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にっ!

「ぐふっ………。」

倉城の横暴な命令の数々から解放された俺は机に突っ伏していた。ちなみに先生がいなかったので怒られる事も無かった。どうやら倉城が来ないので混乱しているらしい。

「よぉ桜牙。随分お疲れのご様子だな。」

話しかけてきやがったのは俺の前の席に座る吉井達朗だ。

「達朗……貴様、地球温暖化に貢献する気はあるか……?」

「何だよ藪から棒に。地球温暖化?まぁそりゃ一応は貢献したいとは思ってるけど。」

「そうか。じゃあ窓から飛び降りろ。」

「何で!?お前は高所落下がどういうものなのか理解しているのか!?」

「ああ、間違いなくお前の体はあちゃーな事になるな。」

「あちゃーって何だよ!第一それに地球温暖化が何の関係がある!?」

「お前が死ぬ事で二酸化炭素が削減出来る。」

「死ぬって断言しちゃったよこの人!!」

「……ばれちゃった。」

「可愛らしく言っても無駄だ!」

「あァん!?」

「そして何故キレる!?ご、ごめんって!堪忍して!」

「チッ……キモくて興が削がれた。」

「露骨に酷い!?まぁまぁ落ち着いて。俺の決意でも聞いてくれや。」

「だが断る。」

「速っ!ま、まぁまぁそう言わずに~。」

「チッ。まぁいい。ほら聞いてやるからさっさと話せ。殺すぞ。」

「うん。言いたい事は山のようにあるがもう大渋滞起こしちゃってとても俺の実力じゃ捌ききれないから放っとくぞ。」

「は?何言ってんのお前?馬鹿なの?死ぬの?」

「ぐっ…俺はこれしきの事では挫けんぞ……。

桜牙。俺の決意と言うのはだな……。」

スッと息を吸い、一言。

「彼女を作る事だ!!」

「………ハッ!……。」

「ねぇ、今鼻で笑った?」

「ああ、当然だ。」

「誤魔化さないどころか当然指定!?」

「貴様に彼女が出来る訳が無かろう。現実を見ろ、現実を。」

「ふ、ふん!いいもんね!絶対作ってやるもんね!後で吠面かかせてやる!」

「んな事言ってもお前、宛があるのか?」

「ふふん。桜牙には教えといてやろう。…何とこのクラスに、女子の転校生が来るのです!しかもとびきり美少女!!」

「……あー…。」

転校生……あいつか。

まぁそりゃポニーテールで確かに美少女だったし、狙われるのも当然か。

だが、何だろう。あいつと達朗がくっつくのは気に食わない。

達朗は友達だし、当然恋をするんだったら応援ぐらいはしてやるけど……なんだかなぁ。

やっぱり気に入らねぇのかな。

あいつだから?

何であいつだから?

あれ?

おかしいな。

あいつの事を思うと、

こんなにも胸が高鳴る。

何だ?こんな感情、感じた事が無い。

だが、俺はこの感情の名を知っている?

そういえば和人が似たような事言ってたな………

ちょっと名前を置き換えて思い出してみよう。

俺=和人「出会った当時の事なんだけどな、

千恵の事を思うと、こう…胸が高鳴るんだ。」

俺=龍牙『出会った当時の事なんだけどな、

倉城の事を思うと、こう…胸が高鳴るんだ。』

ここまでは解ってる事だな、よし次、行ってみよー。

俺=和人「それで解ったんだ。俺は千恵の事が好きなんだって。」

俺=龍牙『それで解ったんだ。俺は倉城の事が好きなんだって。』

………え?

俺が?倉城を?好き?

俺、あいつに惚れてんのか?

倉城の事が好きなのか?

………多分……いや完璧に惚れてるな、俺。

何でかって?……納得出来たからだよ。

俺は恋なんてした事ねぇけど、

倉城の事を好きだと思うと、

あいつと出会ってからずっと感じていた胸の重さがきれいさっぱり消えたんだ。

俺はこの感情の意味を知らなかったからな。どう受け取っていいか解らなかったんだ。

でも今なら解る。

俺は倉城瑤子が………好きだ。

あれ?ちょっと待てよ…もしそうだったら……

「一目惚れ!?。」

「え?桜牙、俺は米の話なんてしてないぞ?」

「台無しだよクソ野郎。」

「え?違うの?………じゃあ…まさか桜牙お前……。」

「チッ……ばれて「俺の事が好きだったのか!!??」

ブチィッ!

俺の中で何かが切れてしまいました。

そして、音に例えるならズオォォッ!ってな感じで怒りが込み上げてくる。

それに比例するように髪が白く染まっていき、

「くくく、くはははは………。」

灰色暴走モード発動☆♪

「あ、や、桜牙、違うって冗談「クク、クカカカ……」……え?」

「クカキカクコカキカカァ!!」

「わ、わー!桜牙が壊れたぁ!!お、落ちつけ桜牙、じょ、冗談だって、「クカカッ!!」ってうおおぉぉ!!?」

ズドオォォォン!!

「クキィ……。」

「お、おま、殺す気か!?どうやったら素手で机が真っ二つになるんだよ!?」

「クカカカァ!!」

バキャアァァン!!

「おわぁ!!ちょ、あかん、あかんって床割れちゃってるから!俺も割れちゃうから!!

ていうか和人!零!見てないで助けろ!!」

「嫌だ。自業自得だ。あきらめろ。

それに喧嘩してると千恵に怒られるしな。」

「今回は達郎が悪いしねー。

あと僕も里美に怒られちゃうからパス。」

「こ、このリア充共がぁ!絶対に見返してやるからなってうおわぁ!!」

「クカカキクカカッ!!」

マウントポジションゲットだぜ!

「桜牙、ま、待て、落ちつけ。

………桜牙クン?その開いた手をどうするおつもりかな?」

「クキクカカァ!」

「はいそうですよねフェイスクラッチ頂きましたぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ギリギリギリと達郎の顔に圧力を掛けていく。

………うん、見事に顔のパーツが中央に寄ってるね。

「いだだだだだ!まずい、まずいって桜牙!そのままだと俺の顔があああぁぁぁぁぁ!!」

さらに圧力を加えようと思った矢先、

ガラガラガラ!

「…………桜井君。なにをやっているのですか………。」

先生来ちゃったよ………。

スーっと血の気が引いていく。

そして段々と髪の毛が黒く染まっていく。

「あー、あの、その………全部達郎の勢ですっっっ!!」

「おいいぃぃぃ!!被害者俺なんですけどぉ!!」

龍牙は逃げ出した!

達郎は逃げ出した!

しかし、(達郎のみ)回り込まれてしまった!

「何でだあぁぁぁ!!」


※その後、達郎は生徒指導室へ放課後に来るようにと言われていた。やったぜ。

達郎「何で俺だけなんだよ!?」

作者「お前だけだと割愛できるからだ!」

達郎「言ってはいけない事を!!」

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