超能力と学校
良かったら読んでください
俺は今日、ある高校の入学式に来ていた。
その高校は超能力者を社会で適応できるように教育するこの国ただ一つの学校だ。
超能力者とは、その身に人ならざる力を宿す人間のことだ。
今から50年ほど前に突然力を持つ人間が現れたのだ。
この学校はそんな超能力をもつ人間が通う学校である。
もちろん超能力者が通う学校に入学する俺にも超能力があるよ。
もっとも俺の能力はだれにもわからないんだがな。
俺にもわからないんだ。
超能力を持っているのは間違いないらしいのだがまだ一回も発動をしたことがないんだから仕方ない。
普通の人・・・って言っていいのかわからないが、普通の超能力者は大体6歳ごろその力を覚醒するらしい。
俺はもう16年生きているが発動していないんだがな。
政府が言うには能力を持っていても覚醒しないものもいるそうだ。
そんな人間も危険因子としてこの学校に送られる。
この学校では力こそが全てらしい。
巨大な力を持つ超能力者がこの学校を仕切り、支配しているのだ。
まったく、俺みたいに力のない人間には迷惑な話だよ。
今、体育館の上で演説を行っているのがこの学校で一番力のある能力者。
風斬 鈴鹿三年生だ
その能力はなにか知らないが一人で軍隊とも戦えるとまで言われているらしい。
言われているらしいってのは、俺が噂を耳にしただけで彼女のことは全く知らないからだけどね。
「以上で、生徒会長挨拶を終わります」
どうやらやっと長ったらしい話は終わったみたいだ
あとは教室に行くだけで今日は終わりか。
他の生徒が席を立つのを確認して、俺も席を立つ。
えっと…俺のクラスは確か一年三組だった気がする。
一年三組のクラスを探し、教室に入っていく。
みんなもう教室に入っているようで俺が最後みたいだ。
どこに座ろうかな~
と思い、空いている席を探していると
「君の席はここだよ」
声のする方を見てみると、髪の長い女の子が空いている席を指さしてくれている
「ありがとう」
俺は礼を言い、その席に座る
俺が席に座るとブォンという音がし、黒板の前に人が現れる。
これは確かプロジェクターとかいうやつだ。
この学校には教師がいないらしい。
授業はこのように遠くにいる教師をプロジェクター越しで見ることになるのだ。
いやこれは別にこの学校の生徒が先生に嫌われているとかいうのではなく、
今はどこもこんなものだ。
俺のクラスの教師は男で名前を錬咲なんとかって名前だった。
別に教師の名前を覚えなくてもあまり関係ないからな
れんざき先生はこの学校の卒業生らしくまだ若いようで、力もかなり高いらしい
「今日から一年間、君たちの授業を受け持つことになった錬咲だ。よろしくたのむ。
お前らがわかっているだろうがこの学校は、超能力を持つ人間を社会で生きていけるように教育する場だ。
教師が学校にいないがこの学校の治安や取り締まりは委員会の役目となっている。
あまり問題をださないように。
今日はこれで終わりだ。
明日から授業が始まるから忘れ物をするなよ。」
錬咲先生はそう言って姿を消す。
短いな……
それでいいのか教師!と言いたくなるよ。
言わないけど
俺は家に帰る支度をしながら周りを見てみると、突然姿が消える人間が何人かいる
このクラスは40人なのにもう半分もいない。
テレポート能力ってやつだ。
羨ましいなまったく
それがあれば歩いて帰る必要がないのに
ぼやいても仕方ないので俺は鞄を持ち教室を出る。
教室を出て靴箱に向かうとそこにはさっき俺に座る席を教えてくれた女の子がいた。
女の子は俺に気づいたようで俺に話しかけてくる
「あなた名前は?」
名前を聞かれたようだ
「藤堂 雄哉だ。君は?」
俺が名前を聞き返すと女の子は
「私の名前は風斬 蓮よ」
女の子はそう名乗る
風斬?
どっかで聞いたような……
「そうか・・・えっと何て読んだらいい?」
「蓮でいいわ。
名字で呼ばれるのは好きじゃないの」
すげー
そんなことリアルでいう人いたんだ
ギャルゲーの中だけかと思ってた
俺が考えていたことが分かったのか
蓮は少し不機嫌そうな顔をする
「なんか今失礼なこと考えてない?」
「イヤ、そんなことはないですヨ」
俺はすこしきょどりながら喋ると蓮は笑いながら
「ハハハ、あなた面白いのね。
私もあなたのことを雄哉君って呼ぶわね。」
雄哉君。
女の子に下の名前で呼ばれたのは初めてだ。
なんか感動する。
いや、これ以上言うと俺がモテないっていうことがバレテしまう。
誰かはわかんないけど
「そろそろ私行くわね。
また明日学校で会いましょ。」
「ああ、また明日」
俺たちは挨拶をし、その場を後にする。
これが俺と蓮の初めての会話だった。
・・・・・・・・・・って思わせぶりでいうけど特に関係ないけどね