」
「えっ?!は、はい!お願いします」
一応、後で何か言訳ない為に残っていた学生に援護が必要かと聞き「必要」だと言わせたので俺達は思う存分このブラットゴブリンパーティーと戦う事に専念することにした。学生に襲い掛かっていたブラッドゴブリンリーダーは新たに現れた俺達に警戒を抱き学生から離れパーティーが居る所まで戻って行った。
「まず、俺が倒れてる者達を運んでくるからその間にシズクとシフォンはそこに倒れてる人とその人に回復魔法を1回分溜めた魔石を使って介護しておいてくれ」
「分かったよ。レイ君、行こシフォンちゃん」
「うん、レイ君頑張ってね」
シフォンとシズクは、俺が渡しておいた回復魔法を貯めてある魔石を取り出し女子生徒二人を介護し始めた。
残った俺、ディー、クリスは手分けして倒れている生徒をブラッドゴブリン達から逃げ・吹っ飛ばしながらシズク達が介護してある場所まで運んだ。
「そいつらも頼んだ。クリス、シズク達の所にもし魔法が飛んできた時の為に風魔法でここで壁を張っておいてくれ。風魔法の壁はこう縦に作るんじゃなくて横に受け流すように作るんだが、分かるか?」
「大丈夫だよ。その位なら出来る」
そう言って、クリス介護している場所を守る様にして風魔法の壁を作った。
「よし、それじゃディー初めての共同作業だが行けるか?」
「レイ、僕はここを突破して25階層まで行ったんだよ。余り下に見ないでね」
「そうか、なら俺は聖魔法であいつらを一掃するからディーはあいつらを一纏めに出来るか?」
「難しい注文だね。でも、まあレイが後ろに居るってわかってるから少しは無茶できると思うし行けるよ」
そう言って、ディーは得意の水を変質させた氷魔法を展開して右方向からゴブリン達の方へと走り出した。俺は、その間聖魔法へと光魔法を変質しここで新たにあいつらを一掃できるくらいの魔法を練り始めた。
(回復の雨みたいに上から降らすのを尖らせたりれば攻撃的には良いけどブラッドゴブリンリーダーはすばしっこい奴だから当たらず避けられそうだし、かといって放ったとしても広範囲に攻撃出来ない…)
俺が考えている間にも、ディーはブラッドゴブリン達からの攻撃を避けながら氷壁を作り広がっていたブラッドゴブリンパーティーのゴブリン達を真ん中へと集めて行っていた。途中、矢が当たり俺が「ディー!」と叫ぶと「大丈夫、レイは魔法の集中して」と言い矢を引き抜き、幸い状態異常の矢では無かったみたいでポケットに入れていた回復魔法を貯めていた魔石を使い回復してまた氷壁を作りながらゴブリンを集めだした。
「そうだ!いいこと思いついた!」
俺は、聖魔法での攻撃を思いつき直ぐに魔法を練り始めた。そして、魔法が出来た瞬間ディーに「離れろ」と言いディーが安全付近まで移動した瞬間俺は魔法を使用した。
「雨だと威力が弱く、放てば広範囲に攻撃できないと来たら下から打ち上げるようにすれば良い【聖なる地の怒り】!」
『グギャァァァァァァ!!』
俺は、上からだと見切られる可能性があり放つと全滅できない考えた俺は、手を地に付けゴブリン達が集まっている場所をピンポイントで狙い下から打ち上げるようにして聖魔法を放った。その攻撃は、俺が何かしたと感づいたブラッドゴブリンリーダーだったが動く前に俺の魔法が発動し他のゴブリン諸共全滅した。ゴブリンが一掃されたことに安心したのかディーが地面にベターッと寝そべり「レイが良く走りながら魔法打ってたからやってみたが俺にはちょっと厳しいわ…」と汗をかきながらそう言ったので俺は「お疲れ、それと走りながらの時はもう少し詠唱を早く魔法を撃てるようにイメトレを毎日の練習に加えるといいぜ」と言うと「ああ、そう言うのも魔法が上手くなるのかさんきゅ~」と言って1人では動けない様子のディーを俺は肩を貸しクリス達が居る場所へと行った。




