窓列
黒い窓枠の外に町が見える
四角い縁に切り取られた世界
まるで遺影のようだった
日が暮れると
電源が落ちた画面のように
窓一面
黒い幕が落とされて
窓の中は真っ暗闇
ますます世界が死んだようだ
明るい部屋から窓の側に立ち
何も見えない世界を見下ろした
窓の外の世界からは
見下ろすこの人影は
黒く四角い縁に囲まれて
まるで遺影のようだった
窓の数だけ明かりが見える
黒い縁に囲まれた遺影のような窓枠が
こんな暗い時間まで
明かりをつけて何をしているの?
あのビルこのビルの窓の列
自由な外からよく見える
狭い世界に囲まれた人の影
人間たちの遺影ばかりが
何百何千と見えている