表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二重人格勇者の演技  作者: 反逆の猫
2/2

二重人格勇者の演技 02



 僕はどうやら二重人格らしい。


 で、僕は生えてきた方の人格だ。


 僕なんて一人称やってるけど、強気な方の性格だ。


 喧嘩売ってきたなら買うし、荒事なんてなくても突っ込んでいく。


 ゴミ掃除ってやるとすっきりするし、心の健康にいいもんだ。


 この間だって、女に声をかけてたチャラ男をのしてやったしな。


 三日後くらいにまた喧嘩売ってきそうだなと思ったけど、返り討ちにした記憶はないから、生えてきてない方が何とかしたんだろう。


 弱気な性格だけど、一応勇者だから何とかしたんだろ。


 面倒だから、ずっとこの性格でいたいんだが……そうはいかない。


 そんな性格を出しちゃいけない相手がいる。





「ほら、今月のお金だよ。これでお薬をかってちゃんと飲むんだよ」

「うん、ありがとうお兄ちゃん」


 はぁ、演技ほんと面倒だしだりーな。


 本来の性格の方が勇者なんてものをやるようになった理由は、妹の存在がある。


 理由は病気の治療のため。


 この妹は僕の弱点だ。


 病弱で、高度な治療と高いお薬が必要な妹の前ではどうにも、本来の人格を出せねーんだよな。


 人格の切り替えを自由自在にできたら良かったんだが、無理だから「僕」の方が出ている時は、「俺」の演技をするしかないのだ。


「俺が魔王を倒したら、王様に病気の研究が進むようにお願いするからね」

「うん。でも、いつもごめんね、大変でしょ?」

「気にしないで。家族なんだから」

「そうだったね。……じゃあ、また来るから。無理しないように」


 今日もぼろを出さなかったようだ。

 病弱な妹に心配をかけたくないからな。

 いくら僕が生えてきた方の存在だっていっても、記憶は本体とおんなじなんだから。


 他人扱いはできねーよ。


 頭を掻きながら、俺は妹の前から去る。


「あれ、お兄ちゃん。いつの間に頭をそんなガシガシかくようになったの?」

「あ、いやこれは、ちょっとモンスターとの闘いで変な液体をかぶっちゃったからその影響かも。ちゃんと治療するから大丈夫だよ」

「そう?」


 ふう、危ない危ない。


 この二重人格が戻る前に致命的なミスを起こさないようにしないとな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ